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ももいろそらを

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(2011年/日本 113分)
監督/小林啓一 プロデューサー/原田博志 脚本/小林啓一 撮影/小林啓一 録音/日高成幸
出演/池田愛、小篠恵奈、藤原令子、高山翼、桃月庵白酒

概要とあらすじ
本作が長編デビューの新鋭・小林啓一監督が、大金を拾った女子高生と友人が巻き起こすアクシデントを通して、現代に生きる若者の瑞々しい表情を全編モノクロームの映像で描いた青春ドラマ。新聞の採点を日課にしている高校生の川島いずみは、ある日、大金の入った財布を拾う。財布の持ち主を無事に探し当てたいずみだったが、そこから事態は思わぬ方向へ動き始め……。2011年・第24回東京国際映画祭「日本映画・ある視点」部門で作品賞を受賞した。(映画.comより



雰囲気、雰囲気、雰囲気……

観てみたいなあと思いつつ、
劇場公開を見逃してしまってから
はや2年が経ってしまった『ももいろそらを』
やっとDVDで観ることができたのですが
いま心から、観なきゃよかったと思っています。
感想を書くのもかったるいのですが
一応、備忘録として。

30万円入った財布を拾ったいづみ(池田愛)
どうみても交番らしからぬ交番に届けようとするものの、
財布を持ち帰ってしまいます。
「あいかわらずバカか?」なんていうところからすると
寅さんをイメージしてるんでしょうか。
饒舌な独り言を言い続けるいづみに
すでに嫌な予感がしましたが
ひとりでいるうちはまだ許容範囲。
いづみがいる釣り堀に印刷屋が登場してから
学芸会のような演技の応酬がはじまります。

その後、いづみの友達が登場し、
スカした会話が繰り広げられます。
どうやらオフビートな会話劇をやりたいんでしょうね、
ということは吐き気がするほど伝わってくるものの、
いや、伝わってくるからこそ、会話がことごとく寒々しく、
あざとい演出にイライラがつのります。
撮影に入る前に、2〜3カ月ものリハーサルをやったそうですが
それがかえって、フレッシュさを損なう結果に
繫がっているのではないでしょうか。

いづみは社会に不満を持ち、
発言もあけすけで口が悪いにもかかわらず、
背の高い友人・蓮実(小篠恵奈)に財布を取り上げられてからは
返してようというばかりでまったく積極性がなく、
蓮実のでかい態度もまったく意味不明です。
意図的に話題を解決しようとせず、
同じじゃれあいを繰り返すさまは見るに堪えません。

もう、観るのをやめようかと思うほど苛立ちましたが
なんとか踏みとどまり、
このあたりでDVDの再生を倍速にしました。

財布の持ち主の光輝(高山翼)
財布に残っているはずのない借用書に書かれた名前だけで
いづみのバイト先を探し当てて訪ねてくるのは
大目にみるとして
財布にあった金のうち、いづみが使った15万円を
チャラにする代わりに
入院中の恋人を喜ばせるために新聞を作れと言い出すのです。
小学生みたいな思いつきですが
(ていうか、彼らは高校生のはずなのに
 やることなすこと、小学生にしかみえない
光輝といづみが親密になりそうな気配が漂っているうちは
少しだけ面白くなりそうな気がしましたが、
新聞ごっこが少しでも金になるなら理解できるものの
一銭にもならないので
光輝が回収したいはずだった15万円のことは
どうでもよくなっています。


新聞ごっこを巡る立場関係や心理のバランスが
ことごとくご都合主義的で、
そもそも光輝の財布に入っていた30万円は
親の金をくすねたものだったからこそ、
いづみとの間に対等な契約関係が結ばれたはずなのに
そんなことはいつしかうやむやになり、
いづみはただ翻弄されるだけの存在になっています。
じつは利用されている蓮実と真相を知っているいづみが
本気でケンカをすることもありません。
本作では、登場人物のだれもが
本質的な問題に言及するのを避けています。
そうやって、簡単な問題をあえて先延ばしするさまが
気持ち悪くてたまりません。


最終的に、光輝がゲイだったことがわかるのですが
光輝にホの字の蓮実が失恋に泣くのは当たり前だとして
言い争いながらも光輝に気持ちを寄せていたであろう
いづみの失恋は
それまでに光輝といづみの関係を
携帯電話の会話でしか描いてこなかったために
まったく心に響きません。

死んでしまった光輝の恋人(男)がピンクの空を見たかった
いっていたことから
いづみはピンクの煙が出る火薬(?)を焼き場に持ってきて
煙突からピンクの煙が立ち上がる、というのですが
遺体を焼くときに、そんなわけのわからないものを
一緒に焼くことを親族が了承するかという疑問は置いておくとして、
どう考えても『天国と地獄(1963)』なわけだから
ここはパートカラーでピンクを表現しなきゃだめでしょ。
ここまでやっておいて、それはやりすぎだというのなら
それもしらじらしい。
監督のインタビューによれば『天国と地獄』は
まったく意識していなかったそうですが
それはそれで、どうかと思うよ。

結局、モノクロにしたのも、浅い被写体深度も
雰囲気なんでしょうか。
オフビートな雰囲気。コメディな雰囲気。切ない雰囲気。
雰囲気、雰囲気、雰囲気……





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