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グランド・ブダペスト・ホテル

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(原題: The Grand Budapest Hotel 2014年/アメリカ 100分)
監督・脚本/ウェス・アンダーソン 原案/ウェス・アンダーソン、ヒューゴ・ギネス 撮影/ロバート・イェーマン 美術/アダム・ストックハウゼン 衣装/ミレーナ・カノネロ 編集/バーニー・ピリング 音楽/アレクサンドル・デプラ
出演/レイフ・ファインズ、F・マーレイ・エイブラハム、マチュー・アマルリック、エイドリアン・ブロディ、ウィレム・デフォー、ジェフ・ゴールドブラム、ハーベイ・カイテル、ジュード・ロウ、ビル・マーレイ、エドワード・ノートン、シアーシャ・ローナン、ジェイソン・シュワルツマン、レア・セドゥー、ティルダ・スウィントン、トム・ウィルキンソン、オーウェン・ウィルソン、トニー・レボロリ

概要とあらすじ
「ムーンライズ・キングダム」「ダージリン急行」のウェス・アンダーソン監督が、高級ホテルのコンシェルジュとベルボーイが繰り広げる冒険を、名優レイフ・ファインズを筆頭にオールスターキャストで描いた。ヨーロッパ随一の高級ホテル「グランド・ブダペスト・ホテル」を取り仕切り、伝説のコンシェルジュと呼ばれるグスタヴ・Hは、究極のおもてなしを信条とし、宿泊客のマダムたちの夜のお相手もこなしていた。ホテルには彼を目当てに多くの客が訪れるが、ある夜、長年懇意にしていたマダムDが何者かに殺害されてしまう。マダムDの遺産をめぐる騒動に巻き込まれたグスタヴ・Hは、ホテルの威信を守るため、信頼するベルボーイのゼロ・ムスタファを伴い、ヨーロッパを駆けめぐる。(映画.comより



かわいいもの好きが見せた真顔

学生時代、英語の成績は悪いほうではなかったのですが
英語のセリフを聞き取れるほど英会話の能力はありません。
6年間も英語の授業を受けたにもかかわらず英会話ができないのは、
日本の英語教育の問題なのか
はたまた自分の怠慢のせいなのかはさておき、
『グランド・ブダペスト・ホテル』のような作品を観ると
もうすこし英語が理解できれば、もっと映画を楽しめるのになあと
自分にがっかりしてしまいます。

ピンク色の装幀の
「グランド・ブダペスト・ホテル」という本を手にした女の子が
その著者である作家の墓を訪れるシーンから始まり、
その作家が若かりし頃、
グランド・ブダペスト・ホテルに滞在したときの思い出を語り、
その若き作家(ジュード・ロウ)が興味を持った
ホテルのオーナー(F・マーレイ・エイブラハム)
自分の半生を語るというモノローグの多重構造になっているこの作品は
とくに序盤で、大量のセリフによって状況が説明されます。
英語力のない僕のようなものは
字幕を追いかけて設定を理解するのに精一杯になってしまい、
自分の無能を呪うことになるのです。
この作品では、いたるところご丁寧に
その場所の名前が書いてあったりするので、
その都度字幕にもその文字の翻訳が出てくるのですが
車の屋根のうえにある「TAXI」というランプに
「タクシー」と字幕が出たのはズッコケました。
タクシーぐらい、わかるよバカヤロ—!!

ウェス・アンダーソン監督おなじみの
カメラ横移動や箱庭的なビジュアルは健在で
さらにこの作品ではシーンの時代によって
スクリーンサイズを変える
という凝ったことまでしているのですが
そのようなビジュアル的な特徴はそのままに
ヨーロッパの暗い歴史に触れざるを得なかったところが
これまでのポップな作品群と一線を画しているように思います。
それでも、ヨーロッパの悲劇を前面に打ち出すのではなく
コントロールされた構図や色彩による
いつものオフビートな演出の裏に
暗い歴史を臭わせる程度に留めていますが
さらにはサスペンスの要素も盛り込まれているのが秀逸です。
グランド・ブダペスト・ホテルの外観や
監獄から脱走したグスタヴ(レイフ・ファインズ)
ゼロ(トニー・レボロリ)
秘密のコンシェルジュ友愛会「クロスト・キーズ協会」の手を借りて
逃げた雪山でのチェイシングのシーンなどのほとんどは
精巧なCGで作られていますが
しっかりとスリルを感じさせながら
敢えてわざとらしさも残しているところが見事でした。

よく「お菓子細工のような」と評される作品ですが
窓から猫を放り投げたり、指を切断したり、首チョンパがあったりと
ところどころに血なまぐさいシーンがあり、
「甘くないスイーツ」となっております。
ところで、なんですか?
あの、菓子喰って「甘くな〜い」っていうやつは。
甘いもん喰いたくて菓子喰ってんじゃねえのかよ。
……完全に話が逸れましたな。
とくにホテル内での突然の銃撃戦は迫力満点でした。

ゼロと名づけられた少年
最終的には文字通りゼロから大富豪となるのですが
なにも持たないペーペーのゼロと
師匠であるコンシェルジュのグスタヴのコンビが
徐々に立場や年齢を超えた友情を育んでいく過程が
ひとつの軸になっています。
グスタヴはこだわりが強く、仕事に誇りを持ち、
周囲に対しても厳しい態度を示すものの
単純に好事家なだけで差別的な意識はなく、
ゼロのほうもグスタヴの要求に応えようと
一生懸命なところがほほえましい。
ゼロの恋人、アガサ(シアーシャ・ローナン)
顔に「魅力的なアザ」があるというのも
可愛さをさらに引き立てるし、
そんなアザなど意に介さないように
アガサを口説こうとするグスタヴの態度とフラットな審美眼が
愛情たっぷりに描かれています。

アンダーソン印の豪華キャストが続々登場していますが
『アデル、ブルーは熱い色』のアデルじゃないほうの
レア・セドゥーがメイド役で出てきたのを見つけたときは
おっ!となりました。まさに今が旬ですね。
そのかわり、がっつり顔を見せているハーベイ・カイテルには
全く気がつきませんでしたが……

この作品は、シュテファン・ツヴァイクという作家に捧げたそうですが
僕なんぞが知る由もなく、
詳しいことは↓の町山智浩氏の解説をお聴きください。

エンドロールにはスクリーンの隅っこにかわいいアニメが。
こいつ、ほんとにかわいい物好きだな。




↓映画の裏に隠された真実が聞けます。



↓やっぱ映画作りってすごいねっていう動画。消されちゃうかも。




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コメント

毎回楽しく拝見させていただいてます。これ気になっていた作品なので嬉しくてコメントしてしまいました!

2014/06/29 (日) 20:42:27 | URL | あっちゃん #- [ 編集 ]

Re: タイトルなし

> あっちゃんさん
コメントありがとうございます! 面白かったですよ〜。ぜひぜひ!
今後ともよろしくお願いいたします。

2014/06/29 (日) 21:27:28 | URL | のほうず #- [ 編集 ]

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