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レッド・ライト

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(原題:Red Lights 2011年/アメリカ・スペイン合作 113分)
監督・脚本・編集/ロドリゴ・コルテス 撮影/シャビ・ヒメネス
出演/キリアン・マーフィ、シガニー・ウィーバー、ロバート・デ・ニーロ、エリザベス・オルセン

概要とあらすじ
「リミット」で世界的成功を収めたロドリゴ・コルテス監督が、ロバート・デ・ニーロ、キリアン・マーフィ、シガニー・ウィーバーら豪華キャストを迎え、伝説の超能力者と超常現象を疑う科学者の息詰まる攻防を描くサスペンス。大学で物理学を教えるマーガレット・マシスン博士と助手のトム・バックリーは、超常現象を科学的に調査し、インチキ霊能力者を看破するなどして、騙されていた人々を救ってきた。そんなある日、1960年代から70年代にかけて超能力者として一世を風靡した後、30年以上にわたり表舞台から姿を消していたサイモン・シルバーが超能力ショーを再開し、話題を集める。トムは早速シルバーを調査しようとショーの会場に赴くが、そこで驚くべき現象に出くわし、それ以来周囲でショッキングな出来事が次々と起こりはじめる。(映画.comより)


あ、そっちね。

「あなたの脳が試される」
「かつてない知的好奇心とスリルを呼び起こす衝撃作」
「伝説の超能力者が仕掛ける、新感覚の[謎解き]へようこそ。」

と、まあ、ズラリと並んだ
勇ましいキャッチコピーに釣られたわけではないけれど、
大物俳優が出演しているわりには
キャパの大きい映画館での上映がない『レッド・ライト』
個人的にはそれなりの期待を持って観に行ったのですが
期待を裏切られたとは言えないものの
ちょっと風呂敷広げすぎだろうといった印象でした。

公式サイトでは
とにかく「謎解き」が強調され、
複数の錯視画像まで用意されています。
僕は子どもの頃から錯視が大好きでして、
小学校の夏休みの自由研究で「目の錯覚」を題材にしたほどなので
公式サイトの錯視画像は見ているだけで楽しいのですが
はっきりいって『レッド・ライト』の本編とは
まったく関係がありません!!
どうにかしてこの作品を盛り上げたいという
広報担当者の苦労と意気込みには同情しますが
いくらなんでも大作仕様のこの盛り上げ方はミスリード。
主要な登場人物が4〜5人しかいないのに(なんなら3人でOK)
人物相関図を作ってしまうあたり、
随分と無理をしている感は否めません。

超能力者(もしくは超能力者を名乗るもの)と
科学者との対決を描くのがベースの『レッド・ライト』は
科学者が超能力者のインチキを暴いていくのですが
手品の種明かしを超えることはなく、
トリックの規模も小振りなものが多いので
「謎解き」がダイナミックに構成されているわけではありません。
あたりまえっちゃーあたりまえですが
基本的にはシガニー・ウィーバー扮するマーガレットと
その助手のトム(キリアン・マーフィ)が
ニセ超能力者のインチキを暴いていくので
観客の「脳が試される」こともないのです。

もしかしたら、
超能力者サイモン・シルバーに扮するロバート・デ・ニーロが
主役級の悪役を演じていることから
これはいけると踏んだ広告担当者が
煽るだけ煽ろうとしたのかもしれませんが
このところ小作品に出ずっぱりのデ・ニーロには
もはや有り難みはなく

デ・ニーロ扮するラスボス、サイモン・シルバーとの対決よりも
シルバーの弟子の超能力者のインチキを暴くシーンのほうが
よほどスリリングで痛快だったのが正直なところ。

観客にとって最大の謎解きといえば、
ラストで明かされる『シックス・センス』とまったく同種
どんでん返しということになるのでしょうが、
それにしても、あくまでミステリーにおけるどんでん返しに過ぎず、
そもそもそのどんでん返しの張本人が無自覚なのですから
観客がだまされる側に立つということはないのです。

もちろん、そのどんでん返しには、
素直に「なるほどっ!」と膝を打ったのですが
やはり「科学 vs 超能力」で丁々発止騙し合うところを
観たかったのが正直なところです。
ここでは奥ゆかしく、ネタバレなしにしておきますが
僕が最もずっこけたのは、盲目の超能力者サイモン・シルバーの
最大の秘密が一番最初に疑われるべきであろうことだったことです。

超能力や霊能力に関して、私見を述べさせていただくと
科学が証明するものは、いかなるときも暫定的な真実でしかなく、
常に覆される可能性を秘めているということ。
また、超能力者や霊能力者に
インチキが多く含まれているのが事実だったとしても
体験者もしくは目撃者のすべてがでっち上げた嘘をついていると
断じてしまうのも無理があることではないかと思うのです。
こういうふうに言うと、まるで超能力者や霊能力者に
肩入れしているように聞こえてしまうかもしれませんが
決してそういうことではなく、
霊能力者が霊を信仰するのと同じ理由で
科学者が科学を信仰しては本末転倒だと思うのです。

真実であることが前提ですが
体験者や目撃者の側からすれば
「だって曲がったもん!」「見えたんだからしょうがねえだろ!」
で、十分だと思うし、
科学者の側からは
たとえそれが霊界の存在などを裏付けるのではなくとも
それがいかなる錯視によるものなのか、
または人間の恐怖心がもたらす心理的作用なのかを
証明しなければならないと思うのです。
なにしろ、脳の働きの大部分は未だ解明されていないのですから。
科学が科学であるためには
科学自らに対しても科学的に接するべきではないでしょうか。

映画とは随分離れた話になってしまいましたが
おそらくは最も狭い空間での密室劇『[リミット]』で名を上げた
ロドリゴ・コルテス監督は
今後が期待できるものの、今のところはまだまだ
「狭い」世界観に留まっているという印象を受けました。

どんな商売でも
客の知性をみくびっていると痛い目に合いますよ。





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