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ファーザーズ・デイ 野獣のはらわた

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(原題: Father's Day 2011年/ アメリカ・カナダ合作 99分)
監督・脚本/アダム・ブルックス、ジェレミー・ガレスピー、マシュー・ケネディ、コナー・スウィーニー、スティーブン・コスタンスキ 製作/ロイド・カウフマン、マイケル・ハーツ 編集/アダム・ブルックス 音楽/ジェレミー・ガレスピー 特殊効果/スティーブン・コスタンスキ
出演/アダム・ブルックス、マシュー・ケネディ、コナー・スウィーニー、エイミー・グローニング、ギャレット・ナティク、ブレント・ニール、メレディス・スウィーニー、マッケンジー・マードック、ロイド・カウフマン

概要とあらすじ
B級テイストあふれるマニアックなインディーズ映画の数々で注目されるカナダの5人組映像作家集団「アストロン6」が、米トロマ・エンタテインメントのロイド・カウフマンから出資を受けて製作したバイオレンスアクション。エロ・グロ・ナンセンスなどエクスプロイテーション(低俗ジャンル)映画の要素を満載し、世の中の父親ばかりを狙う猟奇殺人鬼ファックマンに父親を惨殺され、自らも片目を失った男エイハブが、復讐のためファックマンを地獄の果てまで追いかける姿を描く。カウフマン自身も出演している。(映画.comより



B級メガ盛りマックス!

DVDジャケットの惹句には
「『エル・トポ』を超えた衝撃と興奮!」とあるのですが
なんで引き合いに出したのかわからないほど
さっぱり『エル・トポ』とは似てもにつかない作品です。

監督・脚本を務める人物が5人もいるのは
オムニバス作品というわけではなく、
2007年に設立した「アストロン6」というカナダの映像会社の面々が
この5人というわけ。
しかもこいつら、揃いも揃ってかなりのB級映画オタクのようで
さしずめタランティーノやロドリゲスが集まって
わいわいやっている感じです。
そこにトロマのロイド・カウフマンが出資したのですから
ま、これがどんな映画なのか、だいたい察しが付くでしょう。

冒頭から、ゴアなホラー映画のように
グログロの人体解体シーンから始まりますが
フィルムの傷を模した加工に惑わされなければ
特殊効果がかなり精巧だし、カメラワークも現代的。
B級エクスプロイテーションに愛情を捧げているものの、
全体を通して間が抜けたようなショットはなく、
なかなかかっこいいカットが多いのは意外なところ。

ストーリーはご多分に漏れずリベンジもの。
ファックマンに父親を殺された兄妹の復讐劇です。
主人公の片目の男エイハブに扮するアダム・ブルックス
アストロン6の中心メンバーだとか。

サイコ・キラーのファックマンは
なぜか父親ばかりを狙ってオカマを掘ったあとに殺害し、
腹を割いて内臓を食べたりしています。

とはいえ、ファックマンは
かなり早くから眼鏡をかけたデブだとわかるので
一体どんなやつなんだろうという謎はありません。
(結局、動機や正体は明かされないまま)
「ファーザース・デイ」といいながら、
別に父の日に限って人を襲うわけでもありません。
とにかく、中年のおっさんをレイプする眼鏡デブという画が
おぞましいのです。

路上でおっさんのちんぽをしゃぶったりしている
非行少年トゥインク(コナー・スウィーニー)の父親も殺され、
トゥインクの後見人になったサリバン神父(マシュー・ケネディ)
病床の老神父に相談を持ちかけると、
ファックマンを倒せるのはエイハブしかいないということで
サリバン神父はエイハブを探しに出かけます。

このあたりまでは、ハードボイルドというか
シリアスな作品なんだと思って見ていたのですが
エイハブはとても遠いところにいるとだけ知らされたサリバン神父が
文字通り、野を越え山を越え、エイハブの元へたどり着いたときには
服がボロボロになっているのをみて
あれ? ふざけはじめたぞ、と気がつきます。


以降、コメディ色が強くなるのですが
ギャグのひとつひとつがなかなかセンスがいい。
長年離ればなれになっていたストリップ・バーで働く妹、
チェルシー(エイミー・グローニング)と再会するも
追い返されてしまったあとでエイハブが
「メイプル・シロップは世話をしてやらないと不味くなる」
というのを聞いたサリバン神父が
落ちぶれたチェルシーのことをシロップに喩えたと思い、
エイハブを慰めようとすると
「チェルシーはメイプル・シロップじゃない!」と
喩えの意味がわからず怒り出すエイハブ。

エイハブはクールなタフガイのように見えて、かなりバカなのです。
エイハブは罠にはめられ、殺人を犯して10年間服役していたのですが
ファックマンに復讐するはずが、
人違いでまったく別人を殺してしまったというお粗末ぶり。

チェルシーが秘密を握っているからかよくわからないが
ファックマンはストリップ・バーを襲撃。
いつも楽屋でチェーン・ソーを携帯しているストリッパーと格闘に。
チェーン・ソーがギュンギュン音を立てて大暴れしているのに
ヘッドフォンをして音楽を聴いているチェルシーはまったく気がつきません。
鏡の前に座ってるんだから、背中の後ろの光景は見えているはずなんだけど
ペディキュアを塗るのに夢中でなんにも気がつきません。
一歩遅れて助けに来たエイハブは
床に倒れて死にかけている、昔からエイハブのことを好きな女から
「キスをして」を言われると
「うへえ、気持ち悪い」と返すゲスぶり。

ファックマンに腹をえぐられてずっと床に倒れていたはずの女は
「白いトラックで東の方へ行った」
わりと詳しくファックマンの逃げた先を教えるのです。

ファックマンにさらわれたチェルシーを助け出し、
(この前の「鍵」のやりとりもくだらなくて面白い)
チェルシーを抱きかかえて外に出ると、走って逃げるファックマンの姿が。
あっと思ったエイハブは瀕死のチェルシーを投げ捨て、
すかさず発砲するとトゥインクの手を撃ってしまう低能ぶり。


無事にファックマンを退治して一件落着かと思いきや、
ファックマンの魂は引き継がれていくというオカルトな展開。
でも、ファックマンは死んで地獄に堕ちた。どうすんの?
じゃ、俺たちも死んで地獄まで追いかけていこう!
という、バカならではの発想でまたしても趣向が変わり、
クリーチャーまで登場する地獄のファンタジーSFちっくに。
ここで登場する、神と悪魔を兼任するのがロイド・カウフマン。

深夜に放送されているテレビ映画というテイのこの作品は
途中で「STAR RAIDERS」という『スター・ウォーズ』の
パチもんSF映画のフェイクCMが入ります。
全編に流れるシンセ・サウンドや
意図的に陳腐にした特撮や合成
など、
エクスプロイテーション映画に対するオマージュで溢れていますが
単に悪ふざけをしただけのしょぼい亜流ではなく、
現代の感覚も十分に反映されています。
エロ、グロ、ナンセンスコメディ、カーチェイス、
ホラー、オカルト、SF……と、
強引なのはあたりまえだけど、
よくぞここまで詰め込んだなと感心します。

おそらく想像しているより面白いですよ。





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