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温泉みみず芸者

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(1971年/日本 85分)
監督/鈴木則文 脚本/掛札昌裕、鈴木則文 原案/久保田正 企画/岡田茂、天尾完次 撮影/古谷伸 美術/雨森義允 音楽/鏑木創 録音/堀場一朗 照明/金子凱美 編集/神田忠男
出演/池玲子、松井康子、杉本美樹、小池朝雄、山城新伍、由利徹、岡八郎、芦屋雁之助、大泉滉、団鬼六、田中小実昌、佐藤重臣、芦屋小雁、名和宏、殿山泰司、川谷拓三

概要とあらすじ
西伊豆を舞台にくりひろげられる温泉芸者の艶笑喜劇。脚本は「温泉こんにゃく芸者」の掛札昌裕。監督は脚本にも参加している「すいばれ一家 男になりたい」の鈴木則文。撮影は「女渡世人」の古谷伸がそれぞれ担当。伊勢志摩の港町で一杯飲み屋を営む多湖初栄と二人の娘、圭子、幸子の母娘は美人として評判がよかった。ところが初栄は生来の淫乱性。抵当に入っている先祖の墓を買い戻すために、百万円を目標に貯めている金まで若いつばめに持ち逃げされる始末。そこで、圭子は仕方なしに、東京のソープランドに働きに出るが……(映画.comより抜粋



みみず万歳! の女性賛歌ムービー

『温泉みみず芸者』の「みみず」とは、
普通に考えれば、いわゆる女性の名器のことを指す
「みみず千匹」の「みみず」のことでしょう。
でも、本作に「みみず」という言葉は一切登場しません。
かわりに「たこつぼ」と呼ばれています。
それなら「温泉たこつぼ芸者」でいいじゃないかと思うのですが
どういうわけか「みみず」なのです。

まるで青春映画のようにさわやかなオープニングで
海女ちゃんの多湖圭子(池玲子)はそうそうに全裸になり、
海水浴を楽しんでいます。
彼女が背泳ぎで泳ぐことが多いのは
おっぱいが見えるから
(のはず)。
とにかく、池玲子の張りのあるおっぱいが素晴らしいのです。
ときおり見える脇毛がこれまた最高なのです。
なんと、当時16歳!

画期的な蛸壺漁で街の名士になった先代は
蛸壺型の慰霊碑まで建てられたのはいいけれど、
その子孫の多湖家は生活苦にあえぐ始末。
というのも、母親・初栄(松井康子)
若い男にのぼせ上がっては、
すぐに金をだまし取られるからで、
長女の圭子はいつも母親の尻ぬぐいをさせられています。
まだウブな次女の幸子(杉本美樹)
母親の行動がまったく理解できませんが
母親が連れ込んだ男(由利徹)との営みを覗き見るのです。
バナナで障子に穴を開けて。
そして、バナナを口にくわえても決して噛みません。
バカだねぇ。おっほっほ。

母親が作った借金をまかなうために
東京のトルコ風呂で働くことにした圭子。
母親には「医療関係の仕事」というあたり、
一応、圭子には後ろめたさがあったのでしょうか。
とはいえ、悲壮感はまったくありません。

生まれもっての「たこつぼ」と巧みな性技によって
トルコ風呂のインポ経営者・芦屋雁之助のムスコを蘇らせた圭子は
すっかり気に入られて順風満帆に思えましたが、
芦屋雁之助が腹上死。
そこへ電報が届き、あいかわらず男に騙された母親の借金を
肩代わりするために、伊豆は土肥温泉
圭子は芸者を始めることになるのです。

芸者を呼んで大宴会をしている
大泉滉、団鬼六、田中小実昌といった面々が演じているのが
秩序だの倫理だのに関わる役人ばかりなのが痛快です。
この一連のシーンで、まったく脈絡もなく
菅原文太が登場します。

圭子がトルコ風呂で働くために上京する列車の中で
知り合った板前の馬場(小池朝雄)
偶然にも土肥温泉のホテルで働いていて、
あきらかに圭子にホの字なのですが
馬場には悩みがありました。
彼は巨根過ぎて、セックスできないのです。
元海軍で愛国主義者であり、敗戦に納得していない馬場が
巨根過ぎてセックスできないというのは
マッチョな軍国主義に対する痛烈な皮肉です。
名器をかたどったオナホで一儲けしようとしている
自称芸術家の山城新伍
から
巨根用の特製電動スマホをもらった馬場は
涙を流しながら、自慰に耽るのです。

その後、東京のトルコ風呂を経営していた芦屋雁之助の
弟が登場(一人二役)するものの、
やっぱり圭子の身体のうえで腹上死。
呪われた「たこつぼ」なのです。

すると、またまた登場したのは
各地の芸者をメロメロにして引き抜くという仕事をしている、
二人の弟子を連れた竿師段平(名和宏)なる男。
なんだか性的な修業を積んでいるらしき竿師は
武道家のようでもあり、グルメ評論家のようでもあります。
とにかく、芸者を奪われてはかなわん! ということで
竿師の一行と多湖一家の対決なのです。
ウブだったのに毎日がカーニバルみたいな服装をした妹も参戦して
セックス三番勝負なのです。
勝敗の基準はさっぱりわかりませんが、とにかく勝負なのです。

一勝一敗で迎えた竿師と圭子による大将同士の最終戦。
あいかわらず、勝敗の基準はさっぱりわかりませんが、
いつしか勝負の舞台は海へ。
圭子、ピンチ!(だから、なにがピンチなのかわかりませんが)
そこへ、海から大量のタコが竿師を襲い、
圭子は見事勝利する
のです。
母親いわく、圭子を助けたタコは先祖の霊なのです。

無事に蛸壺型の慰霊碑を取り戻した多湖家族。
そもそも慰霊碑が借金の担保になるのかは気にしないことにして
カメラ目線で母親が講釈をたれます。
「女はみんな神様なんだよ。
 いろんな理屈をつけて
 一人の男に縛り付ける世の中がどうかしてんのさ。
 多湖家の女はね、代々そういう世の中と戦ってきたんだよ」


「どんなに偉い人だって、みーんな(セックス)してるんだから」
「芸術より、こっち(セックス)のほうが全然いい!」

などのセリフでもわかるように
この最後のセリフで、鈴木則文監督が言わんとする
常識や倫理への猜疑心や女性賛歌が感じられます。
感じられるんだけれども、
散々男に騙されて、そのツケを娘に払わせてきた母親に対しては、
お前が言うな!! としか思えません。

バカバカしいといえば確かにそうなんだけど
それが痛快だと感じられるからこそ、
やっぱり、面白いんだよねぇ。





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