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TOKYO TRIBE

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(2014年/日本 116分)
監督・脚本/園子温 原作/井上三太 撮影/相馬大輔 美術/林田裕至 照明/佐藤浩太 録音/渡辺真司 装飾/坂本朗 編集/伊藤潤一 音楽/BCDMG 音響効果/斎藤昌利 アクション監督/匠馬敏郎
出演/鈴木亮平、YOUNG DAIS、清野菜名、坂口茉琴、大東駿介、石田卓也、市川由衣、叶美香、中川翔子、佐藤隆太、染谷将太、でんでん、窪塚洋介、竹内力、ベルナール・アッカ、高山善廣、サイボーグかおり

概要とあらすじ
漫画家・井上三太の代表作として知られ、アニメ化もされた「TOKYO TRIBE2」を、「ヒミズ」「地獄でなぜ悪い」の鬼才・園子温監督が実写映画化。さまざまなトライブ(族)に属する若者たちが、暴力で街を支配し、縄張りを競い合っている近未来のトーキョーを舞台に、「ブクロWU-RONZ」のヘッドに君臨するメラと、「ムサシノSARU」に所属する海(カイ)の2人を中心に巻き起こる一大抗争を描き出す。メラには「HK 変態仮面」の鈴木亮平、海にはYouTubeで開催されたオーディションで抜てきされたラッパーのYOUNG DAISが扮した。共演には清野菜名、佐藤隆太、染谷将太、でんでん、窪塚洋介ら豪華キャストがこぞって出演している。(映画.comより



抱かれながら、蹴られたい♥

現在、ノリにノっている園子温監督
3〜4本の映画を同時進行しながら
バンドを組んでライブをやり、小説まで上梓してしまうのですから
今のところそのパワーは留まるところを知りません。
『地獄でなぜ悪い』に続く新作の『TOKYO TRIBE』
監督曰くエンタメ路線の第2弾になるのですが
エンタメっていったって、大人しい作品になるはずもなく、
しっかりとR15指定です。
血だらけで首や腕が飛びまくっていた『地獄でなぜ悪い』がPG12ですから
要するに、上映規制を判断する方々が
暴力よりエロのほうが子供にとって有害だと考えているんでしょう。
ま、そのほうが大人になってから楽しいかもね。

原作の漫画は人気があるそうですが
不良漫画にまったく興味がないので全面的にスルーするとして
「世界初のラップ・バトル・ミュージカル」という惹句のとおりに
ほぼ全編でセリフがラップになっています。
本物の(本物ってなに?)ラップ・ミュージシャンが多く出演しますが
原作漫画同様ラップに興味がない、というより
正直に言うとラップがそれほどかっこいいと思えないので
俳優たちのラップの出来不出来は判断できません。

園子温監督もヒップホップのことはよくわからないといい、
ヒップホップに思い入れがないからこその作品作りを心がけたそうなので
ラップによるセリフは、このバカバカしい世界観を
演出するためのギミックのひとつとして
受け止めればいいのかもしれません。
おそらくはヒップホップに造詣が深いであろう入江悠監督
『SR サイタマノラッパー』でセリフとラップを行き来し、
言葉をラップにのせること(リリック? ライム? フロー?)の
意義を垣間見せてくれましたが
『TOKYO TRIBE』からは
ヒップホップ文化を啓蒙しようなんていう主旨は受け取れません。
なんせこの作品はバカ映画ですから。大バカ映画です。

オープニングから、
子供が階段を駆け下りて(じつは子供じゃないけど)、
ストリーテラー役のMC SHOWこと染谷将太
豪華なオープンセットの中を歩きながら歌い出し、
パトカーがやってきて「60秒後」のシーンになるまで
長々としたワンシーン・ワンカットでカマしてきます。
この作品はそのような映像的な楽しみに溢れていますが
基本的にストーリーはあってないようなものです。
とにかくモメて喧嘩になればそれでいいのです。
その間におかしな格好をしたおかしな奴が
次から次へと登場すればいいのです。

そうはいっても原作はあるし、
登場人物が多く、「TRIBE」たちの関係も複雑なので
舞台設定を説明しないわけにはいきません。
ストーリーが進んでいくうちに
少しずつ設定がわかっていくというシナリオもありますが
これだけ「TRIBE」も人も多いと何分かかるかわかりません。
てことで、強引にまとめて説明するのです。
新米婦人警官(佐々木心音)の裸を使って。

バカですねぇ。
どうしてもやらなきゃならない説明シーンでも
こうやって楽しませてくれれば文句はありません。

さて、ストーリーを追っても仕方がないので
キャラクターたちをみていくことにします。

メラ(鈴木亮平)
もう、このひとの映画でしょう。これは。
宣伝用のスチール写真と予告編を観ているときは
いくら見ても神取忍にしか見えなかったのですが
いくら神取忍でも上半身裸になるわけがありません。
これぞまさしく、画になる肉体。
美しい。抱かれたい。
このタイミングでこの役を演じたのは奇跡的だし、
鈴木亮平の運命なのかもしれません。
『マジック・マイク』の続編にいかがでしょう。

出口海(YOUNG DAIS)
本職はラッパーで演技には初挑戦ということですが
いい面構えだし、ラップ以外のセリフ部分も遜色なく
素人臭さはまったく感じられませんでした。

スンミ(清野菜名)
またしても園子温監督が発掘したダイヤモンド。
可愛い顔してアクションが素晴らしい。
主にパンツを見せることを目的とした後ろ回し蹴りが最高です。
(そしてパンツは必ず白でなければならぬ)
この作品のアクションシーンは
細かくカットを割って迫力を出そうとするのではなく、
一連のアクションをワンカットで見せるので
彼女の身体能力と技術の高さが際だちます。
『チョコレート・ファイター』の続編かなんかで
ジージャー・ヤーニンと戦ってくれないでしょうか。
ハイレベルなキャット・ファイト!
ああ、蹴られたい。

ヨン(坂口茉琴)
スンミの相棒の小学生男子……かと思いきや、
なんと女子高生!!!
脚本にはなかった役なのに監督に見出された
こちらも凄いアクションでした。

ブッパ(竹内力)
竹内力役を演じている竹内力。
ていうか、竹内力の着ぐるみを着ているような演技でした。
あれ、演技って言えるのか?
俳優を目指す人は真似しないように。

ブッパの妻・エレンディア(叶美香)
普段は笑って座っているしか能がないこの人が
はじめて生身の人間に見えました。
竹内力におっぱいを揉まれているカットでは
中身のシリコンが破裂するんじゃないかとヒヤヒヤしました。

ブッパの息子・ンコイ(窪塚洋介)
髪型は違うけど、この人もいつもの基地外役で登場。
ンコイの部屋は明らかに『時計じかけのオレンジ』のミルク・バー

ブッパの娘・KESHA(中川翔子)
トラックスーツの黄色にこだわって新調したそうな。
よかったね。

ブッパの用心棒(高山善廣)
スンミとヨンにやられて、
「ちょっと痛い、ちょっと痛い」というのは
『冷たい熱帯魚』でしょう。社本くん。

テラ(佐藤隆太)
このひとがスクリーンに映ると、途端に映画が薄ぺっらいものに。
ものすごい場違い感。金属バットは「あの野球チーム」のお古か?
このテラという役は、どのTRIBEからも一目置かれる先輩格だそうなので
この際、近田春男いとうせいこうあたりが演じても
面白かったのでは?

大司祭(でんでん)
この役の設定自体が必要かどうか怪しいぞ。

ジャダキンス(ベルナール・アッカ)
ドイツ出身の元お笑い芸人で総合格闘家??
へえー。

亀吉(丞威)
ジャダキンスの相棒役。
ホログラムを映し出せる懐中電灯を持っています。
このひとのアクションも凄かった。
国籍は日本だけど、ダンサーでマーシャル・アーツをやっているとか。
へえー。

ムカデ(北村昭博)
歓楽街のSAGA TOWNを仕切っている男。
役名、ムカデって。そのまんま。

DJグランマ(大方斐紗子)
屋台でターンテーブルを回すおばあちゃん。
「売春のほうは、うまくいってるの?」

というわけで、なんとも濃すぎるキャラクターたちでした。
おかしなところは山ほどあるけど
とにかくすべてが過剰なので気になりません。
バカバカしい映画を撮るなら
とにかく過剰にバカバカしくないといけないのです。

とはいえ、
メラが海(カイ)を目の仇にして戦争を始めたのは
海のちんぽがでかいのが癪に障ったから、という
壮大なるバカバカしいオチが待っていたのはいいのですが
それをメラが告白するタイミングが曖昧で、
もっとはっきりと、あきれかえるような演出にして欲しかったと思います。
最後のメラの回想によって知らされる真実も
エンドロールのあとのオマケでよかったんじゃないでしょうか。

まったく時間を感じさせない、
走りっぱなしの作品で十分に楽しめましたが
観終わったあとのカタルシスはあまり得られませんでした。
ラストへ向けて失速したわけではないけれど
もう一発、でかい驚きを味わいたかったところ。
意外にも、首チョンパなどゴアシーンがなかったのも残念でした。

それでも、これだけのパワーに満ちあふれたメジャーな日本映画は
ほかには見あたりません。
園子温監督自ら、上映する劇場へ「爆音上映」を願い出たそうで
希望通り、腹に響くほどの爆音で上映されていました。
叶うならば、ぜひ映画館で。





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