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続・夕陽のガンマン 地獄の決斗

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(原題: The Good, The Bad and The Ugly 1967年/イタリア 155分)
監督/セルジオ・レオーネ 脚本/セルジオ・レオーネ、ルチアーノ・ビンチェンツォーニ、トニオ・スカルペッリ 製作/アルベルト・グリマルディ 撮影/トニーノ・デリ・コリ 音楽/エンニオ・モリコーネ
出演/クリント・イーストウッド、イーライ・ウォラック、リー・バン・クリーフ、マリオ・ブレガ

概要とあらすじ
ルチアーノ・ヴィンセンツォーニ、トニオ・スカルペッリ、セルジオ・レオーネの共同脚本を、「夕陽のガンマン」のセルジオ・レオーネが監督した西部劇。南北戦争末期の西部。ジョー(C・イーストウッド)とテュコ(E・ウォラック)の二人はコンビを組んで賞金をかせいでいた。テュコが人を殺し、賞金つきのお尋ね者となる。そのテュコをジョーがとらえて賞金をうけとりテュコが絞首刑という寸前にジョーが救い出す、といった方法だった……(映画.comより抜粋



ひとはみな、卑劣漢。

どちらもセルジオ・レオーネ監督作品とはいえ
『夕陽のガンマン』『続・夕陽のガンマン 地獄の決斗』
まったく関係がないのはよく知られていることですね。
『荒野の用心棒』『続・荒野の用心棒』
同じようにシリーズもののように勝手につけた邦題です。
さすがに最近はこういうことは耳にしませんが
(ヘンな邦題はいっぱいあるけど)
昔は自由だったというよりも、
映画興行がある種のハッタリで成り立っていたことが窺えます。

原題は「The Good, The Bad and The Ugly」
「善玉、悪玉、卑劣漢」
トゥーコ(イーライ・ウォラック)が登場すると
役名でもないのに、ストップモーションで「The Ugly(卑劣漢)」
スーパーが出る演出は、まさにタランティーノの原点といったかんじ。
悪玉の殺し屋エンジェル・アイ(リー・バン・クリーフ)
殺しの依頼人から報酬を受け取ったあとに依頼人を殺してしまうような
仁義もへったくれもない、まさに悪玉です。
クリント・イーストウッドが演じるブロンディが善玉ですが
ブロンディの善意は、相棒との約束はできるだけ守るという程度のもので
決して善人ではありません。

トゥーコとブロンディはコンビを組み、
懸賞金がかけられたトゥーコを保安官に差し出して
ブロンディが懸賞金を受け取り、
トゥーコが縛り首になる寸前に
陰から狙うブロンディが銃で縄を切ってトゥーコを逃し、
手にした懸賞金をふたりで山分けするということを繰り返して
稼いでいます。
とはいえ、お互いがコンビとして信頼しあっているはずもなく、
とくにトゥーコは隙あらばブロンディを出し抜いてやろうと
常に考えているのです。

そんなこといいながら、先に裏切ったのはブロンディのほうで
トゥーコを砂漠に置き去りにするのですが
なんとか生き延びたトゥーコはブロンディを出し抜き、
自分が受けた仕打ちの倍返しとばかりに、
ブロンディに砂漠を300km以上も歩かせるのです。
このシーンの延々と続く砂漠がシュールかつSF的。
どこで手に入れたのか、女物の日傘を差して馬に跨るトゥーコの姿
明らかに見覚えのあるもので、ピンときました。
ホドロフスキー監督『エルトポ』そのまんまです。
もちろん影響を受けているのは『エルトポ』のほう。

憔悴しきったブロンディにとどめを刺そうとした瞬間、
死体を積んだ馬車が現れ、
その中のひとりが大量の金貨を隠し持っていることが判明。
トゥーコが隠し場所を聞き出す寸前に男は息絶えてしまいますが
男の忌の際にブロンディが
隠し場所である墓地の墓標の名前を聞き出していたため、
トゥーコはブロンディを殺したくても殺せなくなるのです。
手のひらを返したように「オレとお前はアミーゴだよな!」と
ブロンディを助けようとするトゥーコ。
まさに卑劣漢。

瀕死のブロンディを連れたトゥーコは
南北戦争の負傷者を治療している修道院にたどり着きますが
その修道院にいたのはトゥーコの兄。
兄は犯罪者のトゥーコを責めますが
家族の生活を守ることを放棄して聖職者という立場に逃げた兄に
トゥーコは積年の思いを打ち明けます。
理想に逃避した兄と、
きれい事では済まされない現実で生きてきたトゥーコの決別です。
修道院を追い出されたあと、ブロンディに対して
「兄さんはもっとここにいろって言うんだけどさ〜」と
あいかわらずの軽い調子で嘘をつくトゥーコが切ない。
事情を理解しているブロンディは、すっとタバコを勧めるのです。

三人の主人公たちが協調と裏切りを繰り返しながら
ガンアクションを繰り広げるだけならば
おなじみのマカロニ・ウェスタンですが
この作品はさらに南北戦争が大いにからんできて
大作戦争映画の一面もある
ところが特異です。
広大な面積に作られた前線基地のセットや
大量のモブシーンと迫力の爆破シーンが圧巻です。
殺し屋のブロンディが戦場を見て
「こんなに大勢が無駄死にするのか」というセリフに
反戦の意が込められています。

ついに金貨が隠された墓地にたどり着いたトゥーコ。
(凝りもせずにまたブロンディを出し抜いている)
これまた広大な墓地の中を嬉々として走り回るトゥーコと
ハイスピードで回転するカメラが見物です。

クライマックスは
有名な「メキシカン・スタンドオフ」と呼ばれる
三つ巴のにらみ合いです。
目のまわりのドアップと腰の拳銃のクローズアップを
ながながと繰り返して緊張感を高めます。

ケレンミたっぷりなエンターテイメントでありながら、
背後に反戦を臭わせ、さらには宗教的な要素まで盛り込んで
どこをどう切っても面白い傑作です。

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