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ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区

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(原題: Centro Historico 2012年/ ポルトガル 96分)
監督・脚本/アキ・カウリスマキ、ペドロ・コスタ、ビクトル・エリセ、マノエル・デ・オリベイラ
出演/イルッカ・コイヴラ、ベントゥーラ、アントニオ・サントス、リカルド・トレパ

概要とあらすじ
多くの歴史的建造物が残るポルトガルの古都ギマランイスを題材に、ヨーロッパ映画界を代表する4人の名匠が競作したオムニバス作品。バーで働く男の1日を描いたアキ・カウリスマキ監督作「バーテンダー」、1974年の革命をモチーフにしたペドロ・コスタ監督作「スウィート・エクソシスト」、閉鎖された紡績工場が題材のビクトル・エリセ監督作「割れたガラス」、ギマランイス城を舞台に描いたマノエル・デ・オリべイラ監督作「征服者、征服さる」の4話で構成。2012年・第13回東京フィルメックスの特別招待作品として上映(映画祭上映時タイトル「ギマランイス歴史地区」)。13年、劇場公開。(映画.comより



ポルト、ベンフィカ、リスボン!

あいかわらず、なにも知らずに手を伸ばした
『ポルトガル、ここに誕生す ギマランイス歴史地区』
なんと、オムニバスだったとは。おっほっほ。
そんなことも知らずに観てみようと思ったのは
たぶん『熱波』つながりのポルトガルつながりだと思う。

ま、オムニバスのそれぞれの作品を務める監督は
そうそうたる顔ぶれなわけで
結果的には観て損のない作品には違いないのですが
このようなオムニバス作品が作られた経緯はおろか、
「ギマランイス歴史地区」についてなにも知らないてーたらくなので
鑑賞後にいろいろ調べてみて
やっといろんなことがわかったような気がする次第です。

そもそもポルトガルおよびギマランイス歴史地区が
どういう場所なのかというと
8世紀初頭からイスラム教勢力の支配下にあったイベリア半島
エンリケ・デ・ボルゴーニャの下で再編されたのがポルトガルの起源で
(ものすごく割愛してるけど)
1143年にポルトガル王国が発足し、
初代国王アフォンソ1世の生地であることから、
ギマランイスが「ポルトガル発祥の地」とされている、と。
そのなかでも旧市街地の「ギマランイス歴史地区」は
2001年に世界文化遺産に登録され、
中心にあるトゥラル広場には、街の来歴を示す
「AQUI NASCEU PORTUGAL(ここにポルトガル誕生す)」の文字が
刻まれている、と。
やっと、タイトルの由来にたどり着きましたな。
そんでもって、ギマランイスは2012年に欧州文化首都に指定され、
文化プログラムの一環として企画・製作されたのが
この作品、というわけ。
(もろもろ公式サイトより)

知らんよねえ、そんなこと。
ポルトガルと我が国とは
歴史的に深い繋がりがあることは学校で習ったけれど
いまとなってはポルトガルといえば
フィーゴにルイ・コスタにデコにクリロナくらいしか
頭に浮かびません。
(なんならエウゼビオも。全部サッカー選手だけど。)

ともかく、この作品の背景はなんとなくわかったのですが
4人の監督たちがみなポルトガル出身者というわけでもないのが
ま、役人の発想と言えなくもないのです。
よって、ポルトガルという国やギマランイスという街に対する
それぞれの監督の思い入れに温度差があるように思われ、
ギマランイスという一応の縛りがあるうえで
それぞれが好き好きに映画を撮ったという印象です。

■「バーテンダー」監督/アキ・カウリスマキ
赤・青・黄の色彩のコントラストが印象的な作品で
基本的にセリフはありませんが
カウリスマキらしいオフビートなコメディになっています。
カフェ(バール?)を営む男が
自分の店に来るのは昼間から酒を飲むようなやつばかりで
近所のレストランは盛況なので
ランチメニューを真似するものの味付けがわからず、
自分でライバル店に食べに行って研究しつつ、
昔の恋を思い出してしんみりしながら、
EU経済の現状への揶揄も含まれているような作品でした。
とにかく、画面の色彩と構図が美しい。

■「スウィート・エクソシスト」監督/ペドロ・コスタ
「いかにしてギマランイスで撮影しないか」という発想で撮られたという、
めんどくさいから勘弁してほしい作品。
病人らしき老いた黒人ヴェントゥーラが
エレベーターの中で兵士の亡霊と繰り広げる会話劇は
前提としてポルトガルの歴史を知らないとワケワカメですが
ヴェントゥーラが1974年の「カーネーション革命」に参加した兵士と
対話している、ということのようです。
じっとしている兵士役のアントニオ・サントスは
静止パフォーマンスの世界チャンピオンだそうで。

■「割れたガラス」監督/ビクトル・エリセ
かつては街全体の経済を担っていたような紡績工場の
閉鎖されて荒れ放題の工場跡地で
新たな(架空の?)映画のためのカメラテストというテイで作られた作品。
30〜40年とその工場で働いた人たちが自分の経験を語っていく
ドキュメンタリータッチな作風は
全作の中で一番素直にグっときます。
過酷な労働環境とそれぞれの思いを語る登場人物たちですが
77歳という女性が語った
「喜びはわかるが、幸せはわからない」という言葉が身に染みます。
工場内に駅まであったという広大な敷地の
食堂でわずかな休憩時間を捉えた写真に写ったかつての工員たちの表情に
笑顔がなかったのが印象的でした。

■「征服者、征服さる」監督/マノエル・ド・オリヴェイラ
なんとなんと、現役最高齢となる
104歳のマノエル・ド・オリヴェイラ監督最新作です。
オムニバスのラストを飾る作品だし、
タイトルがタイトルだから
これは重い内容になるぞと思っていたら、
征服者の銅像のまわりを観光客が埋め尽くして
あらま、征服されちゃったね! みたいな
最も軽い作品でした。
じいさん、ボケてないだろうな。

そんなこんなで、
いまいち鑑賞態度を定めづらい作品でした。





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