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(500)日のサマー

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(原題: (500) Days of Summer 2009年/アメリカ 96分)
監督/マーク・ウェブ 脚本/スコット・ノイスタッター、マイケル・H・ウェバー 撮影/エリック・スティールバーグ 美術/ローラ・フォックス 衣装/ホープ・ハナフィン 編集/アラン・エドワード・ベル 音楽/マイケル・ダナ、ロブ・シモンセン
出演/ジョセフ・ゴードン=レビット、ズーイー・デシャネル、ジェフリー・エアンド、クロエ・グレース・モレッツ、マシュー・グレイ・ガブラー、クラーク・グレッグ、パトリシア・ベルチャー、レイチェル・ボストン、ミンカ・ケリー

概要とあらすじ
建築家を夢見つつもグリーティング・カード会社で働くトムは、社長秘書として入社してきたサマーに一目ぼれをする。運命の恋を信じるトムは果敢にアタックし、遂に一夜を共にするのだが、サマーにとってトムは運命の人ではなく、ただの「友だち」でしかなかった。そんな、トムとサマーの500日の出来事を軽快に描くビター・スウィートなラブコメディ。主演は「G.I.ジョー」のジョセフ・ゴードン=レビットと「ハプニング」のズーイー・デシャネル。監督はCMやミュージック・クリップなどで活躍する映像作家のマーク・ウェブ。(映画.comより



男はバカで無邪気。それにひきかえ…

あんまりみんなに素晴らしいっていわれると
観なくていいかなって気になることはありませんか?
へそ曲がりですか? そうですか。
そんなふうに『(500)日のサマー』
いかにも感じが良さそうな映画だと思って
観るのを敬遠していたのですが
重い腰を上げてやっと観てみることにしました。
……なんだ、いい映画じゃないか……

「ボーイ・ミーツ・ガールだがラブストーリーではない」
という宣言で始まるこの作品は
間違いなく恋愛を描いてはいるものの、
あくまで一方的な男性目線で作られています。
『卒業(1967)』を拡大解釈したという
トム(ジョセフ・ゴードン=レビット)
運命的な恋愛を信じているとのことですが
恋愛に対して特別に臆病なようにもみえないので
ごく普通の恋愛観を持つ男性といってもいいでしょう。
世の中には巧妙に女心を操る猛者もいるんでしょうが
多かれ少なかれ、トムは男の恋愛観を代表していると思います。
ちなみに、トムは
グリーティング・カード会社のコピーライターですが
OSに恋する『her 世界でひとつの彼女(2013)』の主人公が
代筆ライターだったことと酷似しています。

そんなトムが一目惚れするのが
サマー(ズーイー・デシャネル)
色気がむんむんしているというより、可愛らしい女性です。
誰もが振り返るほどの魅力を放つサマーなのに
サマーにうっとりするのが会社の中でトムだけというのは
どういうことかと思わないではありませんがそれはさておき、
「恋人なんて欲しくない。
 誰かの所有物になるなんて理解できないわ」

というサマーは、トムと違って恋愛に対して
冷めた考え方を持っていますが
恋愛とは男性の所有物になることだと考えているサマーは
誰かを真剣に愛することを警戒しているようにも感じます。
自分の愛情が報われなかったときに傷つくのを恐れて
あらかじめ予防線を張っているようにもみえるのです。
ま、なんにせよ「わたし、○○な人だから」と
どうでもいい宣言をする女性は存在しますな。

どういうわけか、音楽の趣味が合うというのは
それだけで相手とものすごく理解し合えたように感じるもので
ご多分に漏れず、トムとサマーは意気投合。
サマーに対するトムの想いが一気に盛り上がると、
なんと、コピー室でサマーのほうから突然のチュー。
なにそれ意味わかんないよ超うれしいけど。
というわけで、ふたりはつき合うことになるのです。

その後、初めてサマーと結ばれたトムは
嬉しさのあまり、ガラスに映る自分がハン・ソロに見え、
街中が自分を祝福しているように踊り始めます。

これはもう、オトコノコあるあるです。
なんて男はバカなんだと、笑わば笑え。
IKEAデートでいちゃいちゃするふたりは
どうみても恋に有頂天なカップルですが
サマーはあいかわらずトムを恋人とは認めていません。
じゃあ、セフレかよといいたくなりますが
『ステイ・フレンズ(2011)』のように
セフレに少しでも愛情が混入すると
(トムは最初からそのつもりだけど)
必ずや関係が破綻するのは目に見えています。

バーでサマーにからんできた男とトムが喧嘩したことが
なぜかサマーの機嫌を損ねて、ふたりはついに破局。

単に乱暴だから? オレの女扱いしたから?
トムはサマーを守ろうとしたはずのに
さっぱり意味がわかりません。
トムの心境を表現するモノクロの劇中劇は
イングマール・ベルイマンの『第七の封印』のパロディだとか。

その後、偶然サマーに再会したトムは
ヨリが戻るかもという淡い期待を描くものの、
それどころか、サマーの左手薬指に結婚指輪を発見して撃沈します。
それで吹っ切れたのか、
トムは建築家になるという夢に向けて動き始めるのです。

思い出の場所で、またしても再会したふたり。
「恋人になるのは嫌なのに、妻にはなるとはな」
精一杯の嫌味をいってみるトムでしたが
サマーは、「自分でも不思議〜♡」的に受け流し、
勝手にふたりの関係をいい思い出にしちゃってます。
さもありなん。腹立つぜ。
女性からみれば、
ただトムが運命の人じゃなかっただけなのかもしれませんが
だったら「わたしは所有物にはなりたくない」だのと
一人前の考えみたいなこと、ぬかすんじゃねえよ。

腹立つぜ。

この作品は、あくまでトムからみた現実(+妄想)の物語なので
サマーにどういう心境の変化があったのかは描かれません。
Bru-rayの特典映像には、未使用シーンが収録されていて
少しだけサマーの心情を描写するようなシーンもありましたが
「女が考えていることはわからない!」という状況に
徹底したことは正解だったように思います。
『ブルー・バレンタイン(2010)』のように
時間軸を行ったり来たりする構成も
トムの回想を表現しているようで効果的でした。

前向きになったトムが新たに恋に落ちる美女の名前が
「オータム」なのも洒落たラストでした。





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コメント

真逆

同じくへそ曲りのわたしも気に入ってしまった一本です。
でも、これって、男目線で見るか女目線で見るかですっごい違いますね〜。
わたしはサマーの気持ちがめっちゃ分かってしまい、うんうんそうだよねーって思っちゃいましたもん。笑
トムにははしゃぎ過ぎだよとかウザいなーとかつっこんじゃったりして。
なので、レビュー、新鮮な気持ちで読ませてもらいました♪

2015/01/08 (木) 22:14:33 | URL | ihuru #- [ 編集 ]

Re: 真逆

> ihuruさん
コメントありがとうございます!
映画そのものは男目線で作られていると思いますが、
それでも、めっちゃ分かっちゃいますか! サマーの気持ちがっ!
ひや〜、やっぱり女性の気持ちを理解するなんて、無理!ゼッタイ!

2015/01/08 (木) 23:23:26 | URL | のほうず #- [ 編集 ]

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