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バッドガイ 反抗期の中年男

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(原題:Bad Words 2014年/アメリカ)
監督/ジェイソン・ベイトマン 製作/ジェイソン・ベイトマン、メイソン・ノビック、ショーン・マッキトリック、ジェフ・クロッタ 脚本/アンドリュー・ドッジ 撮影/ケン・セング 美術/シェパード・フランケル 衣装/エイプリル・ネイピア 編集/タチアナ・S・リーゲル 音楽/ロルフ・ケント
出演/ジェイソン・ベイトマン、キャスリン・ハーン、ローハン・チャンド、ベン・ファルコーン、フィリップ・ベイカー・ホール、アリソン・ジャネイ

概要とあらすじ
「宇宙人ポール」「モンスター上司」などの俳優ジェイソン・ベイトマンが初メガホンをとり、自ら主演・製作もつとめたヒューマンコメディ。母子家庭で育った40歳の男性ガイは、子どもたちが暗記力を競う全米スペル大会の出場資格の抜け穴をついて無理矢理参加権を得る。勝つためには汚い手も厭わないガイは保護者たちの怒りを買いながらも次々と勝ち進み、その一方で優勝候補の10歳の少年チャイタニヤと親交を深めていく。そんな中、ガイを取材していた女性記者ジェニーは、彼が大会に出場した意外な理由を突きとめる。共演は「LIFE!」のキャスリン・ハーン、「マグノリア」のフィリップ・ベイカー・ホール。(映画.comより



フロクシノーシナイヒリパイリフィケーション?

本来は子供だけが出場する全米スペル大会に
40歳のおっさんが出場する『バッドガイ 反抗期の中年男』
劇場未公開作品です。

全米スペル大会=スペリング・ビー(Spelling Bee)
英単語の発音を聞いて、その単語のスペルを言い当てるのを
競うというもの。
大会の様子をみていると、
問題を出された解答者は、言葉の意味や文例や語源を質問しています。
英単語は、ラテン語やギリシャ語に由来する
言葉のパーツから出来上がっていることが多いので
意味や語源からスペルを推測することができるんですな。
すなわち、単純に丸暗記を競うのではなく、
知らない言葉でも質問から推理して答える
のも
腕の見せ所のひとつのようです。
スペリング・ビーは、アメリカで国民的人気があり、
賞金も高額で、優勝することはアメリカン・ドリームのひとつと
考えられているんだとか。

じゃあ、なんで子供ばかりの全米スペル大会に
40歳のおっさんであるガイ(ジェイソン・ベイトマン)
出場できるのかというと、
大会規約に出場資格として「8年生を修了していない者」とあり、
ガイはその資格に当てはまったのです。
年齢の規定はなかったのです。
8年生は日本でいうところの中学生。
ガイがなぜ中学を卒業していないのかは……不明。

困惑する主催者側はしぶしぶ出場を認め、
難なく勝ち上がったガイは予選を突破して決勝大会へ。
とにかくガイは口が悪く、Fワードをまくしたて、
基本的に他人を見下している態度をとる
のをみると
ロクな生き方をしてこなかったのはわかります。
決勝大会が行なわれるワシントンに向かう飛行機の中で
声をかけてきた、なんともかわいいインド系の少年、
チャイタニヤ(ローハン・チャンド)
「予選を突破したときの単語はなんだった?」
と聞かれると
「オート・フェラチオ(=『中学生円山』のアレ)」
と答えるゲスっぷり。
それでもチャイタニヤは
「オートフェラチオ? 語源はなに?」
と聞き返すのです。まーかあいい。

ガイの存在が疎ましい
大会理事ディーガン(アリソン・ジャネイ)
ガイの部屋としてホテルの倉庫を提供したりと
嫌がらせをしてくるわけですが
それには妙に素直に応じるガイ。
ガイに同行している新聞記者ジェニー(キャスリン・ハーン)
近くに宿泊しているはずなので
彼女の部屋に転がり込めばいいのに。
どうせエッチするんだし。ま、いいけど。

同じホテルの隣同士だったガイとチャイタニヤは
徐々に友情を深めつつ、
決勝大会を勝ち進んでいきます。
口が悪いだけでなく性根が腐っているガイは、
競技中に隣に座った子供を精神的に揺さぶります。
大人げないとはこのことですが、
よく考えたら、大人げないことをするのは
いつも大人ですね。あたりまえだけど。

大会理事ディーガンの嫌がらせは問題の改ざんにまで及び、
ガイのときだけ難解な単語が出題されます。
なかでも、
「FLOCCINAUCINIHILIPILIFICATION」という単語が!
なんだこりゃ!
読みは、フロクシノーシナイヒリパイリフィケーション
「軽蔑」「無意味なこと」という意味だそうで、
(この長さでこの意味は皮肉っぽくてイイネ!)
現在使われている英単語の中で
一番文字数の多い英単語なんだとか。
当然、ガイはさらっと答えます。

せっかく仲よくなったのにちょっとした行き違いで
仲違いしたガイとチャイタニヤは
ついに優勝をかけて一騎打ちに。
ところが、ガイは自分の目的は優勝や賞金じゃないと、
スペルをわざと間違えて、優勝をチャイタニヤに譲ります。
それに腹を立てたチャイタニヤは
自分もわざと間違えて仕返しします。
最後の戦いは正解者が出るまで終わらないルールなのです。
ついさっきまで正解を競っていたのが
間違いを競い合うという展開
はなかなか面白い。
やがて、ガイにひっかかって
つい正解を口走ってしまったチャイタニヤが優勝。
チャイタニヤ……いじめられっこだっていってたけど
ステージでガイの金玉蹴り上げた挙げ句に椅子振り回すんだから
いじめられないと思うけどな。

ていうか、正解から間違いへという展開は面白かったのですが
競技そのものにスペクタクルを求めるのは
難しいかも知れないけれど
大会のシーンはなかなかにグズグズで
全国に生中継されているわりには
Fワードが頻発し、ステージで暴れるやつもいる
のに
まだ大会を続行しているのはいくらなんでも不自然では?
(テレビ中継が切断されるシーンはあったけど)
とんでもないことをやからしてくれた感が
全然伝わってきませんでした。

ガイが全米スペル大会に出場を決意した原因は
じつは、会長のボウマン博士(フィリップ・ベイカー・ホール)
ガイが生まれたと知ると姿をくらました父親だったからですが
では、ガイの目的はというと、いまいちシャキッとしません。
ひどい男のくせに偉そうにふんぞりかえっている父親に
一杯喰らわせてやりたかったのかも知れませんが
優勝が目的じゃないというのなら、
チャイタニヤとの一騎打ちになった時点で辞退すればいいし、
すでに目的が達成されているとするなら
決勝大会に出場したときか、会場が混乱したときか、
父親が慌てたときか、
一体どの時点でガイの目的が達成されたのかが曖昧です。

しかも、ボウマン博士はいまいち憎たらしくない好々爺で
ガイが立ち向かうべき相手としては陰が薄く、
むしろ途中で辞職させられた大会理事ディーガンのほうが
キャラクターが立っていて敵として魅力的です。

そもそも、ガイが口汚く喋りまくるので
彼の素性が謎というより不可解になってしまっています。
また、ガイに同行取材する新聞記者ジェニーの
取材目的もあやふやなので
彼女は、観客がガイに対して抱く疑問を紐解いていく役割だったら
よかったんじゃないかと思ったりします。

いいところもあったけど、
ちょっぴり残念でもあった作品です。





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