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アイ・アム・キューブリック!

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(原題: COLOUR ME KUBRICK A True...ish Story 2005年/イギリス・フランス 86分)
監督/ブライアン・クック 脚本/アンソニー・フルーウィン 撮影/ハワード・アサートン 衣装デザイン/ヴィッキー・ラッセル 編集/アラン・ストラカン 音楽/ブライアン・アダムス
出演/ジョン・マルコヴィッチ、ジム・デヴィッドソン、ジェームズ・ドレイファス、テレンス・リグビイ、マーク・アンバース

概要とあらすじ
1990年代のイギリス。詐欺師のアランは、有名な映画監督スタンリー・キューブリックになりすまし、自分の次の映画に使ってやるなどと騙して、食事や酒をおごらせ、巧みに金を巻き上げて暮らしていた。元々映画には詳しくないので、キューブリックの映画について問いつめられるとすぐにボロが出るのだが、それでも騙された方が恥と感じて訴え出ることがほとんどなかったため、アランの詐欺行為は徐々にエスカレートして行く。(wikipediaより抜粋



全部が「偽キューブリック」ならよかったのに。

HDDレコーダーの録画リストの奥底で眠っていた
『アイ・アム・キューブリック!』
WOWWOWで録画したのが3年前って、あんた。
いつでも観られると思うと、いつまでたっても観ないんだよなぁ。
録画リストにはこんなのがまだまだあるのでして、
いまさらながら、日本劇場未公開の珍品だということを
知った次第です。

ジョン・マルコヴィッチが演じた、
スタンリー・キューブリックになりすました
アラン・コンウェイ
という詐欺師はどうやら実在の人物のようです。
原題に「A True...ish Story」とあるので
ストーリーで語られるエピソードは
実際の事件のとおりというわけではないんでしょう。
監督のブライアン・クックはこれが初監督作で
キューブリック監督作で助監督を務めていたとのこと。
キューブリックの死後に作られているこの作品に
キューブリックへの敬愛と追悼の意を込めているのでは? という
好意的な詮索に留めることにします。とりあえず。

とにかく、ジョン・マルコヴィッチの
悪ふざけ、というか怪演が見物です。
キューブリックになりすますアラン・コンウェイは
いかにもゲイといった喋り方とファッションで
本物のキューブリックに似せるつもりもさらさらないのです。
それでも「僕はスタンリー・キューブリックなんだ、うふ」といえば
「マジで!?」とあっさり騙される方々。
舞台は1990年代なので、ネットもあったはずだし、
いやいや、たとえネットなんかなくても
1990年代当時、極東の国に暮らす小僧の僕ですら
「スクリーン」や「ロードショー」をみて
キューブリックの風貌くらいは知っていたわけで
そんなに簡単に信じ込めるもんかね? と疑問に思いますが
ま、詐欺に騙されるときというのは
そういうものかもしれません。

アラン・コンウェイは、言葉巧みに(そんなに巧みでもないけど)
相手の虚栄心につけ込むのですが
騙される相手は、
ことごとく自分に千載一遇のチャンスが舞い込んだと思っているので
キューブリックと名乗る男が本物かどうかを
疑おうともしません。
詐欺の可能性を疑うということは
自分の否を認めることにもなるので
少々の疑念は自分自身で好意的に補完してしまう……というのが
詐欺の被害に合う人の共通点ではないでしょうか。
騙されたとわかった人ですら、
自分の恥をさらされたくないがために
被害の証人になろうとしないのです。

「仕事以外では自宅を一歩も出ない引篭もり人生」(wikipediaより)
とまで言われた本物とうってかわって
社交的(?)な偽キューブリック。
当然、金はないしカードなんて作れないのですが
このあたりには、カードの名前で店員に気付かれないように
いつも現金で買い物をしていた
という本物の逸話が
活かされているのかもしれません。
とにかく、嘘をつくときは
できるだけ大風呂敷を広げたほうが効果的だというのは
万国共通のようですな。

とうとうシッポをつかまれたアラン・コンウェイでしたが
精神病だと判定されて実刑を逃れ、医者まで騙した挙げ句に
アル中セレブ御用達の「リミニ・クリニック」
治療とは名ばかりの優雅な暮らしを手に入れます。
最後の最後まで、アラン・コンウェイの心の闇が描かれることはなく、
ぺろっと舌を出すような結末に到ったのは
いまいち腑に落ちないところではありますが
この作品で描こうとしているのは、詐欺師の心理ではなく
詐欺の被害者の心理だと考えれば
納得がいかないわけではありません。
さりとて、不十分な感は否めませんが。

ケン・ラッセル監督などなどがカメオ出演していたり、
キューブリック作品の音楽がいたるところに使われていたりするものの、
映像的にはさほどキューブリックっぽさを感じることはないし、
ストーリー展開にもダイナミックさはなく、
ブライアン・クック監督が
キューブリックの助監督を務めていたというわりには
巨匠への偏愛ぶりが中途半端に感じました。
キューブリックを名乗る詐欺師を描くのであれば
演出や映像、編集の全てを偽キューブリックに徹してくれれば
もっと楽しめたかもな、てな作品でした。

マルコヴィッチありきで、どうぞ。





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