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ソドムの市

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(原題:Salo o le 120 Giornate di Sodoma 1975年/イタリア 118分)
監督/ピエル・パオロ・パゾリーニ 脚本/ピエル・パオロ・パゾリーニ、セルジオ・チッティ 原作/マルキ・ド・サド 製作/アルベルト・グリマルディ 撮影/トニーノ・デリ・コリ 音楽/エンニオ・モリコーネ 録音/ドメニコ・パスクァディセグリィ 編集/ウンベルト・アンセルッチ 衣装/デザインダニロ・ドナティ
出演/パオロ・ボナチェリ、ジョルジョ・カタルディ、ユベルト・P・クィンタバル、アルド・バレッティ、カテリーナ・ボラット、エルザ・ド・ジョルジ、ヘレン・サルジェール、ソニア・サビアンジュ

概要とあらすじ
1975年11月2日、不慮の死を遂げたピエル・パオロ・パゾリーニの遺作で、ナチズムに加担する4人のファシストが少年少女を集めて繰り展げる一大狂宴を描く。製作はアルベルト・グリマルディ、脚本はパゾリーニとセルジオ・チッティ、原作はマルキ・ド・サドの「ソドムの120日」。ヒトラー占領下の北イタリア、1944年。ナチズムに加担する大統領(アルド・ヴァレッティ)、公爵(パオロ・ボナチェリ)、殿下(ユベルト・P・クィンタバル)、猊下(ジョルジョ・カタルディ)と名乗る4人のファシスト・グループが、傲慢な権力をカサに一大狂宴を計画した。 〈地獄の門〉4人は、町という町、村という村で、快楽の奴隷としての美少年・美少女狩りを開始し、それぞれ数十人ずつ集めた。そして、その中から4人が点検し投票で少年・少女9人ずつ選び、狂宴の舞台となる館へ運んだ。(映画.comより抜粋



うんこは芸術、芸術はうんこ

とにもかくにも、映画史のおいて語り継がれるであろう
『ソドムの市』
そのエログロな内容は露悪を通り越して、
嫌がらせのようでもあるので
拒否反応があるのは当然なのです。

スイスが舞台のマルキ・ド・サドの原作を
イタリアに置き換えたこの作品は
1944〜45年という第二次世界大戦末期
時代設定に据えています。
原題にある「Salo」は、大雑把に言うと
ヒトラーに乗せられたムッソリーニが
イタリア社会共和国(=サロ共和国)という国家を
勝手に建国した町
の名前です。
要するに、追い詰められたファシストたちが
最後のあがきをみせようとした場所なので
あからさまにファシズムを揶揄することを
目的としているのでしょう。
軽快かつ呑気なジャズが流れるオープニング
この作品がある種のコメディだと言わんとしているのでは
ないでしょうか。
ま、これがコメディだとしても
笑えりゃしませんが。

大統領、公爵、殿下、大司祭が集まって
勝手に条例を取り決めてしまうのも
イタリア社会共和国の成り立ちを表しているのでしょうか。
とにかく、4人の権力者=いばってるやつが
勝手に決めた法律によって人々を蹂躙していきます。
しかも、彼らの目的は性的快楽のみ。
若い男女を誘拐して屋敷の中に閉じこもり、
性奴隷として好き放題にやるのです。

「地獄の門」「変態地獄」「糞尿地獄」「血の地獄」
4つの章に分けられた構成は
ダンテの『神曲』をなぞらえているそうですが
4人の権力者が性奴隷を使って行なう「芸術の探求」
当然ながらエスカレートするほかなく、
必ずや破滅するときが訪れるのは分かりきっているので
刹那的かつ自暴自棄になった愚かなファシストたちに
幾ばくかの悲哀を感じないわけではありませんが
作品は、最後まで彼らに同情の余地を与えることなく、
また、性奴隷たちが反撃するチャンスすら与えません。

性奴隷たちをみていて
おまえら、そこそこ人数がいるんだから
結託して反撃するなり、逃亡を画策するなりできるだろ!
と、思っていたのですが
もしかしたら、理不尽に囚われてもそれを打開しようとはせず、
むしろ現状でうまく立ち回ろうとする民衆をも
批判している
のかもしれません。

寄り目で鼻の下が長い大統領の顔は
本当に腹立たしかったのですが
僕がもっとも醜い存在だと感じたのは、
権力者のとりまきの銃を持った少年兵たちです。
4人の権力者たちの暴力がいかに下劣だったとしても
キチガイなので仕方がありません。
彼らはキチガイなりの論理と美学によって行動しているのです。
ところが、少年兵たちは
単に長いものに巻かれているだけで
なんの考えもなく、自ら支配する側に寄り添って
終始ヘラヘラ笑っているのです。
ついにはラストシーンでは、
性奴隷たちが眼をえぐられ、頭皮を裂かれ、舌を切り落とされるなか、
ラジオから流れてくる音楽に乗せて
踊り始めます。

少年兵たちの日和見的な態度と無関心さが
もっとも卑しむべきもののように感じました。

最低な地獄絵図とは対照的に
ほとんどが館の室内で行なわれるシーンは、
硬質なシンメトリーが多用される構図が美しく、
美意識の高さを感じさせます。
密室劇ともいうべき閉じられた世界ですが
ときおり聞こえてくる外部の音
さりげなく状況を伝えている演出が見事だと思いました。
どんどんエスカレートする狂った饗宴と裏腹に
雷の音や爆撃機が通過する音などが聞こえてきて、
じつは権力者たちは追い詰められているということを
暗示しているように感じました。

さて。
あれやこれやと考えているうちに思い至ったのは
これを芸術だといってしまうのはいかがなものか、
ということです。
芸術性が高いというのは認めるけれど
(本来は、この物言い自体が気に入らないのですが)
「芸術」というものに対して、
日頃から眉に唾している僕にしてみれば
この作品を「芸術」だとして
特別な棚に納めてしまうことに抵抗があるのです。

だって、うんこ食べるんですよ?
(本物かどうかはともかく)
スカトロのAVは山ほどあっても
決して芸術だなんて崇められることはありません。
「芸術」もしくは「芸術的という評価」が
表現の稚拙さや愚劣さの言い逃れになっているのを
何度も眼に耳にしてきました。
「芸術」とさえ言えば、
くだらなくても、しょーもなくても
頭を下げなくてはならないのでしょうか。
それは、うんこを食べることを自らの美学とする
権力者たちの思考と同様で
この作品自体が批判している
権威主義的発想なのではないでしょうか。

「この素晴らしさがなんでわからないんだ!
 これは芸術なんだよ! うんこは美しいんだよ!
 少年のケツの穴を掘るのは芸術行為なんだ!
 みんな嫌がってるって? 
 そんなもん関係ないよ、芸術なんだから。
 エンタメとは違うんだよ!
 まったく、なにもわかっちゃいないなあ! きみは!」

僕はこの作品を楽しみましたけど
これが芸術かどうかなんて、どーでもいーっす。





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コメント

その通りだと思う。
ただ、ほとんどの人は美しい構図などについて、そう評しているのであって、うんこシーンや残虐シーンを指して言っているのではないんじゃないかなとも思う。

2016/05/03 (火) 02:52:59 | URL | バトルネットサーファー #- [ 編集 ]

てるくはのるを生んだまちの出来事

まともに仕事をしない議員と公務員にもの申す。神戸、大阪市は様々な改革を進めているのでまだまとも。京都市の腐敗ぶりはもっと根が深い。醍醐東市営住宅は一応立て前は公開抽選に当選しないと入居できない事になっているが老朽化したコンクリートブロック住宅を建て替える際先ず醍醐中市営住宅を5棟を新築しそこに全世帯入居させた。そこで終わらず、その少し上の丘陵地に醍醐東市営住宅を20棟新築した。その醍醐東市営住宅に一旦中市営住宅に入居して1年半程度しか住んでいない世帯を数件再入居させるという裏技を使った。引越しの度にかかる引越し費用は全て京都市の公費つまり税金である。その東市営住宅には京都市の元正職員や現職員家族関係者が現在も住む。名義は無職の職員家族になっているが元職員の老夫婦もいる。団地の約半分の世帯がペットを飼育。偽装の精神疾患や障害者が殆どその人間達に共益費や駐車場代金を集金させそのうちの4割程度を助成金等と称して一部の人間達に手渡していた。表向きは団地住民の為に使うという事になってはいるが領収書等の報告義務はないので一部の人間にわたる。これら政務活動費を偽宗教法人に垂れ流した市議が庇護する地域での出来事。他にも生活保護を受給し続けベンツ2台所有し山科区に家を建て古い家財道具を公費で処分させた女。深夜に床を鈍器のようなもので殴り続け階下女性宅へ騒音を出す女、偽装障害者は出かける時だけ車椅子に乗り普段は共用廊下に置きっぱなし、犬の予防接種も無料、偽装残留孤児の女は20年以上生活保護を受給し車を所有し週末になると男が出入りし男の黒の大型車は団地の駐車場の来客用スペースにに堂々と止めている。そしてシラをきれるようあらゆる不正不法行為は閉庁後に行われている。それらを黙認しているのはそれらを取り締まるべき筈の市職員も地区出身者が殆どで指定職と呼ばれる係長以上の職員もこの地区出身者が突出している。

2016/11/03 (木) 13:14:34 | URL | 偽装残留孤児・障害者・帰化人・結婚・離婚を疑え #3F4BBLFk [ 編集 ]

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のほうず
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