" />

黒いジャガー

shaft.jpg



(原題:Shaft 1971年/アメリカ 101分)
監督/ゴードン・パークス 脚本/アーネスト・タイディマン、ジョン・D・F・ブラック 撮影/アース・ファーラー 音楽/アイザック・ヘイズ
出演/リチャード・ラウンドトゥリー、モーゼス・ガン、チャールズ・チオッフィ、クリストファー・セイント・ジョン、グウェン・ミッチェル

概要とあらすじ
犯罪渦巻くニューヨークを舞台に、腕利き私立探偵ジョン・シャフトの活躍を描いたアクション映画で、60年代末から70年代初頭にかけてのブラック・パワー・ムービーの中でも最もメジャーな位置にある。ハーレムのボスから、誘拐された娘の救助を頼まれたシャフトが、黒人解放グループの過激派や顔馴染みの警部補らの協力を受けて、ハーレム乗っ取りを企むマフィアと対決する。カメラマンとして著名だったG・パークスは動的なアクション・シーンよりも、さりげない日常描写にいいものがあり、アイザック・ヘイズの主題歌と共に、ブラック・ハードボイルドとでも言うべき独特の雰囲気を持った作品に仕上げている。映画は大ヒットし「黒いジャガー/シャフト旋風」と「黒いジャガー/アフリカ作戦」の2本の続編が作られた他、90分枠のTVシリーズにもなった。(allcinemaより)



ジャンゴ 繫がれざる者[予習 その3]

最も目につく場所に「SONY」の看板が掲げられた
1970年のタイムズスクエア
雑多でゴミゴミしていて、その不浄さが
そこに暮らす人々の生命力を感じさせ、
アイザック・ヘイズの曲をバックに
地下鉄の出口から登場したシャフトが
街案内をするように歩き回る姿を追うオープニングシーンは
この時代の人々が、よかれ悪しかれ
エネルギッシュだったことを思い起こさせてくれます。

ブラックスプロイテーション(Blaxploitation)と
呼ばれる映画のジャンルは
スウィート・スウィートバック(1971年)』 が始まりという説と
この『黒いジャガー』が始まりだとする説があるのですが
どちらにせよブラックスプロイテーションという
映画のジャンルが生まれた背景には
長きにわたる奴隷制度
1950代からのキング牧師らをはじめとする公民権運動があり、
ジョン・F・ケネディ大統領が暗殺されたのちの
1964年にやっと公民権法が制定されたという歴史的背景に
触れないわけにいかないでしょう。

法律で人種差別が違法であるとされたとしても
(そもそも法律で決めないといけないことが驚きだが)
人々の生活レベルでの差別が突然なくなるわけもなく
その後も黒人差別は続いているのですが
少なくとも、公民権法が制定されるまでは
白人専用のバスの座席やトイレが当然のように存在し、
それを黒人が使おうものなら
罰せられるという事実があったのですから
ひとつの到達点には違いないのです。

その公民権法制定から、たかだが6〜7年しか経っていない
時代を反映しているのが
ブラックスプロイテーションであり、『黒いジャガー』なのです。

そんな積年の鬱憤が反映された『黒いジャガー』は
一見、白人と黒人は
それなりにうまくやっているようにも見えますが
シャフト(リチャード・ラウンドトゥリー)
白人警察に対するなめた態度には
やはり腹にいちもつ抱えている感はあり、
なぜかシャフトを気に入っている
ビク(チャールズ・チオッフィ)を除けば
白人警察たちが、黒人に対して
気に障るけど手に出せない感じはありありと伝わるのです。

そのような、映画が作られた時代背景はいったん横に置いて、
この作品の内容に触れるとすると
いつもクールなシャフトの粋で洒落たセリフ回し
現在のアクション映画などに受け継がれている
要素かもしれません。
黒人の裏社会にも顔が利く私立探偵のシャフトは
自宅のインテリアも洗練されていてそれなりに裕福そうだし
しかも相手が黒人だろうが白人だろうが、女にモテモテです。
黒人であるシャフトに白人女が色目を使ってくるあたりは
ずいぶんと差別意識は改善されているようにも見えるし、
あえてそれを描くことに黒人たちのざまあみろ感も感じられます。
シャフトは、顔を白くしてヒゲを剃ったら
木村一也に似てそうな、垂れ目で甘いマスクの持ち主ですが
なにをやるにもサラッとこなすかっこよさを体現した
黒人版ジェームズ・ボンドのイメージに近いかも知れません。
いや、それとも『探偵物語』の松田優作かな。

ついに、敵がいる部屋へ突撃するシーンで
突撃するための道具を詰め込んだバッグの中に
火をつけるためのガソリンといっしょになぜかジンがあり、
それを飲んでみて「これ、ジンじゃねえか」というくだりは
どう考えてもまったく必要がないのですが
緊迫した場面にこのような小ネタをはさんで
サスペンスの中にファンタジーを盛り込みたかった
監督の意図があるのかも知れません。

全編に流れるアイザック・ヘイズの曲が
時代感と共にかっこよさを盛り上げてくれますが
オーケストラなどではなく、
ファンクやソウルを映画音楽として使うあたりは
タランティーノが引用している気がします。

タランティーノのみならず、スパイク・リーなどにも
受け継がれていくブラックスプロイテーションは
当時のファッションや風俗を楽しむ意味でも
意見の価値ありかと。
お試しあれ。





にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ 
↑お気に召したらクリックしていただけますと、もんどりうって喜びます。

関連記事
スポンサーサイト

コメント

コメントの投稿


管理者にだけ表示を許可する

«  | ホーム |  »

プロフィール

のほうず

のほうず
映画が好きで観るのはいいが、
かたっぱしから忘れていくので
オツムのリハビリ的ブログ。
******************
当ブログの文章・画像およびイラストの無断転載を禁じます。引用される場合は、出典の表記と当ブログへのリンクを設定してください。

FC2ブログランキング

FC2Blog Ranking

お気に召したら
クリックお願いします。
にほんブログ村 映画ブログ 映画評論・レビューへ

スポンサードリンク

↓過去の記事はこちらから!↓

検索フォーム

QRコード

QR

ブロとも申請フォーム

この人とブロともになる

カウンタ