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アナベル 死霊館の人形

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(原題:Annabelle 2014年/アメリカ 99分)
監督/ジョン・R・レオネッティ 製作/ピーター・サフラン、ジェームズ・ワン 脚本/ゲイリー・ドーベルマン 撮影/ジェームズ・ニースト 美術/ボブ・ジームビッキー 編集/トム・エルキンス 音楽/ジョセフ・ビシャラ
出演/アナベル・ウォーリス、ウォード・ホートン、トニー・アメンドーラ、アルフレ・ウッダード、ケリー・オマリー、ブライアン・ホウ

概要とあらすじ
2013年に全米で大ヒットを記録したホラー映画「死霊館」に登場する実在の人形、アナベルの誕生秘話と恐怖を描いたサスペンススリラー。子どもの誕生を目前に控え、幸せいっぱいの毎日を送っていたジョンとミア夫妻。ジョンは人形好きなミアにプレゼントするため、ウェデイングドレス姿の美しいアンティーク人形を手に入れる。しかしある晩、彼らの家をカルト集団の一味が襲撃し、人形に邪悪な呪いをかけてしまう。それ以来、人形をめぐって次々と不可解な出来事が起きるようになり、夫妻は恐怖のどん底に突き落とされる。「死霊館」で監督を務めたジェームズ・ワンが製作を手がけ、同作で撮影を担当したジョン・R・レオネッティがメガホンをとった。(映画.comより



お菓子キチガイに呪いを!

東京にお住まいの映画好きの方なら
これから映画を観る人と、観終わって帰ろうとする人の波が
不可避的にクロスして常に無意味に混雑する
新宿ピカデリーの動線の悪さはご存じでしょう。
これにはいつもイライラさせられるのですが
諦めるほかありません。

ところで、善良な映画ファンの方なら
マナーの悪いやつが隣に座ってしまって
イライラした経験がおありざましょ。
今回、僕の隣の席に舞い降りた悪魔は
劇場で売っている菓子を二袋も食べ続けるお菓子キチガイ。
(男性ひとり)
ひとりで二袋ですよ?
映画が始まるや、そのお菓子キチガイは
約1時間にわたって休むことなく、
ガサガサボリボリガサガサボリボリを繰り返したのです。

口寂しいとかいう問題じゃなくて、おまえ、腹減ってんだろ!
パン食え、パンを!

大きくため息をついてみたり、耳を塞いでみたり、
さりげない牽制を仕掛けたものの、お菓子キチガイには通用せず、
二袋の菓子を1時間かけて完食したお菓子キチガイは
今度はゴクゴクグビグビゴクゴクグビグビ
ペットボトルのなんかの液体をラッパ飲みします。
あんだけ菓子食べたら、喉渇くの当たり前だよ! バカ!
なにしに映画館に来てんだよ!
新宿ピカデリーを設計したやつも、
お菓子キチガイも、アナベルに呪われればいいのに!!


というわけで、
『アナベル 死霊館の人形』です。

『死霊館(2013)』のスピンオフ的な本作は
『死霊館』の監督、ジェームズ・ワンは製作にまわり、
監督するのはジョン・R・レオネッティという
さまざまな作品で助監督を務めてきた人。
最近、なかなか大当たりのホラーがないなかで
『死霊館』はとても面白い作品だっただけに
期待値が上がります。

冒頭で『死霊館』のワンシーンが導入されているように
あきらかに『死霊館』のスピンオフ企画ではあるのですが
マンソン・ファミリーによる「シャロン・テート事件」
ニュースから始まる本作は
どういうわけか『ローズマリーの赤ちゃん(1968)』への
オマージュに満ちあふれています。
『死霊館』もホラー表現の原点回帰的なところがありましたが
さらに70年代のホラー表現を突き詰めようとする
目的があったのでしょうか。

お金にならないことには熱心な僕は
本作を観る前に『ローズマリーの赤ちゃん』を
復習していたので、
多くの引用に気づくことができました。
ヒロインのミア(アナベル・ウォーリス)が妊娠中なのは
もう、そっくりそのままですが
なにしろ『ローズマリーの赤ちゃん』のヒロインは
ミア・ファローですから、
名前からしてリスペクトしまくりなのです。
ミアがテレビの映りが悪いと物を投げつけるシーン
放送されていたのは、
もろに『ローズマリーの赤ちゃん』のワンシーンです。

ミアと夫のジョン(ウォード・ホートン)
引っ越してくるマンションは
『ローズマリーの赤ちゃん』のダコタ・ハウスと瓜二つ。
地下の金網に覆われた洗濯場もそっくり。
『ローズマリーの赤ちゃん』では、
隣の部屋の音が筒抜けだったのが
上の階の足音が聞こえる設定
になっています。
「悪魔の誘い」という書物も登場するし、
ジョンがこれから仕事をがんばるぞという設定も
『ローズマリーの赤ちゃん』を変則的に踏襲していると思います。

とはいえ、『ローズマリーの赤ちゃん』は
ヒロインが妊娠中という設定が
さまざまな疑心暗鬼を効果的に産み出していた
のですが
本作のミアは、無事に出産してしまいます。
(無事ではないかもしれないけど)
あれやこれやと『ローズマリーの赤ちゃん』的な
70年代風ホラー・サスペンスを標榜したところで
人形の呪い話に戻ってこなければならないのは
致し方ないのかもしれませんが
それならなおさら、
映画のスタイルとして
『ローズマリーの赤ちゃん』を引用しようとした試み自体に
疑問が湧いてきます。

次から次へと、
カルト集団の魔の手が襲ってくるわけでもないので
発端となったカルト集団の存在があやふやで
『ローズマリーの赤ちゃん』をやろうとするわりには
結局、怖がらせるポイントが
脅かしに終始している
のは否めません。
その脅かし方もうまいとは言えず、
初めて不穏な事件が起こるシーン
隣の家の異常を感じたミアにいわれて
ジョンが隣の家を見に行き、出てきたかと思ったら
「やだ、血が出てる!」
「これはオレの血じゃない!」というときに
ジョンのシャツに付いた血がはっきりと見えないのでは
こちとら怖がりようがありません。
理屈ではわかっても、画的なインパクトに欠けるのです。

『ローズマリーの赤ちゃん』は
結構長い上映時間をかけてじわじわと迫ってくる恐怖が
面白味なのですが
それでもダレてしまいそうな時間も多いので
スタイルだけをなぞったかのように見える本作は
さらにダレダレで、
ピリッとしない
ものになってしまいました。

実在するアナベル人形は
もっと、なんというか、アホみたいな顔をしていて
人によっては可愛いと思えるような人形なのですが
本作のアナベル人形は、そもそもが恐ろしい風貌なので
わ! これ買ってくれたの? ずっと欲しかったの〜 嬉しい!
と喜ぶヒロインのセンスに首をかしげるものの、
映画館で1時間も菓子を食べ続ける男よりは
よっぽど理解できます。





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