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続・荒野の用心棒

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(原題:Django 1966年/イタリア・スペイン 92分)
監督/セルジオ・コルブッチ 脚本/フランコ・ロゼッティ、ホセ・G・マエッソ、ピエロ・ヴィヴァレッリ 音楽/ルイス・エンリケス・バカロフ
出演/フランコ・ネロ、ロレダーナ・ヌシアク、エドゥアルド・ファヤルド、ホセ・ボダロ、アンジェル・アルバセス

概要とあらすじ
フランコ・ロゼッティとホセ・G・マエッソとピエロ・ヴィヴァレッリ三人共作のシナリオを、セルジオ・コルブッチが監督したイタリア製西部劇、「荒野の用心棒」につぐ“用心棒”シリーズ第二弾。撮影をアンジェロ・ノビ、音楽をルイス・エンリケス・バカロフが担当。主演は「殺しのテクニック」のフランコ・ネロとロレダーナ・ヌシアク、エドゥアルド・ファヤルド、ホセ・ボダロ、アンジェル・アルバセスが脇を固めている。製作はマノロ・ボロニーニが担当している。テクニカラー、テクニビジョン。メキシコとの国境にほど近い小さな村。この村では、人種偏見にとらわれた元南軍の少佐アメリカ人のジャクソン少佐(E・ファハルド)一派と、メキシコ独立運動の闘士ユーゴ・ロドリゲス将軍(J・ボダロ)一派が激しく対立していた。ある日、国境にある底なし沼で混血娘マリア(L・ヌシアク)が、将軍の部下と少佐の部下に相次いで危害を加えられようとしていた。ちょうどその時、古ぼけた棺桶をひきずり丘の上にたたずむ男がいた...
(映画.comより)



ジャンゴ 繫がれざる者[予習 その2]

棺桶を引きずりながら歩いていく男の後ろ姿。
そこに、やぼったくもインパクト大の赤い文字で
「Djando」
いかにも映画オタクのタランティーノが好きそうな
オープニング・タイトルです。

もっぱら自分のためのおさらいとして
そもそも「マカロニ・ウェスタン」とはなんぞや
ということを書き記しておきたいのですが
「マカロニ・ウェスタン」とは、
1960〜1970年代前半に作られたイタリア製西部劇を指し、
映画スタジオ「チネチッタ」
イタリア映画産業の斜陽による経営危機から脱出するために
製作されはじめたもので
欧米では「スパゲッティ・ウェスタン(Spaghetti Western) 」と
呼ばれていたものを、故・淀川長治大先生
「スパゲッティでは細くて貧弱そうだ」ということで
「マカロニ・ウェスタン」と改名した日本独自の呼称だそうです。
(中身がないという暗喩も含んでいるという説も)
基本的には日本でしか通用しない表現なのですが
先日『ジャンゴ 繫がれざる者』のプロモーションで来日した
タランティーノは嬉しそうな顔して
「マカローニ・ウェスターン!」と言っていました。
『キル・ビル』で『服部半蔵』を引用するくらいですからね。
ほんとにどこまでオタクなんでしょうか。

『続・荒野の用心棒』という邦題は
セルジオ・レオーネの『荒野の用心棒』の続編のようでいて
本来、続編として作られたわけではありません。
さすがにこの邦題の付け方は、今では詐称で訴えられそうですが
いいかげん、かつ大らかなネーミングは
興業=山師的で憎めない馬鹿馬鹿しさもあって
嫌いではありません。

そもそもイタリアで西部劇を撮ろうとする発想じたいが
馬鹿馬鹿しいのですが
西部劇にインスパイヤされた黒澤明が『用心棒』を撮り、
『用心棒』に影響された(というかパクった)
セルジオ・レオーネが『荒野の用心棒』を撮り、
イーストウッドがその要素をアメリカに持ち込んで
時を経て、タランティーノが「マカロニ」を撮るという
このループが面白いですね。

『続・荒野の用心棒』は、リアリティーよりも
キャラクターの魅力のほうに重点が置かれ、
それはありえないだろうと思うものの
かっこよければよしというコミック的な演出のデフォルメが
その後多くの亜流を産むことになったのではないでしょうか。

棺桶を引きずるジャンゴ(フランコ・ネロ)の後ろ姿が
あからさまに死を連想させ、常にべちゃべちゃにぬかるんだ地面
それだけで陰鬱な気分にさせるのです。
あとになって、その棺桶には
ガトリング銃が入っていたことを知らされるのですが
これは、ロバート・ロドリゲスの『エル・マリアッチ』
『デスペラード』のギターケースに引き継がれているのかもしれません。

印象的なシーンを挙げると
赤いずきんを被ったジャクソン一味は、すぐにKKKを思い起こさせますが
これは少ないエキストラを使い回すための苦肉の策だったとか。
娼婦たちによる泥レスもお楽しみのひとつ。
公開当初、最も問題視されたのが耳を切り落とすシーン
このショッキングな暴力描写のおかげで
上映禁止の憂き目にあうわけですが、
これもタランティーノが『レザボア・ドッグス』で引用していますね。

個人的に面白かったのは
ジャンゴが納屋にしまわれた黄金をくすねるために
でかい棺桶をかつぎながら、ベランダ伝いに移動するシーン。
なぜかじっくりとジャンゴの姿を追う長いシーンですが
そのでかい棺桶が邪魔! 難儀! ジャンゴナンギ!
本来なら緊迫した場面なんでしょうが
クールなはずのジャンゴの滑稽さに笑ってしまいます。

殺された恋人の復讐のために
街に戻ってきたと思っていたのですが
金に目がくらんだのか、復讐を果たすことも忘れ
黄金を持ってどこかへ消えてしまおうとするジャンゴ。
意外な軽薄ぶりに虚を突かれますが、すぐさま天罰が下って
底なし沼に沈む金の入った棺桶を追って
自らも沼に沈んでいくジャンゴ……情けなや……
挙げ句に両手をつぶされて、やっと我に返ったジャンゴは
本来の復讐を思い出すのです。

ラストシーンの墓場での決闘では
両手をつぶされているジャンゴが
銃を墓にひっかけて敵を討つべく四苦八苦しているのですが
これがまたモタモタしていて、ふふっ、
本来悲劇的な演出かも知れないけれど、笑いを誘います。

終盤から急に愚かで滑稽な男に成り下がってしまったジャンゴは
それでも最後の最後で魅せてくれます。
さっきまでモタモタモタモタしてたのに
ついに狙いが定まったか、一瞬にして
6発の弾丸で6人を皆殺しにします。
さすがです。
いいんです、いいんです。
こういう爽快さも大事なのです。

ジャンゴが銃を引っかけていた恋人の墓(十字架)には
「MERCEDES ZARO」という文字が。
これは憶えておいたほうがいいような気がする。
いろんなときに役立つ気がする。そんな気がする。

たとえば、偽名でホテルに泊まるときに……ちがう!





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