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悪の法則

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(原題: The Counselor 2013年/アメリカ 118分)
監督/リドリー・スコット 脚本/コーマック・マッカーシー 撮影/ダリウス・ウォルスキー 美術/アーサー・マックス 衣装/ジャンティ・イェーツ 編集/ピエトロ・スカリア 音楽/ダニエル・ペンバートン
出演/マイケル・ファスベンダー、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、ハビエル・バルデム、ブラッド・ピット、ブルーノ・ガンツ、パリス・ジェファーソン、ロージー・ペレス

概要とあらすじ
米カリフォルニアを舞台に欲望にまみれたセレブリティたちが危険な罠に落ちていく姿を、巨匠リドリー・スコットのメガホンで描いたサスペンス。脚本を「ノーカントリー」で知られるピュリッツァー賞作家のコーマック・マッカーシーが書き下ろしたオリジナル作品。若くハンサムで有能な弁護士(カウンセラー)が、美しいフィアンセとの輝かしい未来のため、出来心から裏社会のビジネスに手を染める。そのことをきっかけに周囲のセレブたちにも危険な事態が及び、虚飾に満ちた彼らの日常が揺るがされていく。主人公の弁護士にマイケル・ファスベンダーほか、ペネロペ・クルス、キャメロン・ディアス、ハビエル・バルデム、ブラッド・ピットが出演。(映画.comより



ベストなどない、あるのはベターのみ

映画館での鑑賞が叶わなかったので
DVD待ちになっていた『悪の法則』
TSUTAYAでは大量に用意されたDVDは軒並み貸出中で
僕が借りたときには残り2枚になっていました。
おそらくは、大スターの共演と
セクシー描写が多そうなビジュアルに惹かれて
我先にとDVDを手にした人が大半だと思うのです。
だって、どう考えても一般的な人気を博すような
作品じゃないもの。
まさに、浅ましい欲にかられたんじゃないのかい?
いまさら後悔したって、後戻りできないぜ。

それほど、この作品にはわかりやすいクライマックスがないし、
哲学的(?)ともいえるセリフの応酬は
この作品を観た誰もがいうように難解で
観客をもてなしてくれるような作品ではありません。

カウンセラーと呼ばれる弁護士のマイケル・ファスベンダーを中心に
ライナー(ハビエル・バルデム)
ウェストリー(ブラッド・ピット)たちの関係性が説明されることはありません。
カウンセラーは弁護士だと、はっきりしているのですが
ライナーとウェストリーは、ロクでもなさそうだけど
実際にはどういう仕事をしているのか
役割がはっきりとは描かれないのです。
ただなにかしら、つるんで悪さをしようとしているのはわかります。
カウンセラーの婚約者ローラ(ペネロペ・クルス)
ライナーの恋人マルキナ(キャメロン・ディアス)
その男たちの周辺にいるという構図です。

最初から最後まで、思わせぶりな会話劇が続くのですが
あとから考えると、かなり示唆的なセリフが
散りばめられています。
カウンセラーがローラに求婚するために、かなり無理をして
高額なダイヤの婚約指輪を購入するシーンの
ブルーノ・ガンツが語るダイヤモンドうんちく
どれくらい品質がいいかではなく、どれくらいマシかを考えるというセリフは
その後のカウンセラーに対する警告でもあり、
人生そのものに対する教訓のようにも感じます。

ライナーとウェストリーが
カウンセラーと組むことでなにを求めていたのかわかりませんが
ふたりはことごとく、カウンセラーに対して
一度仲間に加わったら後戻りはできないと念を押しています。

それでも、ローラとの幸せな生活を夢想して
悪に手を染めたカウンセラーは呑気としかいいようがありません。

唯一、すべてにおいて達観しているかのようなマルキナですが
ローラとマルキナがプールサイドで寝そべっているシーンで
マルキナがローラの婚約指輪を見せてくれといい、
ダイヤのカットのタイプやカラットまで言い当てて
さらには、その指輪を自分の薬指にはめてしまうのが圧巻です。
マルキナにとって、ダイヤの婚約指輪は
価値はあっても意味はないのです。


バイカー首チョンパシーンで暴力が露わになりますが
その方法はかなり回りくどく、それほど成功率も高くなさそうだけれど
殺し方のアイデアそのものと
仕掛けを準備する男の淡々とした姿にこそ意図があるのでしょう。
この作品は、『ノーカントリー』の原作者でもある
コーマック・マッカーシーの書き下ろし脚本ということですが
恐ろしいことそのものよりも、
これから恐ろしいことが行なわれようとしているときの
じつに嫌な恐怖と緊張感は共通しているのではないでしょうか。
『ノーカントリー』でも、酸素ボンベという
恐ろしくも斬新な凶器が登場しましたが
難解な会話劇が繰り広げられながらも
バイカー首チョンパやフロントガラスの上での開脚オナニー、
チーターや絶対に外せない恐怖のゼンマイ
など、
観た人の記憶に必ずや残るであろうアイデアが光ります。

愛するローラが誘拐されても、助けに行くどころか
自分の身を守ることで精一杯のカウンセラーのもとに届いたCD-Rは
いわずもがな、ローラを拷問する映像が収録されているはずで
「HOLA!(やぁ!)」というラベルの文字の呑気さが恐ろしい。
組織の裏切り者を拷問している映像を
見せしめとしてネットにアップしたりということは
実際にも行なわれているそうですから
とにかく係わりたくない相手ですな。
ネットを探せばそんな映像が見られるかもしれませんよ。
見なくていいか……

いまいち、なにをどうしくじって
それがどれほど大変なことなのかというのがわからず、
ま、描写するつもりもないんでしょうけど
とにかく、すべてマルキナの仕業だったということが判明。
最後はマルキナも殺されて……というほうが
世界全体を覆う無常観がでたような気もしますが
マルキナが憎たらしく生き延びるというのも
嫌な終わり方で、これもよし。

何度も見返すと、その都度発見がありそうな作品です。





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