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26世紀青年

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(原題:IDIOCRACY 2006年/アメリカ 85分)
監督・製作・原案/マイク・ジャッジ 脚本/マイク・ジャッジ、イータン・コーエン 撮影/ティム・サーステッド 編集/デヴィッド・レニー 音楽/セオドア・シャピロ
出演/ルーク・ウィルソン、マーヤ・ルドルフ、ダックス・シェパード、テリー・アラン・クルーズ、アンソニー・“シトリック”・カンポス、デヴィッド・ハーマン、ジャスティン・ロング、トーマス・ヘイデン・チャーチ、パトリック・フィスクラー、アンドリュー・ウィルソン、ヘザー・カフカ

概要とあらすじ
極秘実験で一時的な冬眠状態にされるも手違いで500年後に覚醒した男が、国全体がおバカになっている有様に驚愕しながらその改善へ奔走する姿を描いたSFコメディ。アメリカ国防総省は、極秘で人間による冬眠プログラムを進めていた。そして被験者には、典型的なアメリカ人である兵卒のジョー・バウアーズと、売春婦のリタが選ばれた。1年間という設定で実験は開始された。しかし、責任者が不在となり、ジョーたちは忘れ去られた存在となってしまう。やがて、2人が目覚めた時には、何と500年が経過していた。しかし、未来の世界は、国民の民度が著しく低下しており、環境破壊も歯止めが効かず、全てが堕落しているという体たらく。そうした中、最も優秀でマトモな人間のジョーが国務長官に任命され、様々な問題を一手に引き受けるハメに。ジョーはタイムマシンを使って過去に戻り、未然に対策を講ずるしかないと判断するのだが…。(allcinemaより抜粋



終わりの始まり、現在進行中

あきらかに、
かの「トモダチ」映画に引っかけてつけられた邦題の
『26世紀青年』
劇場未公開なんだから、DVD化するために
こんなでたらめな邦題をつけなくてもいいだろとは思うものの
もしかしたら、この頭の悪いネーミングこそ
この作品にはうってつけなのかもしれません。

高学歴で高収入の人はなかなか子供を作ろうとせず、
低学歴で定収入の人はじゃんじゃん子供を作るので
知能指数の高い人間は絶滅危惧種となり、
世の中はバカばっかりになる
、というのがこの作品の基本設定。
これ、現実はすでにそうなってるんじゃないの? 
と、思う人も少なくないはずですが
その場合、自分だけはバカじゃないという
傲慢かつ牧歌的な前提に立っている危険性を孕んでいるので
それはそれで自分を省みる謙虚な姿勢が必要となります。
以上を踏まえたうえで申し上げますれば、
世の中は本当にバカばっかり♡

米軍に所属する、なにからなにまで平均的な男、
ジョー(ルーク・ウィルソン)
トップシークレットの「人間冬眠実験」の実験台として選ばれます。
この秘密の実験は、
優秀な人材をすぐに戦地に送り込むと死んでしまってもったいないので
いざというときだけ優秀な人材を使うために
それまで冬眠させておけるかどうかを試すものなのです。
なぜか、実験台には女性も必要とされて
軍には適当な女性がいなかったために採用されたのが
売春婦のリタ(マーヤ・ルドルフ)
このリタに扮するマーヤ・ルドルフという女性は、
ヒロインというには、ちょっとアレな感じですが
後半に進むに従ってどんどん魅力的になっていきます。
マーヤ・ルドルフはもともとコメディアンで
なんと、あの有名な「ラヴィング・ユー」を歌った
ミニー・リパートンの娘だとか。
ラララララ♪ ラララララ♪
さらにはポール・トーマス・アンダーソンのパートナーなんだとか。
(未婚だけど二人の間に4人の子供が)

とにかく、ジョーとリタのふたりは
一年の冬眠実験のために棺桶みたいなポッドに入るのですが
そのあいだに世の中が変動し、軍も解体。
忘れられているうちに500年経っていたのでした。

500年後のアメリカは、バカで埋め尽くされていました。
捨てた大量のゴミは山になるだけ、
食べるものはジャンクフード、飲み物はゲータレードみたいなやつ、
楽しむテレビや映画は
キンタマ蹴ったとか、おならしたとか
小学生低学年が喜ぶようなものばかりです。
ほぼ全員がラリっているかのようなしゃべり方なのは
マイク・ジャッジ監督の出身地テキサスのイメージかしら?
普通にしゃべっているジョーはオカマみたいだとバカにされる始末。
なかでもケッサクなのが、手コキ専門店になっているスターバックス
メニューはなんと、「手コキラテ」!

これはイカンということで、
ジョーはタイムマシンを探し出して500年前に戻り、
もろもろ阻止しようと考えるのですが
「500年前のオレに冬眠実験をやめさせるオレが説得に成功していたら、
 いまのオレは存在しないはずだから……あれ?」
と、わけがわからなくなるシーンは
タイムスリップものが常に抱えるパラドクスに対する揶揄ですね。

徹底的にバカばっかりなもんだから
なんの取り柄もないはずのジョーは天才扱いされ、国務長官に任命されます。
格闘技世界チャンピオンで元ポルノ男優の大統領から
農作物がまったく育たないからなんとかしろといわれ、
しぶしぶ調べてみると、なんと畑では
スプリンクラーでゲータレード(的なもの)を撒いていたのでした。
この未来では、水はトイレを流すためにしか使われないのです。
「僕は学者じゃないから、詳しいことはわからないけど
 水を与えるべきだと思う」

という、あたりまえのことを主張する天才ジョー。
(いろいろあってこの時点ではジョーは「ノット・シュア」という名前に)
ところがジョーの意見に政府閣僚の面々が大反対するのです。
「ゲータレードは植物にとってもいいんだぜ!」
「どうしてそう思うの?」
「ゲータレードには電解質が入ってるからさ!」
「植物にとって、電解質のなにがいいの?」
「……ゲータレードの原料だよ!」
「……なんで電解質を原料に使っているんだい?」
「電解質だからだよ!」

てな具合。
設定がとんでもないから笑っていられますが
似たような思い込みは身近にいくらでもあるでしょう?

テレビに始まり、洋服の柄や独り言まで
なにからなにまで広告だらけのこの世界では
ゲータレードを作っているジャンクフード会社が
経済活動のほぼすべてを牛耳っています。
ジョーが農作物に撒くのをゲータレードから水に変えたことで
ジャンクフード会社から解雇された人々が暴動を起こすのも、
さもありなんですが
ジョーは社会を混乱に陥れたことを罪に問われ、
窮地に陥るものの、リタの活躍で名誉挽回し、
めでたく新大統領となるのでした。
「本を読むのはオカマじゃない!」
「映画にはストーリーがあるんだ!」

と、就任演説をぶって中指を立てるジョー。
ファックサインがピースサインに取って代わっているのです。

痛烈な社会批判に貫かれたブラック・コメディーに
あははと笑って済めばそれでいいのですが
なにやら近年、アメリカでは
学校給食に出されるピザはトマトソースが入ってるから野菜だと
議会で採決された
とか……
(いつものごとく、詳しいことは↓の町山智浩さんの解説をどうぞ)

シャレになんないよ、アメリカ。



「たまむすび」町山智浩のアメリカ流れ者
ドキュメンタリー映画『フェド・アップ』(日本未公開)


『FED UP』TRAILER




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