" />

マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾

ill466.jpg



(原題:800 balas 2002年/スペイン 124分)
監督・脚本/アレックス・デ・ラ・イグレシア 製作/フアンマ・パガサウルトゥンドゥア 撮影/フラビオ・ラビアーノ 美術/ホセ・ルイス・アリサバラガ、Arturo Garcia Biafra 音楽/ロケ・バニョス 録音/アントニオ・ロドリゲス“マルモル” 編集/アレハンドロ・ラサロ
出演/サンチョ・グラシア、アンヘル・デ・アンドレス・ロペス、カルメン・マウラ、ユウセビオ・ポンセラ、ルイス・カストロ、エンリケ・マルティネス、ルチアーノ・フェデリコ、マヌエル・タリャフェ、エドゥアルド・ゴメス、ラモン・バレア

概要とあらすじ
かつて多くの名作ウエスタンが撮影されたスペイン南部の砂漠町を舞台に、企業買収に立ち向かう元スタントマンたちの抵抗を描く哀愁ウエスタン。スペイン南部のアルメリア地方。かつて400本以上のマカロニ・ウエスタンが撮影された西部劇の“聖地”であり、「アラビアのロレンス」「ドクトル・ジバゴ」「パットン大戦車軍団」「インディ・ジョーンズ/最後の聖戦」といったハリウッド大作の撮影隊も続々訪れた知られざる映画の都…だったのは昔の話。21世紀に入った現在は栄枯盛衰、つわものどもも夢の跡。ほとんど人の訪れない荒涼たる砂漠である本来の姿に戻ったアルメリアのウエスタン村「テキサス・ハリウッド」では、かつて映画産業で調子よく金を稼いだ日々を忘れられない男たちが、実演ショーでなんとか食いつないでいた……(映画.comより抜粋



最後まで観たのを誰かに褒めてもらいたいわ。

スペインのアレックス・デ・ラ・イグレシア監督作品は
『気狂いピエロの決闘』『スガラムルディの魔女』を観て、
どれもイマイチだけど、なんかやりそうな感じがしたので
『マカロニ・ウエスタン 800発の銃弾』を観てみたら
クッソつまんなかったのです。

セルジオ・レオーネばりの遠景で始まり、
マカロニウエスタンおなじみの馬車を強奪するシーンが
じつは映画の撮影だったのはいいとして
タイトルバックで『続・夕陽のガンマン』のテーマ曲の
ギター・アレンジが流れる本作は
臆面もなくマカロニウエスタンへのオマージュに溢れているのですが
マカロニウエスタンらしさみたいなものは冒頭だけで
それ以降は、本作に登場する「ウエスタン村」のように
形骸化したハリボテのマカロニが続きます。

どうしようもない男たちと
男たちを愛する正しく真っ当な女たちというのは
これまでのイグレシア監督作品でも一貫しているのかも知れません。
マカロニウエスタンをやるといったら、
例えばタラの『ジャンゴ 繫がれざる者』みたいに
オマージュ満載でなければならないなどとはいいませんが
マカロニウエスタンがたとえ嘘っぱちでも
ケレン味に溢れているのが魅力だとすれば
本作にはそのケレン味というものがまったく存在しないのです。
いや、おそらく監督が思うケレン味はあるんだろうけど
それがことごとく寒々しいのです。

引っ越しの最中に好き放題暴れ回る小学生のバカガキ、
カルロス(ルイス・カストロ)
これっぽっちの感情移入できないのが
そもそもスタートダッシュに失敗しているのではないでしょうか。
なにやら俳優の仕事をしていたカルロスの父親は死んでいて
父親のことをほとんど知らされていないカルロスが
父親に憧れているというのはわかるけれど、
2〜3発ひっぱたいて、ガムテで両手両脚を縛って
逆さに宙づりしたいくらい腹立たしいカルロス

亡き父親を追い求めようとも知ったこっちゃありません。
親がバカだからガキがバカになるんだと思っていたら
スキー合宿に行くというカルロスに
祖母は小遣いを、母親はなんとクレジットカードを渡すのです。
ほらみろ、やっぱりガキがバカになるのは
親がバカだからなのです。

せめて、カルロスがおとなしい少年で
いつも母親のいうことをよく聞くけれど
やっぱり父親にまつわる本当のことを知りたくなって
母親に対する一世一代の反抗を決意し、
父親探しの旅に出かけるのなら理解できますが
普段からわがまま放題のクソガキがどっかに行ったところで
ちっとも晴れ晴れしい気分になれません。

カルロスがスキー合宿を抜け出して向かった先は
スタントマンの祖父がいる「ウエスタン村」。
マカロニウエスタンのロケ地の多くはスペインでしたから
こんなものもあるんでしょうか。
東映太秦映画村みたいなもんでしょう。
祖父フリアン(サンチョ・グラシア)
イーストウッドのスタントをやったとか、
過去の栄光(?)にすがって生きている男。

そのフリアンがあれやこれやとやらかすわけですが
そんなことはどうでもよくて、
突然盗んだとされるハムとハシシを取り上げる警察がやってきたり、
突然ハウス農場へ行ったかと思えば
人手不足でもないのに大量のインディアン役を引き連れてくるし、
(結局あいつらはどうなったのかわからないし)
釈放されれば祝杯だーつって大騒ぎして、
突然カルロスに昔話をとうとうと説明し始めるし、
前振りも脈絡もへったくれもない展開に辟易します。

不動産屋であるカルロスの母親によって
地上げにあったウエスタン村が閉鎖されることになると
フリアンは800発の実弾を購入して
警官隊との銃撃戦に挑む
のです。
ハリボテのセットで空砲しか撃ったことがないはずのフリアンが
実弾を撃つことで生まれる予想外のエピソードなど一切なく、
詰めかけた警官隊はまるで書き割りのようにわあわあ言うだけで
なんの役にも立ちません。

ラストで、思い出したかのように
いわゆる「ラスト・スタンド」へ。
いやいや、周りは警官隊に取り囲まれてるはずなんだけど。
なんで待機してんのさ。

最後には、フリアンがイーストウッドから
40年前にもらったという電話番号が通じて
イーストウッドらしき男がフリアンの埋葬に立ち会ってます。
知らんわ。

報われないけど、夢を追い求める男とか、
古き良きものが破壊される哀しみとか、
いいたいことはわからないではないけれど
映画を観ていてまったくそんな気になれないし、
これぞ自己完結したひとりよがりな作品でした。
全編に流れる古式ゆかしきサスペンス的劇判もうるさいだけです。
(念のためつけ加えると、たまに見かける
 ひとりよがりな作品=オナニー(マスターベーション)という表現は
 完全に見当違いです。
 たとえ自慰行為であっても、観客を楽しませれば
 オナニーでもまったく問題ありません。
 むしろ、サービスのセックスよりも
 最高に面白いオナニーをみせてもらいたいのです)

最後まで観たのを誰かに褒めてもらいたいわ。





にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
↑お気に召したらクリックしていただけますと、もんどりうって喜びます。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

のほうず
映画が好きで観るのはいいが、
かたっぱしから忘れていくので
オツムのリハビリ的ブログ。
******************
当ブログの文章・画像およびイラストの無断転載を禁じます。引用される場合は、出典の表記と当ブログへのリンクを設定してください。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

お気に召したら
クリックお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

スポンサードリンク

↓過去の記事はこちらから!↓

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カウンタ