" />

ボーグマン

ill435.jpg



(原題:Borgman 2013年/オランダ・ベルギー・デンマーク合作 113分)
監督・脚本/アレックス・ファン・バーメルダム 製作/マーク・ファン・バーメルダム 撮影/トム・エリスマン 音楽/フィンセント・ファン・バーメルダム
出演/ヤン・ベイブート、ハーデウィック・ミニス、イェルーン・ペルセバル、サーラ・ヒョルト・ディトレフセン、アレックス・ファン・バーメルダム

概要とあらすじ
「アベル」「ドレス」「楽しい我が家」などシュールでブラックな作風で知られるオランダの鬼才アレックス・ファン・バーメルダムが、裕福な家庭に侵入する謎の集団ボーグマンを描いた不条理サスペンス。森の中に潜んでいたボーグマンが、武装した男たちに追われて街に逃げ込んだ。高級住宅地で暮らす幸せな家庭に住み着いたボーグマンは、仲間を呼び寄せて住民たちをマインドコントロールしていく。2013年・第66回カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品。日本では同年の第26回東京国際映画祭ワールド・フォーカス部門で上映され、「シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2014」で劇場公開。(映画.comより



神だろうが悪魔だろうが、いけ好かない

自慢じゃないが、すべて見逃した
『シッチェス映画祭ファンタスティック・セレクション2014』
なかでも最も注目していたのが
『ボーグマン』でした。
監督と脚本を務めるアレックス・ファン・バーメルダム
シュールでブラックな作風で知られているそうで、
「現代人(主としてブルジョワ)の欲望や原罪を描くことを得意とする」
yahooより
といわれれば、納得します。
ミヒャエル・ハネケが引き合いに出されるのも当然でしょう。
その上、「解釈は自由だ」という
難解映画お決まりのはぐらかしで
観客を煙に巻こうとしているようです。
ああ、そうですか。
それなら自由勝手に解釈しましょうよ。

どこかの村落の牧場主やら牧師やらが
地下に隠れて暮らしている「やつら」
退治しようとしています。
中盤で浮浪者風の男ミカエル(ヤン・ベイヴート)
子どもたちに神の存在を否定するような言葉を吐くことからすれば
おそらく、「やつら」を追い詰めるもっとも重要な存在は牧師で
「やつら」は神に背く悪魔、
もしくは悪魔的な存在
なのでしょう。

地下に籠もって暮らすほど追い詰められていたはずの「やつら」は
逃げ出したあとは拍子抜けするほど
自由奔放に振る舞います。
一軒の豪邸に目をつけたミカエルは
風呂を貸してくれと申し出るものの、
あまりに横柄な態度で
リチャード(イェロン・ペルセヴァル)にボコられます。
一度、別の家で同じ申し出を断られているミカエルが
最初からピンポイントでこの一家に狙いをつけていたとは
思えません。
マリナ( ハデヴィック・ミニス )
おそらく当初は人道的な立場からミカエルに同情し、
食事と風呂を振る舞って
この家族の悲劇が始まるのですが
まったく愛嬌のかけらもないミカエルが
テレビ付きの風呂でワインを飲みながら
悠々と湯ぶねに浸かっているさまに腹が立ってきます。
どんどん図に乗るミカエルに
なぜか心が惹かれ始めているマリナ。

う〜ん、このへんの心理的な流れはかなり強引です。

じっとしてろっていわれてんのに動き回るミカエルは
いつしか子供たちを手なづけるのです。
そのうち、謎の犬がうろつくようになりますが
この犬たちがミカエルの仲間たちだという確証はありません。
マリナとリチャード夫婦が寝込んでいる間に
全裸のミカエルがなにかしら仕込んでいるのは
夢を通じて猜疑心を植え付けているように思えますが
すべてが知らず知らずのうちに進んでいく
洗脳によるものではなく、
庭師とその妻の殺害にいたってはかなり粗暴だし、
医者の殺害の場面では、
サイレンサー付きの銃で殺してしまいます。
わけのわからない薬品も使うし、
都合の悪いところだけファンタジーにされても
困惑するだけです。

要するに、ある一定の悪意が存在するのは明らかで
因果応報的に金持ちの鼻を明かすというより、
金持ちそうな家の窓に石を投げて割り、
ざまあみろと言っているような、
浅ましいルサンチマンを感じざるを得ません。

なにしろ気の毒なのは夫リチャードです。
確かに、風呂を貸してくれとやってきた浮浪者を
ボコって追い返すのは乱暴でしたが
彼とて、家族を養うために懸命に働いているはず。
だからこそ、妻マリナは
クソみたいな表現主義的絵画を描いて遊んでいられるし、
庭師や家政婦などの職も産み出しているはずです。
金持ち? 気にいらねえな、殺しちゃえ。
では、あまりにも子供じみています。


最後は、子どもたちと家政婦を連れて
「やつら」は退散します。
純粋な心を持つものだけを連れ去るということなのでしょうか。
子供や家政婦が純真だとは思わないけど。

「Borgman」という原題に
なにかしらヒントがあるはずだとググってみましたが
これといって答えを示してくれるようなものはありませんでした。
かわりに、「Borg」でググってみると
「Borg」は『スタートレック』シリーズに登場する、
架空の機械生命体の集合体で
侵略の対象が「文化」や「技術」その物にある点にあり、
同化と呼ばれる強制的なサイボーグ化により、
自組織へと他のヒューマノイド(人間)を
取り込もうとする存在として描かれた、と
Wikipediaにありました。

オープニングで、宇宙人めいた言葉があったことを考えると
当たらずとも遠からず、かも知れませんが
あくまで当てずっぽです。
とはいえ、「あいつら」が
神≒悪魔的な超越した存在なのは確かだと思うけれど
まったく弱みを見せないという点において、
いけ好かない作品なのは間違いありません。





にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
↑お気に召したらクリックしていただけますと、もんどりうって喜びます。
関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

のほうず

のほうず
映画が好きで観るのはいいが、
かたっぱしから忘れていくので
オツムのリハビリ的ブログ。
******************
当ブログの文章・画像およびイラストの無断転載を禁じます。引用される場合は、出典の表記と当ブログへのリンクを設定してください。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

お気に召したら
クリックお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

スポンサードリンク

↓過去の記事はこちらから!↓

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カウンタ