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アンダー・ザ・スキン 種の捕食

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(原題: Under the Skin 2013年/イギリス 108分)
監督/ジョナサン・グレイザー 原作/ミッシェル・フェイバー 脚本/ウォルター・キャンベル、ジョナサン・グレイザー 撮影/ダニエル・ランディン 美術/クリス・オッディ 衣装/スティーブン・ノーブル 編集/ポール・ワッツ 音楽/ミカ・レビ
出演/スカーレット・ヨハンソン、ポール・ブラニガン

概要とあらすじ
スカーレット・ヨハンソンが地球の男たちを誘惑する妖艶な黒髪エイリアン役を演じ、初のフルヌードにも挑んだ異色のSFスリラー。ミッシェル・フェイバーの同名小説を原作に、「記憶の棘」のイギリス人監督ジョナサン・グレイザーが緊迫感あふれるスタイリッシュな映像で描く。スコットランドの街で、とあるセクシーな黒髪美女に誘惑された男たちが次々と姿を消していた。彼女の正体は、地球外生命体で、はじめのうちは無表情のまま男たちを捕食していくが、顔に障害を持つ孤独な男との出会いをきっかけに人間的な感情に目覚めていく。共演は、ケン・ローチ監督作「天使の分け前」で注目を集めたポール・ブラニガン。(映画.comより



回避不可能なSF美人局

地球に侵略してくる美人エイリアンといえば
『スピーシーズ/種の起源(1995)』……ですが
恥ずかしながら、僕は観たことがありません。
『アンダー・ザ・スキン 種の捕食』の副題は
やっぱり『スピーシーズ』と引っかけてるんでしょうか。
ちなみに、『アンダー・ザ・スキン』という
1997年のイギリス映画もあるそうな。

それにしても、
こんなに観念的な映画は久しぶりに観たような気がします。
結果からいうと、随分引き込まれて楽しんだのですが
謎が多いのも確かなので解説を読みたいと思い、
帰り際に売店へ行くと、
なんとパンフレットは作られていないとのこと。
公式サイトも随分あっさりとしています。
「スカーレット・ヨハンソンが初のフルヌード!」
話題のはずなのに全然、力が入っていません。
スカジョは全編にわたって
ブッリブリのむっちむっちな身体を披露されております。
身長も160cmとそんなに高くないので
こんなオレでも、ひょっとしたらひょっとするんじゃないか
と思うのは完全に間違ってます。

オープニングから『2001年宇宙の旅』チックな惑星直列シーン
かましてきます。
やがて重なった惑星が瞳のドアップになり、
星の光の中を進んでいくような映像から
疾走するバイカーのヘルメットへと到る映像は
思いっきり思わせぶりで、端的にかっこいい。

真っ白い空間で
女性の衣服をはぎ取って身につけるスカジョ(役名なし)が
なにかになりすまそうとしているのは一目瞭然ですが
冒頭の宇宙の映像があるからといって
スカジョがエイリアンであるという説明はまったくありません。
「この映画は○○のお話」という紹介を知らずに観たとしたら
(そんなことが可能だとして)
最後までスカジョがエイリアンだとは思わないかもしれません。

コールガールのような服をまとったスカジョは
街を車で流しながら男を物色し、
自らの美貌とセクシーさで誘惑して「捕食」するのですが
この街のシーンは、スタッフもいないなか、
スカジョが隠しカメラをつけた車を運転しながら
男たちに声をかけていったそうで
サプライズ実験のようなゲリラ撮影なのです。
スカジョが普段と違う短い黒髪なのは
もしかしたら一般人に気づかれないためなのかもしれません。

ショッピング・モールや街を歩く人々などを捉えた映像は
観光客が撮影した映像と大差ないはずなのですが
まるで雅楽のような不穏な音楽ともあいまって
日常的な光景がSF的な非日常の光景へと変換されるのが
不思議な魅力となっています。
『惑星ソラリス(1972)』での東京の首都高速
近未来を感じたのを思い出しました。
それは、スコットランドの
荒々しく波打つ海や激しく揺れる森の木々も同様です。

スカジョにおびき寄せられた男たちは
水面のように姿が反射する真っ黒な空間に連れ込まれ、
一枚一枚服を脱いでいきます。
後ろ歩きで誘惑するスカジョについていくうち、
男のからだはずぶずぶと沈み込み、やがて消えてしまいます。
これがエイリアンであるスカジョの「捕食」活動なのですが
どういう目的で男たちを捕らえるのか、
まったく語られません。
ポール・ブラニガン(『天使の分け前』の岡村隆史)
何人目かの餌食となったとき、黒い水面の下が初めて描かれ、
捕らえられた男は一時保存されていることがわかります。
先にいた男が助けを求めるように手を伸ばしたかと思ったら、
突然風船が割れるように身体がはじけ、
男の皮だけがまるで深海生物のように揺らぐのです。


顔面が大きく変形し皮膚が肥大した
プロテウス症候群の男を拾ったことで
決定的な変化が訪れます。
(なんと、彼は特殊メイクではないのだとか!)
友人もおらず、女性とつき合ったこともないという男を
いつもと同じように黒い水面の下へ導いたスカジョでしたが
壁に掛かった鏡を見つめてなにかに目覚め、
プロテウス症候群の男を解放するのです。

有り体に言えば
外見の醜い男が持っていた純真な心の内に触れて
真の人間の魅力に気づいたということなのかもしれません。
バイクスーツを着込んだ相棒から姿をくらましたスカジョが
おそらくエイリアンだから食べられないケーキを
口にしたりする
のをみると
スカジョは人間になりたがっているようにみえます。
気の優しい男とベッドでひとつになろうとするスカジョでしたが
股間に性器がない(?)のかなんなのか
ふたりが結ばれることはありませんでした。

最後にみせるスカジョの本性(=アンダー・ザ・スキン)から
想像してみると
男たちを誘い込んでいたあの黒い液体そのものが
エイリアンの生命体なのかもしれません。

もちろん、一筋縄ではいかない作品ですが
セリフが徹底的に排除されているために
おのずから映像に集中し、
抽象的な世界観にどっぷりはまること、請け合いです。

(↓わからないことはこの人に聞こう!
 『町山智浩の映画その他ムダ話!』
……こりゃあ、原作読まなきゃなんにもわかんないよ!





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