" />

ローズマリーの赤ちゃん

ill447.jpg



(原題:Rosemary's Baby 1968年/アメリカ 136分)
監督・脚本/ロマン・ポランスキー 原作/アイラ・レビン 製作/ウィリアム・キャッスル 撮影/ウィリアム・A・フレイカー 音楽/クシシュトフ・コメダ
出演/ミア・ファロー、ジョン・カサベテス、ルース・ゴードン、シドニー・ブラックマー、モーリス・エバンス、ラルフ・ベラミー、パッツィ・ケリー、エリシャ・クック・Jr.

概要とあらすじ
アイラ・レヴィンの同名小説の映画化で、脚色・監督はポーランド出身の異才ロマン・ポランスキーである。撮影は「女狐」のウィリアム・A・フレイカー、音楽は「水の中のナイフ」でポランスキーに協力し、あとを追って西欧に逃れたポーランドのクリストファー・コメダが担当した。彼はポーランド時代、ワイダの「夜の終りに」のスコアを担当したことがある。なお、夢のシーンの合成撮影は、ファーシオット・エドワードが招かれて担当している。ニューヨーク。現代。若い俳優ガイ(ジョン・カサベテス)と妻ローズマリー(ミア・ファロー)が、マンハッタンの古いアパートに引越してきた。2人がつき合っている初老の友人ハッチ(モーリス・エヴァンス)によれば、このアパートは、以前から不吉な噂がたえないという(映画.comより抜粋



不幸を呼び寄せる呪われた名作

不朽の名作『ローズマリーの赤ちゃん』
復讐。じゃなかった、復習。

『エクソシスト(1973)』の5年前に作られた本作は
オカルト映画の先駆的作品として知られていますが
上映時間は136分と、意外にも長尺。
まるで、ハリウッド製ラブコメ映画のように始まり、
新婚のガイ(ジョン・カサベテス)
その妻ローズマリー(ミア・ファロー)
アパートに引っ越して新生活を始める前半は
いまにもダレてしまいそうな展開です。
もちろん、自殺者が出たり、めんどくさい隣人が登場して、
不穏な種をまき散らしますが
障子の隙間から睨み付けてくるようなこともなく、
いたって普通の隣人トラブルのように見えるのです。
よくよく考えれば、「彼ら」
ガイとローズマリーの夫婦を陥れようとはするものの
攻撃するつもりはないのですから
表面上は友好的に振る舞うのは
当たり前と言えば当たり前ですな。

監督しても有名なジョン・カサベテスの演技も
なかなかのものですが
ミア・ファローのキュートさも見どころのひとつです。
ちょっとオツムが足らないような喋り方だけど
さまざまな60’sワンピに包まれたスレンダーな肢体
妖精のようにヒラヒラと動き回ります。
彼女の幼児性とギリギリ病的手前のやせっぽちな身体が
ローズマリーが纏う危うさを表現するのに
役立っているのではないでしょうか。

夢の中で悪魔にレイプされたローズマリー
ついに子供を身籠もります。
もちろん、父親はガイということになっているわけで、
念願の妊娠を果たしたローズマリーは大喜び。
隣人たちもわらわらと集まってきて祝福するのです。

隣人のばあさんが作った
「タニス草」入りドリンクを飲むうちに
どんどん衰弱するローズマリーは
謎の死を遂げる親代わりの童話作家が託した
悪魔に関する書物をヒントに
夫ガイも含めた得体の知れない陰謀に気づくのですが
あくまで冷静で余裕綽々の陰謀側の連中と比べて
ローズマリーの狂気を帯びた取り乱しっぷりが
マタニティー・ブルーからくるヒステリーであって
もしかしたら全部が
ローズマリーの思い違いなんじゃないかという
作為的なミスリード
を成立させて
観客を不安にさせるのです。

ローズマリーがレイプされたとき、
ちらっと悪魔が登場していたので
ラストで「悪魔の赤ちゃん」を映さないのは
悪魔表現的に微妙な感じもするけれど、
赤ちゃんの姿を想像させるほうが
より恐ろしさが増しているのは確かでしょう。
たとえ、悪魔の子でも自分の子供にかわりはないと
受け入れるローズマリーの母性

暗い影を残して映画は終わります。
悪魔を崇拝するカルト集団の恐怖を描いているのは
間違いありませんが
社会生活における同調圧力の恐怖をデフォルメしていると
言えなくもなくはないのです。

さて、本作をただの傑作ではない、
いわくつきの作品にしているのは
やっぱり有名な「シャロン・テート事件」でしょう。
本作が公開された翌年の1969年、
ポランスキー監督の当時の妻シャロン・テートが
監督宅に侵入したマンソン・ファミリーによって殺害された事件です。
当時のシャロン・テートは妊娠8カ月で、
お腹の中の子供とともに惨殺されてしまいます。
しかも、人違いで……

主人公たちが移り住むマンションは
ジョン・レノンとオノ・ヨーコが暮らしていた
かの「ダコタ・ハウス」
ジョン・レノンは玄関で射殺されたし、
別に本作が不幸の引き金になっているわけではないにしろ、
なにやら不吉なオーラを纏っているような気になる
作品です。

悲惨な事件に見舞われ、ほかにもさまざまな体験をして
波瀾万丈の人生を送るポランスキー監督は
いまもなお、精力的に映画を撮り続けています。
強いというべきか……





にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
↑お気に召したらクリックしていただけますと、もんどりうって喜びます。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

のほうず
映画が好きで観るのはいいが、
かたっぱしから忘れていくので
オツムのリハビリ的ブログ。
******************
当ブログの文章・画像およびイラストの無断転載を禁じます。引用される場合は、出典の表記と当ブログへのリンクを設定してください。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

お気に召したら
クリックお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

スポンサードリンク

↓過去の記事はこちらから!↓

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カウンタ