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カイト KITE

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(原題:Kite 2014年/アメリカ 90分)
監督/ラルフ・ジマン 製作/アナント・シン、ブライアン・コックス、モイゼス・コシオ 原作/梅津泰臣 脚本/ブライアン・コックス 撮影/ランス・ギューワー 美術/ウィリー・ボータ 衣装/ルイ・フィリップ 編集/ミーガン・ギル 音楽/ポール・ヘプカー
出演/インディア・アイズリー、サミュエル・L・ジャクソン、カラン・マッコーリフ、カール・ボークス、テレンス・ブリジット、デオン・ロッツ、ライオネル・ニュートン

概要とあらすじ
1998年にアダルトアニメとして発表され、海外でもカルト的人気を誇る梅津泰臣監督のエロティックバイオレンスアクション「A KITE」を、サミュエル・L・ジャクソンらの出演で実写映画化。少女たちが売買されるモラルの崩壊した近未来を舞台に、両親を殺され、暗殺者として育った少女サワの戦いや葛藤を描く。少女たちが人身売買組織に性の奴隷として売り買いされる近未来。幼い頃に組織によって両親を殺されたサワは、父の相棒だった刑事アカイに暗殺者として育てられる。組織への復讐のため、娼婦になりすまして男たちを暗殺していくサワは、精神のバランスを保つ薬「アンプ」の副作用で記憶が薄れていくなか、組織のボスに接近していくが、やがて残酷な真実が明らかになる。サワ役は名女優オリビア・ハッセーの娘インディア・アイズリー。「セルラー」「スネーク・フライト」などで知られるデビッド・R・エリスの監督で撮影に入ったが、エリス監督がその途中で死去。ミュージックビデオなどを手がけてきたラルフ・ジマンがメガホンを引き継いだ。(映画.comより



「原作、日本!」なんて、喜んでる場合か?

「原作、日本!」ていうのを売り文句にするの、
卑屈で情けなくなるからほんとにやめてもらいたいですね。

梅津泰臣監督のアニメ『A KITE(1998)』
観たことがないのですが、
エログロな世界観がなにやら世界的に人気だそうで
実写映画化の企画が持ち上がったのは13年前だとか。
いざ撮影開始となったころ、デヴィッド・R・エリス監督が急逝。
企画が頓挫するかに思われたものの、
ラルフ・ジマンが監督を引き継いでめでたく完成したのが
この『カイト KITE』

殺し屋の少女とくれば、
リュック・ベッソンがヨダレたらしそうですがそれはともかく、
ようつべに転がっている原作アニメの動画を見てみると
いろんなシーンのディティールを
かなり原作アニメに忠実にやろうとしているようです。
冒頭のエレベーター内のシーンはほぼ同じ。

まあ、予告編を観て面白いかもしんないと映画館へ行ったわけですが
いざ本編を観てみると
かっこいいと思えるような画がワンカットもないのは
どうしたことか。
ラルフ・ジマン監督はMV出身だそうだし、
そもそもアサシンとして少女を鍛え上げた(らしい)という設定自体、
ま、荒唐無稽なんだから
非合理的でも嘘っぱちでも
いよっ! と声をかけたくなるような画をみせてくれないと
どうしようもないだろうと思うのですが
本作には全編を通じて
画的なケレン味がまったくありません。


殺された両親の復讐をするために
殺人を繰り返しながら犯人に近づこうとする
サワ(インディア・アイズリー)
精神のバランスを保つ薬「アンプ」の副作用で記憶を失いつつあり、
両親の顔すら思い出せなくなっているのですが
それって、本末転倒じゃないの?
ていうか、「アンプ」の禁断症状に苦しむサワは
かなり精神のバランスをくずしているので
なんのためにそんなもんが必要なのか、さっぱりです。

サワが、シーンが変わるごとに
いかにも日本アニメ的ロリコン風味の
コスプレをお色直しする
のはいいとして、
どうにもこうにもゲンナリするのは
本作に登場するやつらが、全員マヌケだということ。

おそらく、サミュエル・L・ジャクソン扮するアカイ
アサシンとして育て上げられたはずのサワは
鮮やかにターゲットを始末するのかと思いきや、
最初っから目撃者は残すわ、おろおろ逃げ出すわ、
もう、グズグズなのです。
マヌケなのは敵も同様で、
どいつもこいつも恐ろしいほど隙だらけなのです。
ふわ〜っと現れたどこの誰かもわからないサワを簡単に招き入れ、
簡単に殺されます。
でも、サワもグズグズなので残りの悪党に逃げられたりするのです。

ズッコケたのは、
サワのボーイフレンド、オブリ(カラン・マッコーリフ)
さらわれた少女をチンピラのアジトから助け出したあと、
オブリを見つけたチンピラ二人組は
「ちょっと! あの子はあたしたちのもんなんだから!
 返してよ!」

てなぐあいに、ごく普通に文句をいうのです。
いやいや、街の子供をさらってるような連中ですよ。
まずオブリを捕まえるでしょ? なにを話し合ってんの?
そして、案の定オブリに逃げられます。
バカなの?

ズッコケたシーンは、もうひとつ。
ついに両親の仇エミールにたどり着いたサワ。
(サワは、アカイの指示に従っているわけでもなさそうなので
 自力で調査し、自己判断で敵を始末してるのです……)
組織の大ボスのはずのエミールに
まったく大物感が感じられない
のは
この際もう気にしないことにして
中国包丁を手にしたサワがエミールの首を切り落とすとき、
エミールの後ろ頭にズームアップしている
のは
一体どういうことなのか。
ひざまづいたエミールの身体全体を前から映して
首が切り落とされる瞬間をみせないとダメでしょ? どう考えても。

ここ、見せ場でしょ? どう考えても。
その現場の周囲には、大勢の手下たちがいたのですが
次のカットではスタスタと街を歩くサワが……
大ボス殺されたのに、手下たちはみてただけなの?

「アンプ」の副作用で
どんどん記憶がなくなっているはずのサワは
ものすごい唐突さで、記憶の中に新キャラを発見します。
いやいや。こういうのはさ、
フラッシュバックするサワの記憶の中に
最初からちらちら登場させておいてさ、
「あれは、一体だれなんだろう」ってな具合に
観客にも謎を与えてくれないとさ……

たとえ原作アニメを知らなくても
中盤を過ぎたころには
はは〜ん、アカイが真犯人だなと察しがつくはずですが
たとえそうだったとしても、
物語の真相が明かされる瞬間は
あっといわせるように作っていただきたいものですが……
ものすご〜くぼんやり……

ラストでは
子供の頃のサワとオブリが登場し、
凧(=カイト)をあげて芝生の上を走っています。
なに、あの凧?
原作アニメで「カイト」の意味が明かされているのかどうか
知りませんが、
少なくとも本作では凧になんの意味もなく、
タイトルの由来も意味不明です。

「原作、日本!」なんて、喜んでる場合じゃないでしょ。





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コメント

何がそうさせるんでしょうね? 不思議なリメイク。

おどろきましたね~
アニメは視聴したことがあるのですが、あっちも結構ストーリーはグダグダで、エッチなアニメとしては、異常にハイグレードな作画のみで持ってるような作品だったように記憶してますけど、あえてそれをリメイクしよう!と考える理由は一体なんだったんでしょうか?
監督さんの意図がよくわからないですね

2015/04/17 (金) 02:08:21 | URL | 通りすがり #- [ 編集 ]

Re: 何がそうさせるんでしょうね? 不思議なリメイク。

> 通りすがりさん
コメントありがとうございます。海外のファンが多いみたいですね。
『オール・ユー・ニード・イズ・キル』みたいなラノベにも目をつけるんですから
世界中でネタを探してるんでしょう。
こりゃ、面白くなるぞ!って、思ったんでしょうね。

2015/04/17 (金) 09:35:20 | URL | のほうず #- [ 編集 ]

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