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マッキー

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(原題: Eega 2012年/インド 125分)
監督・脚本/S・S・ラージャマウリ 撮影/センディル・クマール 音楽/M・M・キーラバーニ
出演/スディープ、サマンサ・ルス・プラブ、ナーニ

概要とあらすじ
殺されてハエに生まれ変わった主人公が愛する人を守るため戦う姿を描き、インドで大ヒットを記録した奇想天外なアクションコメディ。家の向かいに住む美人の慈善活動家ビンドゥに思いを寄せるジャニ。一方、表向きは建設会社の社長で、裏ではマフィアの顔をもつスディープもまた、ビンドゥに夢中だった。ある日、ジャニは勇気を出してビンドゥに告白し、2人は両思いになるが、金と権力とルックスで落とせない女はいないと思っていたスディープは激怒。ジャニをなぶり殺してしまう。やがて小さなハエとして転生したジャニは、殺された恨みを晴らし、ビンドゥを守るためスディープに立ち向かう。(映画.comより



一寸のハエにも五分の魂

インド産映画のことを総称して
「ボリウッド」と呼ぶのは間違い
だそうですな。
「ボリウッド」とは、ムンバイを本拠地に北インドで作られる映画を指し、
ヒンディー語であることが特徴で、
『マッキー』=ヒンディー語でハエですが
同様にハエを意味する原題の「Eega(イーガ)」はテルグ語であるからして
この作品は「ボリウッド」ではない、ということのようです。
……難しいねえ。
でも映画の中身はちっとも難しくありませんのよ。

スポンサーとスタッフの長ったらしいクレジットが続くなか、
寝る前のお話をせがむ息子と父親のやりとりが
ナレーションで流れます。
要するに、これから始まる物語は作り話ですよと宣言しているのです。
しつこくお話をせがむ息子に
「まったくハエみたいにうるさいな。ん? ハエ?
 そうだ、ハエの話をしよう」

なんて、思いつきで話し始めたわりには内容は濃いのです。

女は誰でも自分の思い通りになると考えている
建設会社社長スディープ(スディープ)
射撃の名手であることが大いなる前振りになってはいるものの、
冒頭からしばらくは、
登場人物をつぎつぎに紹介していくかたちになっていて
断片的で流れもへったくれもなく、
かなりせっついている感じがします。
インド映画の女優さんは圧倒的な美女ばかりですが
ボランティア活動に懸命でマイクロ・アートが趣味のヒロイン、
ビンドゥ(サマンサ・ルス・プラブ)
ゴージャスな美女というより、親近感のわく可愛らしいタイプ。
仕事に疲れて帰宅すると、
ビンドゥが「お帰りなさ〜い♡」なんつって出迎えてくれるところを
夢想するだけで顔が緩みます。
そんなビンドゥに想いを寄せているのが
向かいの家に住んでいるジャニ(ナーニ)
いつもニタニタしているジャニは、
ビンドゥの気を引こうとしていますが、その期間はなんと2年間!
女ったらしなんだか、奥手なんだかわかりません。
ビンドゥはジャニの好意がまんざらでもないのに
2年もの間、彼を袖にしているというのもどういう心境なのか。
ジャニに冷たい素振りを見せては陰でうふっとほくそ笑む、
というのを繰り返します。

ジャニとビンドゥが結ばれるために、
これといった障壁は見あたらないのですが

ま、仕方ないか。父親の作り話だから。

ジャニがビンドゥに対する思いを歌にのせて踊るシーンなど
いかにもインド映画らしく、まるでMVのような演出が続きますが
金にものを言わせてビンドゥに近づこうとするスディープが
ジャニの存在とビンドゥの恋心に嫉妬し、
ジャニを殺害することから一気に物語らしくなります。
わかりづらかったけれど、ジャニの職業が花火職人だということが
後半の火薬の扱いへの伏線となっています。

やっとビンドゥが想いに応えてくれたと思ったら
スディープに殺されるジャニ。
投げ捨てられたジャニの携帯にビンドゥが電話をかけると、
不在着信にはならず、応答してしまうのは
なんでだよと思わないわけではありませんが、
ま、とにかく、死んだジャニの魂はウジ虫へと乗りうつり、
やがてハエとなって復活する
のです。

ハエになったジャニ目線でのハエ・アドベンチャーのあと、
偶然にもたどり着いたのは、憎っくきスディープの豪邸。
ここで会ったが百年目と復讐心に火をつけるジャニ。
この作品、結構、肝心なところで偶然がジャニに味方します。
人間の魂がハエに乗りうつるという設定に
文句をつける気はさらさらないけれど、
物語のディティールに強引すぎる点が多いのは
いかがなものか、とは思います。
スディープのまわりを飛び回って嫌がらせを続けるジャニですが
スディープが入っていた一人用サウナの車止めが外れて
ごろごろと動き出す
……てことは
どう考えても床が傾いてるよね、とか
ん? と思うところは多いのです。
スディープが運転する車を横転させたジャニは
フロントガラスに「I WILL KILL YOU」と書いてみせ、
ついに宣戦布告、となったところで
「INTERVAL(休憩)」の文字!
僕は初めて観ましたが、インド映画にはよくあるんだそうで。
メタだわあ。

ビンドゥに自分の存在を気づいて欲しいジャニ。
ビンドゥが落とした涙を利用して
「I AM JANI」というストレートなメッセージを書くと
「え? そうなの!」と、ものすごく飲み込みの早いビンドゥ
力を合わせてスディープへの復讐を開始するのです。

突然、タントラと呼ばれる呪術者が登場して
スディープに味方するもあえなく返り討ちに。
ジャニを撃ち殺すために、ライフルを撃ちまくって
自分の家を破壊するスディープ、落ち着け。
そんなこんなで、自らの命と引き替えに
復讐を達成するジャニ。
かわいそうにねぇなんて思っていると、ラストで
またハエに生まれ変わったジャニが登場!
おかえり、ジャニ! いやいや、おかえりじゃねえよ。
また復活しました、ちゃんちゃん、というのは構わないけれど
どうせならハエじゃないほうが良くね?
今度はゴキブリかよ! みたいな。ねえ。

総じて、気軽に楽しめる作品ではありましたが
あくまで、ハエに変身してしまった人間の振る舞いに終始して
ハエの生態が描かれていないのは残念なところです。
たとえば、ハエになったジャニが好んで食すのが
カプチーノではなく、汚水や腐った残飯だとか
大量のハエ仲間を引き連れて攻撃して
どれがジャニだかわからない! とかさ。

ま、仕方ないか。父親の作り話だから。





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