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パラダイム

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(原題: Prince of Darkness 1987年/アメリカ 103分)
監督/ジョン・カーペンター 脚本/マーティン・クォータマス(ジョン・カーペンター) 撮影/ゲイリー・B・キッブ 音楽/ジョン・カーペンター、アラン・ハワース
出演/ドナルド・プレザンス、ジェームソン・パーカー、リサ・ブロント、ヴィクター・ウォン、デニス・ダン、スーザン・ブランチャード、アン・マリー・ハワード、アン・イェン、ケン・ライト、ダーク・ブロッカー

概要とあらすじ
ロサンゼルスの教会で、司祭が緑色の液体で満たされた棺を発見。それには悪魔が封じ込められているらしい。超常現象の研究をしているバイラック教授と研究員たちが不穏な雰囲気に包まれた現地でその調査・解析にあたるが、やがて緑色の液体を浴びた研究員が他の者を襲撃するという事態に。難を逃れた数名が部屋に立てこもるが……。悪魔の復活とその恐怖を描いた戦慄のオカルト・ホラー。(映画.comより



コーヒー一杯でヤラせる女が世界を救う

邦題の『パラダイム』とは、
ある時代に支配的なものの考え方・認識の枠組みや規範を指す言葉で
原題とはぜんぜん違うけれど、
作品の内容を表現するには親切だというべきかもしれません。
正確にいうと、「パラダイム・シフト」というほうが
さらに内容に即しているかも。
原題は「Prince of Darkness」
すなわち「暗黒の皇子」なわけですが
この作品で悪魔の手にかかるのは女性たちばかりなので
「Princess of Darkness」じゃないの? と思ったものの、
よく考えていると、そうかそうか、
皇子だから女性を操るのかと
納得したような気分に浸っています。

冒頭から、教会のベッドに横たわる立派そうなおじいさんが
謎の小箱をお腹の上で持ったまま死んでいるので
間違いなくあの謎の小箱が
なにか重大な秘密を握っているはずで、
だからこそこんなにクローズアップするのだと思っていると、
……とくに関係ありませんでした。

とにかく、なにやら由々しき事態が起こっているらしく、
教会の地下でうごめくバスクリンみたいな液体が入った
巨大な容器を発見した司祭は人類を危機から救うべく、
非科学的な現象を容認する
バイラック教授(ヴィクター・ウォン)に助けを求め、
これはいかんと協力することに決めたバイラック教授は
どうみても学生には見えないブライアン(ジェームソン・パーカー)
コーヒー一杯でヤラせるキャサリン(リサ・ブロント)などの
優秀な学生たちをかき集め、さまざまな機器を持ち込んで
教会の調査に乗り込んでくるのです。

一体どんな危険なことが起ころうとしていて、
何を調査しようとしているのかは
招集された学生たちもわかっていない
のですから
観客にわかるはずがありません。
大量のコンピューター的なものが設置されますが
隠された秘密らしきものは、
おもにラテン語やギリシャ語が混在した謎の書物に書かれているので
その書物をすらすらと解読していく東洋人の女性が
ひとりいればいいんじゃないか
と思ったりします。

量子力学などが登場することから推測するに、
物質や生命の根源的かつ神聖な領域に
科学によって手を伸ばさんとする、神をも恐れぬ人間の傲慢さに対して
警鐘をならす
意図があるのではないでしょうか。
集められた学生たちは、白人、黒人、東洋人、
それに、コーヒー一杯でヤラせる女と
さまざまな人種がいることから
あたかも世界の縮図のようでもあります。

教会の異変に反応する人々がホームレスばかりなのを
どう解釈すればいいのかわかりませんが
リーダー格らしきホームレスを演じているのは
アリス・クーパーというミュージシャンだそうな。
(僕は名前を知ってるくらいで、なじみがないけど)

とにかく、学生のひとりの女性が
バスクリンを浴びたことでなにかに取り憑かれ、
それはもう大変なことになっていきます。
とはいえ、一斉に襲いかかってくるかと思いきや、
突っ立ったままじっと睨んできたりするので
精神的にはキツイかもしれないけれど
とりあえず命の危険はなさそうです。

ベッドに横たわったひとりの女性だけが
おぞましく皮膚がただれ、特殊メイクを堪能できますが
彼女のお腹が膨れて、これはなにかが生まれようとしている!
と思ったものの、いつしかしゅ〜んと小さくなるお腹。

あれはなに?

結局のところ、オカルトものでは重要アイテムとしてよく登場する
鏡の中が魔界の住処、みたいなことで
コーヒー一杯でヤラせる女が犠牲となって
悪魔を鏡の中に封じ込めることに成功し、
世界は危機を逃れるのです。
これは、世界を救うのはすぐにヤラせる女だということを
表現しています。
(していません)

最後に、夢を利用した未来からの警告として
教会の入口から出てくるのは
コーヒー一杯でヤラせる女。

そしてその夢は「1999年」という、
わりと近々の未来からの警告(映画は1987年)だったわけですが
これは世紀末を意識してのことでしょうか。

脚本的にどうなの? と思うところは多いけれど
随所に「らしさ」は感じられる作品でした。





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コメント

ラスト

1ヶ月前に観たのですが、この映画のラストに鳥肌がたってしまいました。
そして、こちらの記事で本作を思い出させていただき、先日鑑賞した「インターステラー」の終盤がこの作品のラストと重なって、更に鳥肌です。
すでに、ジョン・カーペンター監督は、その世界観を作り上げていたんですね。詳しくは、ネタばれになるので、はっきりと言えませんが、いろいろな方がレビューで書かれている「彼ら」の正体と同じですね。

2014/11/30 (日) 22:19:32 | URL | ぷっちん #Drcz0VvE [ 編集 ]

Re: ラスト

> ぷっちんさん
コメントありがとうございます。『ドニー・ダーコ』の「彼ら」もおすすめです〜

2014/12/01 (月) 10:20:01 | URL | のほうず #- [ 編集 ]

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