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モナリザ

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(原題: Monalisa 1986年/イギリス 104分)
監督/ニール・ジョーダン 脚本/ニール・ジョーダン、デビッド・リーランド 製作総指揮/ジョージ・ハリスン、デニス・オブライエン 撮影/ロジャー・プラット 美術/ジェマ・ジャクソン 音楽/マイケル・ケイメン
出演/ボブ・ホスキンス、キャシー・タイソン、マイケル・ケイン、クラーク・ピータース、ロビー・コルトレーン、ゾーイ・ナゼンソン、ケイト・ハーディ

概要とあらすじ
中年のアウトローが恋した高級娼婦を守るために身を挺して戦う姿を描く。ジョージ(ボブ・ホスキンス)は冴えないチンピラ・ヤクザ、ボスのために冷や飯を食わされて、シャバへ出たのはいいが、娘ジェニー(ゾーイ・ナゼンソン)に会おうと訪ねたところが、前妻ドーン(ポーリーヌ・メルヴィル)に門前払いされてしまう。今や彼の味方はムショにいる間ジョージの唯一の財産であるジャガーを預ってくれていたトーマス(ロビー・コルトレーン)だけだ…(映画.comより抜粋



追悼、ボブ・ホスキンス

『ロジャー・ラビット(1988)』など多くの作品で
愛すべき男を演じていたボブ・ホスキンス
残念ながら2014年4月29日に他界してしまいましたが
彼が主演を演じてさまざまな賞を受賞した、
『モナリザ』のDVD&Bru-rayが再発売されていました。
監督は『インタビュー・ウィズ・バンパイア』などで知られる
ニール・ジョーダン

いきなりナット・キング・コールが朗々と歌う
「モナリザ」をバックに始まり、
ああ、これから映画が始まるんだという
懐かしい高揚感で満たしてくれます。
小柄で丸っこいジョージ(ボブ・ホスキンス)
なにやら緊張した顔つきで通りを歩き、
途中で買った花を抱えて一軒の家のドアをノックすると
出てきたのは可愛らしい少女。
ジョージは一瞬ひるんだ表情をみせるも
少女に花を渡そうとすると、家の奥から母親が出てきて
「何しに来たのよ!」「おれの子供だぞ!」「ママ! やめて!」
と、一気に修羅場と化す玄関前。
ジョージは、ボスの身代わりとなって7年間服役し、
出所したばかりだった
のです。
ジョージと縁を切りたい妻はジョージを門前払いにし、
娘のジェニー(ゾーイ・ナゼンソン)
幼いころに別れて顔もはっきりと覚えていなかった父親に
やっと会えて嬉しい気持ちのほうが強いのです。

あいさつに来ただけじゃねえかふざけんなと
ゴミ箱を蹴飛ばして暴れるジョージをなだめにきたのが
親友のトーマス(ロビー・コルトレーン)
修理工というかガラクタ屋というか
いまいち職業がわからないけど工場を持っているトーマスは不思議な存在で
家がないジョージが、ひとつのエピソードが終わると
トーマスの工場へ帰ってきてふたりで会話するシーン

映画の構成上のブリッジになっているのがおもしろい。
また、トーマスが推理小説マニアなのも効果的です。
なぜか日本製の食品サンプルを仕入れてさばいたりもしているのですが
この作品ではちょこちょこ「日本」が登場します。
それだけ当時は日本経済に勢いがあったということなのでしょうか。

組織のボス・モートウェル(マイケル・ケイン)の身代わりになって
7年間もの服役を終えて出所したのに
ジョージは仲間からも完全になめられているようす。
それでもなんとかジョージがありついた仕事は
汚い売春宿ではなく、高級ホテルで客を取る
高級娼婦シモーヌ(キャシー・タイソン)の運転手だったのです。
このシモーヌに扮するキャシー・タイソンが本当に美しい。

ぶつくさ言いながら運転手を始めるものの
高級ホテルでシモーヌを待っている間も下品に騒ぎ立てては
悪目立ちしてしまうジョージは
ホテルに内緒で売春をやっているシモーヌにとって大迷惑。
もっとましな服を買いなさいと金を渡すと
ジョージは革ジャンに柄シャツという
いかにもポン引きっぽい服を買う始末。
あきれたシモーヌは自分もジョージといっしょに店に行き、
上質なスーツとコートをジョージにプレゼントします。
馬子にも衣装とはこのことで、
売春婦であるシモーヌによって
ゲスなチンピラだったジョージが
徐々に紳士の振る舞いを身につけていく
という
このあたりまでの流れは、
まるで「逆プリティー・ウーマン」のようです。

そんなロマンチック・コメディかと思っていると、
シモーヌが昔の売春婦仲間のキャシー(ケイト・ハーディ)
探し出して欲しいとジョージに頼んだことから
サスペンスの色合いが濃くなっていきます。
ジョージが最初に見つけた少女は人違いでしたが
15歳で売春婦となり、ヒモの男に殴られて顔を腫らしている少女をみて
おそらくは自分の娘への愛情と重ねあわせて
少女に対する憐憫の感情を抑えきれなくなり、
無関係な少女をも助け出そうと考え始めます。
動機は違えど、「ドライバー」でもあることから
『タクシー・ドライバー』のトラヴィス
思い出さずにはいられません。

ついにキャシーを見つけたジョージは
敵からも目をつけられるようになります。
エレベーターでの突然の緊迫したシーンから
階をまたいでカメラが移動するショットが素晴らしい。
決死の覚悟でシャブ中のキャシーを救出し、
シモーヌと共に海辺のホテルへと逃げ込んだものの
重大な秘密に気づくジョージ。
すっかりシモーヌに想いを寄せ、
シモーヌも自分のことを愛し始めていると思っていたジョージでしたが
じつはシモーヌが愛していたのはキャシー。
シモーヌとキャシーは同性愛の関係にあり、
ジョージは気持ちを翻弄されて、利用されただけだったのです。
憤るジョージ。そこへ追っ手がやってきて
ふたりは逃げるのですが
桟橋を逃げる途中でふたりが蹴散らすのが
ハート型をした雑貨屋の立て看板というのが憎い。

これぞまさにブレーキング・ハート。

銃撃戦のあと、カットが変わり、
トーマスと並んで自動車の下にもぐり込み、整備をするジョージが。
いつものように推理小説の謎解きをして遊んでいるようですが、
それはこれまでの物語そのもので
まるですべてがジョージの作り話だったかのように
映画は終わるのです。

見どころが盛りだくさんで
いろんな楽しみ方ができる作品です。
ボブ・ホスキンスさんのご冥福をお祈りします。





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