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(原題:388 Arletta Avenue 2011年 87分)
監督/ランドール・コール 製作総指揮/ビンチェンゾ・ナタリ 脚本/ランドール・コール 撮影/ギャビン・スミス 編集/キャシー・ウェインカウフ
出演/ニック・スタール、ミア・カーシュナー、デボン・サワ、シャーロット・サリバン、クリスタ・ブリッジス

概要とあらすじ
「CUBE」のビンジェンゾ・ナタリが製作総指揮を務めた不条理サスペンス。トロントの高級住宅街アレッタ通り388番地の一軒家で、幸せな生活を送っていた若い夫婦のジェームズとエイミー。しかし、ささいな言い争いがきっかけで、エイミーが「頭を冷やしたい」という書き置きを残して姿を消してしまう。その日から残されたジェームズの周囲で不審な出来事が続発し、ジェームズの精神的に追いつめられていく。そしてある日、憔悴しきったジェームズが帰宅すると、パソコンの電源がついており、画面には拘束されたエイミーの姿が映し出されていた。主演は「ターミネーター3」のニック・スタールと、「ブラック・ダリア」のミア・カーシュナー。(映画.comより



主人公の一人相撲、だな。

『CUBE』が好きなもんですから
ビンジェンゾ・ナタリが製作総指揮と聞いて
期待を込めて手を伸ばした『388』
シチュエーション・スリラーってのは
セットにしろロケにしろ、基本的には限定された場所で物語が進行するので
優れたアイデアさえあれば、
低予算でも十分に面白い作品が作れるのが魅力です。
裏を返せば、アイデアが優れていなければ
ただこぢんまりとした作品になってしまうもの。

『388』はシチュエーション・スリラーといっても
ひとつの場所だけで物語が展開する密室劇ではなく、
主人公のジェームズ(ニック・スタール)が置かれた状況が
密室的といえるのかも知れません。
また、隠しカメラによる映像はファウンド・フッテージものの要素のほうが
強いといえるでしょうか。

全編が隠しカメラによると思われる映像で構成され、
(隠しカメラの存在が疑問に思えるシーンもあったけど)
シーンを盛り上げるような劇判は一切ありません。
不意に鳴り始めるPCやCDの音楽がそのかわりといったところでしょうが
物語が大きく動き始めるまでの前半は
ホームビデオを見ているような感覚にもなり、
それなりの集中力が必要になってきます。
簡単に言うと、退屈。
その前半をなんとか乗り越えると、少しずつジェームスが精神に異常を来し、
物語が転がり始めます。

全編を隠しカメラの映像で通すというアイデアは
現代の監視社会やネットの恐怖に着想しているのかどうかわかりませんが
社会的なメッセージはほとんど感じません。
だからといって、そのこと自体に問題があるわけではないのですが
全編隠しカメラの映像を見ているということは
犯人と同じ立場で映像を見ていることを意識せざるを得ないわけで
そのようにメタな観察者としての立場で作品を観ていると
事態の変化に右往左往するジェームズに感情移入するのは
難しくなってきます。

できることなら作品の構造自体を覆して
観客にあっと言わせてほしいところですが
最後の最後までこの構造は変わりません。
あたかも神のような存在の犯人の意向に合わせるように
登場人物たちは都合よく行動するのです。
妻のエイミー(ミア・カーシュナー)を捜すジェームズは
とにかく自分勝手な思い込みだけで行動するし、
エイミーの姉も同様に自分勝手にジェームズを疑います。
警官が現れるシーンでも、誰一人として
ことの経緯を順を追って理解しようとしない
のは
いかがなものか。
たとえば、郵便受けに血のついた包丁と切り取られた猫の頭が入っていたら
その状態のままにして警察に通報すればいいのに
わざわざ取り出して、猫の頭を冷蔵庫に入れたりするのです。
ていうか、さんざん勝手に家に入られてるのだから
とりあえずカギを付け替えませんか?
要するに、登場人物たちが観客より馬鹿なので
しらけてしまうのです。

そして何度もいうように、
全編通して監視カメラ風のメタな映像にもかかわらず
最後で盗撮コレクションを棚にしまう犯人の映像が出てきます。
……これは一体、だれの目線なんだよ!
盗撮ビデオを鑑賞する自分を撮影している犯人?てくらいしか
言い逃れが見つかりませんが、キビシイねえ。
ここまで目線にこだわってきたはずなのに
最後でほころびが出たという印象です。

タイトルにある「388」は単純に住所を表す番地の数字であって
それは不特定で無差別なサイコの犯行だということを表していて
そのランダム感が怖がるポイントなのかもしれませんが
アイデアありきで辻褄をないがしろにしちゃあ、
ピンとこないよ。





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