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インターステラー

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(原題: Interstellar 2014年/アメリカ 169分)
監督/クリストファー・ノーラン 脚本/ジョナサン・ノーラン、クリストファー・ノーラン 撮影/ホイテ・バン・ホイテマ 美術/ネイサン・クロウリー 衣装/メアリー・ゾフレス 編集/リー・スミス 音楽/ハンス・ジマー
出演/マシュー・マコノヒー、アン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、ビル・アーウィン、エレン・バースティン、マイケル・ケイン

概要とあらすじ
「ダークナイト」「インセプション」のクリストファー・ノーラン監督によるオリジナル作品。世界的な飢饉や地球環境の変化によって人類の滅亡が迫る近未来を舞台に、家族や人類の未来を守るため、未知の宇宙へと旅立っていく元エンジニアの男の姿を描く。主演は、「ダラス・バイヤーズクラブ」でアカデミー主演男優賞を受賞したマシュー・マコノヒー。共演にアン・ハサウェイ、ジェシカ・チャステイン、ノーラン作品常連のマイケル・ケインほか。「ダークナイト」や「インセプション」同様に、ノーラン監督の実弟ジョナサン・ノーランが脚本に参加。撮影は、これまでのノーラン作品を担当していたウォーリー・フィスターが自身の監督作「トランセンデンス」製作のため参加できず、代わりに「裏切りのサーカス」「her 世界でひとつの彼女」などを手がけて注目を集めているホイテ・バン・ホイテマが担当。(映画.comより



自分の子供に教えたいこと、それはモールス信号

とかく『2001年宇宙の旅(1968)』が引き合いに出される
『インターステラー』
『2001年〜』は難解なことで有名ですが
(キューブリックがナレーションによる説明を全部とっちゃったから)
その圧倒的なビジュアルと哲学的な表現で
映画史に刻まれています。
では、『インターステラー』はどうだったかというと……
『2001年〜』とは違う意味で、まったくわからない!

ストーリーはいたって簡単。
父と娘の絆を中心に、
アメリカ人が大好きな家族愛を描いた物語ですが
(クリストファー・ノーラン監督はイギリス人だけど)
ハードSF(ハードSMじゃないよ♡)と呼ばれるこの作品は
量子力学や相対性理論に対する知識があることを
前提にしている
のです。
ブラックホールに、ワームホール(時の道穴)、
特異点ウラシマ効果おせんにキャラメル……と
聞いたことしかない状況が次々と登場します。
そして、それぞれに関する説明は基本的になにもありません。
もちろん、そんな説明をしていたら何時間あっても足らないし、
説明されても理解できるかどうかわかりません。
マシュー・マコノヒーが、みなさんご存じのアレとばかりに
何度も「地平線」と口にするのも
「事象の地平線」(観測上の「宇宙の果て」)のことなのです。

僕のような無学なものにとっては
とにかくそのような前提を「ふうん、そうなんですね」と
噛まずに飲み込むほかないのですが
この作品は、理論物理学者キップ・ソーンをアドバイザーに招き入れ、
宇宙船の装備や宇宙空間の表現などを
現代の科学に限りなく忠実に映像化しているんだそうで
物理学に詳しく、かつSFファンであるひとには
まさに垂涎の一作となってるようです。

とはいえ、科学的な見識が物語を牽引するわけではないので
なにが起きているのかわからないということはありません。
いくらSFファンで科学の知識があっても
まったく語られない、地球が食糧危機に陥って
砂嵐が吹き荒れるようになった原因
はわからないはず。
想像されうる悲観的な近未来ということなんでしょう。
(どうやら、コーヒー豆はなくてもガソリンはあるようだ)

主人公のクーパー(マシュー・マコノヒー)
その娘マーフ(マッケンジー・フォイ〜ジェシカ・チャステイン)
ブランド教授(マイケル・ケイン)
その娘アメリア(アン・ハサウェイ)という
二組の父娘が登場し、
どちらも「大義」のために引き裂かれる運命にあります。
少女時代のマーフを演じるマッケンジー・フォイと
アン・ハサウェイがよく似た顔立ちなのも
意図的にイメージを重ねているのではないでしょうか。
じつはアン・ハサウェイが久本雅美に似ているというのは
ここでは関係ありません。

父親と本が大好きな少女時代のマーフが
本棚の「幽霊」からメッセージを受け取っていたことが
物語の重要な鍵になります。
「幽霊」という表現は、非科学的なもの=人智を超えたものの
メタファだと思いますが、
いくら食糧危機に陥って切羽詰まっているとはいえ、
スマホもネットも登場せず、本が物語の鍵を握るあたりに
フィルム撮影にこだわるノーラン監督の
懐古趣味的な一面
が現れているように感じます。
「幽霊」がマーフにメッセージを伝える方法は
さらに原初的な通信技術のモールス信号です。

この作品に登場する機器や宇宙船のデザインなどは
いわゆるSF的な流線型ではなく、
基本的に角張っていて実用的なのも特徴で
CASEとTARSという2体のロボット
積み木を組み合わせたようなそっけないデザインです。
見かけによらず高機能だったりするのですが
宇宙船内にいるときは、あまりにも周囲に溶け込みすぎて
どこで誰がしゃべっているのか
わからないときもありました。

やがて目的の惑星に到着したシーンは
アイスランドでロケが行われたそうですが
アイスランドはこういうSF的な異世界を表現するのに
さまざまな作品でロケ地として採用されているそうです。
このすぐそばで馬々が交尾しているとは思えませんな。

終盤、とんでもないどんでん返しが待ち受けています。
ここでは詳細を語らないことにしますが
(正直、そのどんでん返しの真意がいまいち理解できなかった。おほほ)
クーパーたちは、先に惑星探索に出ていた
天才学者のマン博士(マット・デイモン)を発見します。
このマット・デイモンの登場の仕方が
まるで『プライベート・ライアン(1998)』のようで
さんざん苦労してやっと見つけたと思ったら、またお前か!
という気分になれます。
しかも、こいつがだな……

ついにたった一人になったクーパーは
ブラックホールへ突入。
「彼ら」に招かれるようにたどり着いた5次元の場所は
まるで、無重力の図書館か書斎のよう……
この瞬間、誰もがピンときたことでしょう。

やがて(どういうわけか)地球に生還したクーパーは
およそ80年ほどの時を経て娘のマーフとの再会を果たします。
もう、父親だか息子だか母親だか娘だか
わからない状況
なのですが
そのような状況のすべてを含みこんだ再会と別れに
素直にぐっときました。
地球はマーフの功績によって、
『インセプション』を観た人には既視感を覚える新しい世界へと
生まれ変わっていたのです。

何度もいうように、
現在の科学的見識がどのように反映されているのかはわかりませんが
ワームホールやブラックホールの映像は目を見張るものがあり、
マシュー・マコノヒーが中心となって牽引する物語にも引き込まれて、
169分という上映時間はあっという間でした。
また、腹に響くほどの音響も効果的だったので
音のいい映画館で鑑賞されることをオススメします。

さて、できれば
量子力学や相対性理論を十分に勉強してから
もう一回観てみたい作品ですが
量子力学や相対性理論を理解するころには
いったい、わしはいくつになっとるじゃろうのう……







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