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バックコーラスの歌姫(ディーバ)たち

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(原題:20 Feet from Stardom 2013年/アメリカ 90分)
監督/モーガン・ネビル 製作/ギル・フリーゼン、ケイトリン・ロジャース
出演/ダーレン・ラブ、メリー・クレイトン、ジュディス・ヒル、リサ・フィッシャー、クラウディア・リニア、タタ・ベガ、ミック・ジャガー、ブルース・スプリングスティーン、スティング、スティービー・ワンダー

概要とあらすじ
音楽界のトップスターを影で支えてきたバックシンガーたちにスポットを当て、第86回アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞した作品。1960年代に黒人コーラスグループ「ブロッサムズ」としてデビューし、名プロデューサー、フィル・スペクターの生み出す楽曲でバックコーラスを担当しながらも、あくまでも彼女たちをバックシンガーとして起用することにこだわるスペクターと衝突し、音楽界を去ったダーレン・ラブ。そんな彼女を筆頭に、10人を超えるバックシンガーたちが登場。その波乱に満ちた人生を語るほか、見事な歌声も披露する。また、ブルース・スプリングスティーン、ミック・ジャガー、スティング、シェリル・クロウ、スティービー・ワンダーといったトップミュージシャンも、バックシンガーたちとのかかわりを明かす。レコーディング風景やセッションの様子など、貴重な映像も収められている。(映画.comより



Wild Side を歩いてるかい?

僕はブラック・ミュージックが大好きです。
強いリズム感と「艶」といか表現しようのない黒人の歌声が
大好きなのです。
白人の音楽でも、ブラック・ミュージックにルーツを持つものなら
楽しむことができます。
なんで自分がこれほどブラック・ミュージックに惹かれるのか
いくら考えてみても、さっぱりわかりません。
かろうじて根拠のようなものを思いついてみても
それは自分を正当化するために、あとづけでひねり出したものに過ぎず
好きなんだからしょうがない、と開き直るのが
頼りないけれど、一番しっくりくるのです。

ルー・リード『Walk on the Wild Side』
「ドゥッ、ドゥドゥ、ドゥドゥ、ドゥッドゥドゥ〜」が
黒人バックコーラスによるものだという逸話からはじまり、
前半は、バックコーラスの素晴らしさと重要性を
語っていきます。
トーキング・ヘッズの名作『ストップ・メイキング・センス』
『Slippery People』はいつ観ても鳥肌もの。鳥肌実。
出演しているシンガーのほぼ全員が聖歌隊出身だそうで
現代のポップミュージックに連なる音楽の源流が
ゴスペルにあることがわかります。
彼女たちのシャウトとハーモニーを耳にすると
なぜだか興奮し、何度も泣きそうになりました。
やっぱり、説明できない何かに
心を揺さぶられるのです。
ローリング・ストーンズ『ギミー・シェルター』
サビでシャウトするメリー・クレイトン
コーラスだけを抜き出して聞かせるシーンは圧巻です。

さりとて、彼女たちが素晴らしい才能を持ち合わせ、
楽曲の中で大きな存在感を放っていたとしても
バックコーラスである以上は
スターの添え物に過ぎません。

大物プロデューサー、フィル・スペクターに騙されて
自分のソロとしてレコーディングした歌が
赤の他人の曲としてヒットしてしまう理不尽さ!
ゴーストライターならぬ、ゴーストシンガーです。
(本人にゴーストのつもりがないから、ただの詐欺だけど)
いかに彼女たちに対する扱いが粗末なものだったかがわかりますが
裏方で満足できず、自分がスターになろうとすると
技術や才能だけでなく、
運も味方につけたプラスアルファが必要になってきます。
むしろ、技術や才能は問題ではないのかもしれません。
事実、技術も才能もないスターは山ほどいるのですから。
ここが人気商売の難しいところでしょう。
ただ、スターになれなかったから
彼女たちを落伍者だと決めつけるのには同意できません。
仕事ぶりをきちんと評価し、きちんと対価が払われれば
バックコーラスという仕事にも価値を見出せると思うのです。

華々しい活躍をみせていた彼女たちは
やがて生活に困窮してやむを得ず引退し、
掃除婦をやったり、スペイン語の教師をしたりしています。
それでも、歌う喜びは忘れられるものではありません。
これは「歌うのが好き」とかいう趣味のレベルでの問題ではなく
歌うことそのものが、彼女たちの生きている証しなのです。
(家政婦やスペイン語教師だって
 蔑まれる仕事ではないんですけどね)

ローリング・ストーンズ『ブラウンシュガー』そのひとである
クラウディア・リニア
スティングにも認められているリサ・フィッシャーの歌声は
楽器では表せない声の魅力を存分に感じられます。
マイケル・ジャクソンのステージで話題になったジュディス・ヒル
どこか東洋的な顔立ちで、僕の好みです。
(知らんがな)

ラストで、おそらくこの映画のために集合した歌姫たちが
ビル・ウィザーズの名曲『Lean On Me』を歌います。
ここはもう、最高にグっときて泣いちゃうかもしれないシーンです。
……が。……んが。
なぜかオリジナルをアレンジして
まるで『We are The World』的な甘〜いコード進行に。
本来はシンプルなコード進行で、
だからこそブルーノート特有の喜びと悲しみが入り交じった
複雑な味わいがあるのに、これでは台無しです。
最後の最後でがっかりしました。

そんなわけで、最後にケチが付きましたが
歌姫たちの歌声に酔いしれ、人生の機微にふれ、
自分が本当に生きたい人生って、なんだろうと
考えるきっかけになる作品でした。





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