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2000人の狂人

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(原題:Two Thousand Maniacs! 1964年/アメリカ 87分)
監督/ハーシェル・ゴードン・ルイス 製作/デヴィッド・F・フリードマン 脚本/ハーシェル・ゴードン・ルイス 撮影/ハーシェル・ゴードン・ルイス 音楽/ラリー・ウェリントン
出演/コニー・メイソン、トーマス・ウッド、ジェフリー・アレン、ボン・ムーア、シェルビー・リビングストン、ゲイリー・ベイクマン

概要とあらすじ
スプラッター映画の先駆者ハーシェル・ゴードン・ルイス監督が、南北戦争で虐殺されて怨霊となった村人たちに惨殺される旅行者の恐怖を描いたスプラッターホラー。旅行中に南部の小さな村に迷い込んだ6人の若者たちは、折しも村で開催されていた100年祭の主賓として歓迎される。しかし、実はこの村の住人たちは全員、100年前に北軍によって虐殺されていた。亡霊となって復活した村人たちは、若者たちを陽気に殺戮していき……。2012年、ルイス監督の半生を描いたドキュメンタリー「ゴッドファーザー・オブ・ゴア」(11)公開にあわせ、特集上映「ハーシェル・ゴードン・ルイス映画祭」で日本劇場初公開。(映画.comより



ハートウォーミングなゴア・ムービー

スプラッター映画のさきがけとも言われている
ハーシェル・ゴードン・ルイス監督『2000人の狂人』
さぞやゴアな表現が盛りだくさんだろうと
意気込んで観たのですが、
当然ながら現在と比べればそのゴア表現はソフトかつチープ。
B級映画へのそれなりの愛情を持って接しないと
ただがっかりするだけかもしれません。
脈絡なく唐突に挿入されるゴア表現には一切暗さがなく、
カントリー・ミュージックをバックに
狂人たちが騒ぐ姿は牧歌的ですらあります。

餌食となる人間をおびき寄せるのが
立て看板ひとつで道路をふさいで迂回させるという
漫画的な方法
なのも、のんびりしていますが
餌食となる人間たちを、
プレザント・ヴィレッジという町の百年祭
主賓として招いているというテイで騙そうとしている割には
町中の人間がどいつもこいつも怪しく笑い転げ、
かなり強引に餌食の人間たちを幽閉するので、
端から襲いかかって拉致すればいいものを
なぜ一回芝居がかったことをするのか、わかりません。

「2000人」というのは、
このプレザント・ヴィレッジの住民の数なので
(もちろん、そんな多くの人数は登場しないけれど)
町全体が『悪魔のいけにえ(1974)』のソーヤー家みたいなもので
それはそれは恐ろしいはずなのですが
なんだか、主賓だなんて歓迎されているけど
この町の人たちって、なんか変じゃない? と
疑心暗鬼になるような心理的な駆け引きは
一切ありません。

その証拠に、「主賓」たちを招き入れたその日には
町の男が浮気がちな女を散歩に誘ったかと思うと
突然親指を切り落とし、町長の部屋まで連れ帰って
単刀直入にナタで腕を肩からバッサリ。
最初のゴアシーンです。
こんな乱暴な手口を使うなら、なぜ一度散歩に誘うのか。
夜になると、その浮気女の夫はべろべろに酔わされたあとで
「馬裂きの刑」に。
いや、だから。なぜ一度酔わせる必要が……

おそらく最も有名(?)だと思われるのが
内側に向けて釘を打ち込んだ空の樽に
男を無理矢理くぐらせて丘の斜面を転がして殺す
「樽ゲーム」
ではないでしょうか。
処刑の方法として、ナタで殺すのと比べれば
なんともウイットに富んでいて素敵♡

4人目の被害者は、
投げたソフトボールが的に当たると
上部に置かれた大きな岩が落ちてくるという、
なんだかバラエティー番組みたいな仕掛けの
「ぐらぐら岩ゲーム」
手足を縛られて、岩の落下点に寝かされた女が
どんなふうに殺されるのかは一目瞭然で
それでもゲームの体裁を保とうとしているのが
あいかわらず謎なのです。

さて、プレザント・ヴィレッジの住民たちが
なぜゆえ百年祭と称して旅人を殺すのかと言えば
ちょうど100年前、南北戦争で
北軍によって殲滅されたこの町の住民たち
が恨みを忘れられず、
ここで会ったが100年目とばかりに
北部からの旅行者=ヤンキーを対象に復讐していたのでした。
要するに百年祭は呪われた祭なのですが
伝統的に執り行なわれてきたようにみえるものの、
よくよく考えると、南北戦争から100年後の
1964年に行なわれているこの百年祭は
初めての百年祭なわけで……なんとも。

さしたるサスペンスの緊迫感もなく、
ふたりの「主賓」が頭の悪いガキを利用して逃亡し、
おまけに恋まで芽生えてハッピーエンド、かと思いきや
町民のガラクタコンビが登場し、
「つぎは200年祭が楽しみだな〜」なんつってるので、
いやいや、おまえら100年後は生きてねえだろと
つっこみかけたところで
じつは町の住人たちは100年前に殺された亡霊
蘇って今はなきプレザント・ヴィレッジに集結して
ヤンキーに復讐していたのでした〜
という、ホラーというよりファンタジーな結末。
大量のスモークが焚かれて姿を消す町民でしたが、
オカルト的な恐怖を感じるというよりも
おとぎ話のような結末に妙なスマートさを感じて
なんだか、ほっこりしちゃったじゃないのさ。

ゴア・シーンも含めて、
ハートウォーミングな作品でございました。





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