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聖獣学園

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(1974年/日本 91分)
監督/鈴木則文 脚本/掛札昌裕、鈴木則文 原作/鈴木則文、沢田竜治 企画/高村賢治 撮影/清水政郎 美術/中村修一郎 音楽/八木正生 録音/長井修堂 照明/桑名史郎 編集/田中修
出演/多岐川裕美、山内えみ子、渡辺やよい、大谷アヤ、城恵美、田島晴美、石田なおみ、美和じゅん子、大堀早苗、村松美枝子、謝秀客、谷隼人、太古八郎、渡辺文雄

概要とあらすじ
修道尼だった母親の死因をつきとめるべく修道院に入った娘が、母を死に追いやった司祭たちに復讐する。原作は、鈴木則文・作、沢田竜治・画の同名劇画。脚本は「恐怖女子高校 アニマル同級生」の掛札昌裕、監督は脚本も執筆している「まむしの兄弟 恐喝三億円」の鈴木則文、撮影は「女囚さそり けもの部屋」の清水政郎がそれぞれ担当。修道尼だった母・美智子の死因をつきとめるべく修道院に入ることを決意した多岐川魔矢は、夜の手配師青木健太に体を与えた次の日、セントクルス修道院の肋修女となった…(映画.comより抜粋



漆黒の聖! 薔薇色の俗!

再評価の機運が高まっているような気がする
2014年5月に逝去した鈴木則文監督
『トラック野郎シリーズ』菅原文太
後を追うように他界したことも影響しているのかもしれません。
数々の作品を世に出した鈴木則文監督の座右の銘は
「下品こそ この世の花」
ああ、なんてかっこいいんでしょう。
高級でもなければ高尚でもないものに対する愛情と
自分自身も権威におもねらない姿勢が窺えます。

『聖獣学園』は、鈴木則文監督が原作と脚本も手がけ、
多岐川裕美の映画デビュー作にして
大胆なヌードを披露した作品です。
(多岐川裕美の芸名もこの作品の役名から)
演技力が拙いのは否めませんが
その初々しくもゴージャスな美貌に惹きつけられます。
微妙な斜視がこれまた色っぽい。

雑踏をさっそうと歩く多岐川魔矢(多岐川裕美)を
スクリーンに横倒しにした、かっこいいオープニング。
新宿ミラノ座で映画を観たり、
サンドイッチ食ったりしていちゃいちゃデートをする
魔矢と青木(谷隼人)
当然のごとくベッドをともにする冒頭のシーンで
さっそく、おっぱいをお披露目します。
このもったいぶらない感じがいいのです。
どういうわけか、翌日に魔矢は
「女が女でなくなるところ」=修道院に入るとのこと。

魔矢が入ったセントクルス修道院
いかにも神聖かつ厳格そうではあるものの、
魔矢のほかにも、
はなっからキリスト教の教えに反抗的な不良尼さんがいたり、
むしろ更正施設か女性刑務所の趣。
「処女懐胎」を説く講義では、
不良尼さんの松子(山内えみ子)
男と女がやることやらなきゃ人間は生まれないよ!
根本的なキリスト教的ファンタジーを全否定します。

院長の命令で魔矢を監視していたふたりの修道女が
レズってるのをさらに監視していた魔矢

逆にふたりの秘密を握って反撃を始めます。
このレズシーンでは、手の指の間をなめる舌先がクローズアップされ、
間接的に表現された演出がむしろエロティックです。
ふたりを脅して院長室に忍び込んだ魔矢は
自身にまつわる過去の秘密を発見します。
魔矢の母親はこの修道院で拷問された挙げ句に自殺していたのでした。
その真相を探るために魔矢は修道院に入ったのです。

いかにもキリストっぽい風貌をした
修道院の大ボス、司祭(渡辺文雄)
貧しい家族を助けるため、
やむにやまれず修道院の金に手をつけた修道女を
あっさりレイプする鬼畜。
どうやら司祭は長崎で原爆に被爆した経験から
「人間を助けるために神が訪れたことがあるか!」
司祭にもかかわらず神の存在に懐疑的なようで
それを理由に神の教えに背く好意を率先して行なっているのですが
神に背きたいならとっとと司祭を辞めればいいわけで
まったく同情の余地のないクズなのです。

ひとりの修道女が隠し持っていたエロ写真を取り上げて
自分のズリネタにしていた副院長をレイプさせるために
青木を呼び寄せた魔矢。
青木の子分として一緒についてきたのは、
懐かしのたこ八郎(太古八郎)です。
はじめは抵抗していた副院長はやがてもっともっととよがりはじめます。
事を終えた青木は、十字をきりながら
「ザーメン」と一言。
なんという下品さ。

修道院に男を引き入れ、副院長をレイプさせた罪で
リンチされる魔矢。
上半身を裸にされ、ツタで縛られた魔矢を
赤い薔薇の花束でむち打つこのシーン
シュールかつ官能的です。

やがて、司祭にレイプされた修道女の妊娠が発覚。
父親は司祭だと主張するも、んなわけないと受け入れられず、
拷問された末に塩水を飲まされ、
キリスト像のレリーフにまたがらせて
もしもキリストさまに向けて放尿することがあったら
それは神を冒涜した証だと無茶なことをいわれます。
当然、小便でひたひたになるキリスト
むしろ、キリストに小便をひっかけるために用意されたような演出でした。
拷問の挙げ句に自ら舌を噛んで死んでしまった修道女をみて
魔矢の怒りは爆発。
小便まみれのキリストをナタで叩き割り、
マリア像を投げ飛ばして砕く
のです。

院長やローマからやってきたやり手の修道女との
ギミックにあふれたキャットファイトに勝利した魔矢は
ローマ女に成り済まして、父親である司祭に抱かれます。
エロ気違いの司祭はついに近親相姦までやってしまうハメに。
魔矢が自分の娘だと知り、驚きを隠せない司祭は叫ぶのです。
「神よ、あなたの恐ろしい姿が見えます!」
……だから、ちがうって。
おまえがやった悪行の仕返しをされてるだけだっつーの。
司祭の叫びを聞いた魔矢は、一言。
「そんなことは知らないね」
そのとおり!

インチキくさい「下品」なピンク映画と思うなかれ。
多岐川裕美の天性の美貌にとどまらず、
スタイリッシュで美しいカットが随所にみられます。
「下品こそ この世の花」という鈴木則文監督が
上品さや高潔さに隠された欺瞞を直接的に描き出した
痛快な作品です。





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