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マダム・イン・ニューヨーク

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(原題:English Vinglish 2012年/インド 134分)
監督・脚本/ガウリ・シンデー 音楽/アミト・トリベーディー
出演/シュリデビ、アディル・フセイン、アミターブ・バッチャン、メディ・ネブー、プリヤ・アーナンド、スラバー・デーシュパーンデー

概要とあらすじ
自分の価値を認めてもらえない専業主婦が一念発起し、英語が苦手というコンプレックスを克服して誇りと自信を取り戻していく姿を描いたインド製ドラマ。専業主婦のシャシは、2人の子どもと忙しいビジネスマンの夫サティシュのために尽くしてきたが、事あるごとに家族の中で自分だけ英語ができないことを夫や子どもたちにからかわれ、傷ついていた。ニューヨークに暮らす姉から姪の結婚式の手伝いを頼まれ、渡米したシャシは、「4週間で英語が話せる」という英会話学校を見つけ、姉にも内緒で英会話学校に通うことを決める。仲間とともに英語を学ぶうちに、次第に自信を取り戻していくシャシだったが……。主演はインドで国民的人気を誇る女優のシュリデビ。新鋭女性監督ガウリ・シンデーがメガホンをとった。(映画.comより



やむにやまれぬ型スピード・ラーニング

僕たち日本人は
中学・高校合わせて6年間も英語を学んでいるのに
ほとんどの人が英語を話せないし聞き取れない、というのは
よく言われることですな。
そうかと思えば、社内の公用語を英語にするという
とんちんかんな事をしている日本企業もあります。

ソフィア・コッポラ監督
『ロスト・イン・トランスレーション(2003)』
日本にやってきたスカジョとビル・マーレイが
当然のように英語を喋りまくり、
日本人はLとRを区別できないと数回にわたって文句をいうのには
とっとと日本から出てけ!と腹が立ちましたが
事実上、英語が世界の公用語のようになっているわけで
使えるのに越したことはないでしょう。

そんなふうに、
英語ができないというコンプレックスを抱えるインド人の主婦が
悪戦苦闘しながら英語を習得していくのが
『マダム・イン・ニューヨーク』です。
料理が得意な主婦シャシ(シュリデビ)
英語が出来ないことで、夫のサティシュ(アディル・フセイン)
子供からも馬鹿にされています。
サティシュには、シャシが英語ができないということ以上に
主婦や女性全般に対してそもそも敬意がないことも窺えます。
シャシに対する娘の敬意のなさをみると
シバキたおしてやろうかと思いますが、
おばあちゃん(サティシュの母)がいうように
反抗期だということにして大目にみてやることにします。

さて、ややこしいのがインド国内の言語事情
この映画ではヒンディー語がインドの母国語のような印象を与えますが
インドには100以上の言語があり、
それぞれの地域によって公用語とされる言語も異なるようで
ヒンディー語を話す国民は、人口の約40%にすぎないんだとか。
インド政府はこれまでにヒンディー語を公用語にしようとするも、
その政策を排外主義だと反撥する人たちも多くいて
死者を出す暴動まで起きています。
インドを分断の危機に陥れるかもしれない言語問題は
現在でも続いているようす。

というわけで、英語なのです。
インドでは英語も公用語のひとつとして制定されているそうですが、
とくにシャシのような裕福な階級の家庭では
子供の頃から英語教育がなされ、
むしろ、ヒンディー語? めんどくせーって感じのよう。
英語ができることが社会的なステータスをも反映しているのです。

そんなシャシが、姪の結婚式の準備を手伝うために
ひとりでニューヨークへ行くことになるのですから
その心細さといったら並大抵ではありません。
勇気を振り絞って入ったカフェで、散々な目に遭うシャシの姿をみて
英語が喋れないってだけで、
馬鹿みたいな扱いすんじゃんねえよ、このアメ公!

という怒りを誰もが爆発させるでしょう。
そうなんだよ……たとえブロークンで喋れたとしても
そのまえに相手の話が聞き取れないんだよねぇ……
カフェを飛び出したシャシはベンチに座って泣いていましたが
あれが僕なら、ベンチの下にもぐって泣いてますよ。
(どうでもいいか)

インド映画ではおなじみの「Interval」もありながら、
シャシは偶然見つけた
「4週間で英語ができるようになる英会話学校」に通い始めます。
シャシが滞在するのは5週間……
ああ、なんてちょうどいい!

英会話学校のクラスメートたちは
当然ながら、英語が出来ないという共通の悩みを持ち、
しかも多種多様な人種の人たちで、
さらには先生はゲイ。
インドでのシャシの生活とは対照的に、
お互いの違いを認めたうえで、敬意を持って接する社会だったのです。
夫とは違って、自分のことを大事に扱ってくれる
スケベフランス人との淡い恋もありながら、
徐々に英語を習得していくシャシ。
あいかわらずシャシは英語が出来ないと思い込んでいる
バカ夫とバカ娘を前にして
結婚式で英語で演説するシャシ
の姿に溜飲が下がります。

ひとのコンプレックスをあげつらって卑下し、
抑圧する周囲に問題があるのは当然ながら
変化を恐れて鬱屈しているのは自分の問題でもあることを教えてくれる
さわやかな自己解放の物語でした。

スピード・ラーニング……やろうかな……


*参考にしたサイト「ニューズウィーク日本版」
http://www.newsweekjapan.jp/stories/world/2014/08/post-3365.php





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