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FRANK フランク

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(原題: Frank 2014年/ イギリス・アイルランド合作 95分)
監督/レニー・アブラハムソン 原作/ジョン・ロンスン 脚本/ジョン・ロンスン、ピーター・ストローハン 撮影/ジェームズ・マザー 美術/リチャード・ブロック 衣装/スージー・ハーマン 編集/ネイサン・ニュージェント 音楽/スティーブン・レニックス
出演/マイケル・ファスベンダー、ドーナル・グリーソン、マギー・ギレンホール、スクート・マクネイリー、カーラ・アザール、フランソワ・シビル

概要とあらすじ
イギリスでカルト的人気を誇った音楽コメディアン、フランク・サイドボトムをモデルに、マイケル・ファスベンダーが終始被り物を脱がない奇妙な男を演じたコメディドラマ。ひょんなことからあるバンドに加入することになった青年ジョン。バンドのリーダーのフランクは、四六時中、奇妙な被り物をしている謎めいた男だった。バンドメンバーはそんなフランクに信頼と尊敬の念を寄せており、ジョンもまた、破天荒な魅力をもつフランクに次第にひかれていく。そんなある日、バンドの映像がインターネットで話題を呼び、アメリカの大型人気フェスに招かれることになるが、そのことをきっかけにフランクの調子がおかしくなり、バンドは解散の危機に。ジョンはフランクがなぜ被り物をしているのか、フランクの過去を探り始める。(映画.comより



まずは自分を受け入れる

イケメンで知られるマイケル・ファスベンダーが
顔と巨根を封印した『FRANK フランク』

「ソロンフォルブス」というバンドのリーダー、
フランク(マイケル・ファスベンダー)が決して外さない被り物が
ポップでキャッチ—な魅力となっていますが
この作品は原作者のジョン・ロンスン
イギリスのコメディアン、フランク・サイドボトムのバンドで
キーボードを演奏していたときの体験談を元にしているそうで
フランク・サイドボトムが着けている被り物は
この作品のフランクとほぼ同じデザインです。
奇想天外な設定のようでいて実話ベースというわけですが
さらに、キャプテン・ビーフハートダニエル・ジョンストンという
ミュージシャンのイメージを重ねているとか。

フランクが率いる「ソロンフォルブス」の曲は
かなり前衛的だと前評判で聞いていたのですが
モデルとなった人たちと比べると
わりと普通でなかなかにかっこいい。
ミュージシャンを夢見るジョン(ドーナル・グリーソン)
ひょんなことからバンドでキーボードを担当することになりますが
「ソロンフォルブス」のメンバーたちは
それぞれに普通ではない、というより
みんなどこかしら病んでいるのです。

決して被り物を外さないから
流動食みたいものしか食べていないわりにはムキムキなフランク
飛び抜けて変人なのは一目瞭然ですが
その他の面々も精神病院にお世話になるようなやつばかりで
なかなか受け入れてもらえないジョン。
それでもジョンはフランクの才能には心酔しているので
こっそり撮影したレコーディング風景を
Youtubeにアップしている
のです。

じつはワタクシも「当方プロ志向」で
バンド活動をやってた経験があるのですが
90年代では、インターネットは存在していたものの
通信速度は遅く、ほとんどの人がパソコンを持っていなかったので
バンド活動といえば、とにかくライブを重ねて
なけなしの金でレコーディングしたテープを売り、
アンケートに住所を書いてくれたお客さんに
プリントごっこで作ったライブのお知らせハガキ
しこしこと送っていたものです。
それでもライブハウスがお客さんで埋まるようなことは
ありませんでした。

それがいまやどうですかっ!(なぜか怒っている)
バンドのTwitterアカウントとFacebookページを作ってライブの告知をし、
Soundcloudに曲をアップし、Youtubeにライブ映像をアップすれば
世界中の人に自分たちの曲を聴いてもらうことが
できるのです。
プロデビューできるできないは別にして
自分が作った曲をひとりでも多くの人に聴いてもらいたいのは
誰しも同じはず。

ジョンがそう考えたのも当然なのです。

ところがバンドのメンバーたちは
ジョンの行動を快く思っていないようす。
彼らは、自分たちの素晴らしさが他人に分かるはずがないと
決め込んでいる節がありますが
これはこれでバンドあるある。
自分たちを宣伝してアピールすること自体が
商業主義的で下品だという考え方をしたりするものです。
フランクだけはジョンの発想に魅了され、
Youtubeの再生回数が2万回を超えていることに驚きを隠せません。
ただ、Youtubeの再生回数2万回というのは
あくまで「まあまあ」な数字でしかないのです。

ジョンが犯した過ちは
バンドの音楽を「一般的な音楽に歩み寄る」という提案をしたことでしょう。
これまた、バンドあるある。
俺たちこそが最高だと世の中の全てを敵に回すような態度をとったり、
かと思えば、世の中に媚びて「売れそうな」曲を考えてみたり、
あれやこれやと逡巡するのですが
「一般的な音楽に歩み寄る」ということこそが
ミュージシャンにとっての被り物
なのです。

フランクが被り物を外さなかった理由は
彼が自閉症のような心の病を持っていたからですが
フランクの被り物は
心理学者ユングがいうところの「ペルソナ(仮面)」
自己の外的側面なのではないでしょうか。
フランクが被り物をするという行為は
コミカルにデフォルメされていますが
誰しも他者と接するときには「仮面」を被っているものでしょう。
フランクはあの被り物をすることで
自分を守りつつ、他者と関係することができたのです。
サングラスひとつかけただけで、少し気が大きくなるのも同じだし、
バンド活動そのものも同様で
普段は人と目を合わすこともできないような人が
ステージに上がった途端に別人のようになって
観客を大いに煽ったりするものです。

ラストで流れる「I Love You All」という曲は
「すべてを受け入れて愛する」ということですが
フランクはすべてを受け入れるために、
まずは自分を受け入れたのではないでしょうか。







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