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ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!

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(原題: The World's End 2013年/イギリス 108分)
監督/エドガー・ライト 脚本/サイモン・ペッグ、エドガー・ライト 撮影/ビル・ポープ 美術/マーカス・ローランド 編集/ポール・マクリス 音楽/スティーブン・プライス
出演/サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、パディ・コンシダイン、マーティン・フリーマン、エディ・マーサン、ロザムンド・パイク、ピアース・ブロスナン、デビッド・ブラッドリー、ビル・ナイ

概要とあらすじ
「ショーン・オブ・ザ・デッド」(2004)、「ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!」(07)のエドガー・ライト監督と主演サイモン・ペッグ&ニック・フロストのトリオが、母国イギリスを舞台に描くSFコメディ。20年前、一晩で12軒のパブをめぐる「ゴールデン・マイル」に失敗したことが忘れられないゲイリーは、再挑戦するために当時の仲間アンディら4人を集め、故郷ニュートンヘイブンに舞い戻る。やがて5人は、町の人々の様子がおかしいことに気づくが、戸惑いながらもひたすら12軒目のパブ「ワールズ・エンド」を目指して飲み続ける。(映画.comより



日本のスタバは全部加賀屋にしろ!

ずっと前から公開を楽しみにしていた
おなじみイギリス・トリオの最新作、
『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』
あたかも義務のように買い込んだビールを飲みながら
駄文を弄しているのです。

それにしても疲れる映画でした。面白かったけど。
冒頭から小刻みでハイテンポな編集で
次から次へと設定を説明するのは致し方ないとしても
今までの2作以上に、
全編を通してサイモン・ペッグがセリフをまくし立てるし
そのセリフがいちいちギャグだったり、伏線だったりして
字幕を追っかけているだけでも忙しいし、
どうってことないシーンでも
なにかのパロディかも知れないぞなんて考えていると
ちっとも気が抜けず、かなりの集中力が必要なのです。

さらには、パブをはしごする「ゴールデン・マイル」を遂行中の
高校時代のメンバーが残りのふたりになるシーンになったと思うと
遅れて入場してきたやつが目の前を横切ったせいで
「ゴールデン・マイル」が失敗に終わった理由が
よくわからないという始末。
(しかも、そいつは僕の席と同じ列ですらなかった!)
じつはこのとき、後半の展開の伏線となる流れ星が
夜空を横切っていた
ことは、あとになって知ったのです……

ずっと大人になりきれない中年を演じてきたサイモン・ペッグのなかでも
今回のゲイリー・キング役は一番のクズです。
また、ゲイリーのだめっぷりを引き立てるように
ほかのメンバーたちは
不動産屋に自動車ディーラー、法律事務所に建設会社と
いかにも社会的な成功を勝ち取っているかのような
いけ好かない職業なのです。
突然現れたゲイリーの
「ゴールデン・マイル」を再現しようという強引な誘いを
相手にしないやつがひとりくらいはいてもおかしくないと思うのですが
とにかくみんなしぶしぶながらゲイリーに従うのです。

前半のまま物語が進めば、
ほんのりハートフルな作品になりそうな雰囲気でしたが
突然の青い血液(?)のロボット登場で、SFへと急展開!
予備知識として、こういう展開になることは知っていたものの
便器に倒れ込んだ少年(=ロボット)の頭が飛ぶシーンの
唐突さと編集のキレが最高です。
そして怒濤の格闘シーンへ。
この作品の格闘シーンがどこかカンフー・アクションっぽいのは
アクションを指導したのがブラッド・アランという
ジャッキー・チェン作品にも出演しているお方だからだとか。
これぞ、まさに『酔拳』!

『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ』同様に
この作品もいろんな映画のパロディがてんこ盛りです。
てんこ盛りです、って言ったってね
僕が気づいたのは、ロボットじゃない証拠を見せろとやりあうシーンが
『遊星からの物体X』だな〜くらいのことなので
映画秘宝2014年5月号から備忘録がてらに引用すると
設定の原点は『ボディ・スナッチャー/恐怖の街(1956)』
ロボットたちの目が光るのは『未知空間の恐怖/光る眼(1960)』
ロボットの頭が空っぽなのは『ステップフォードの妻たち(1975)』
暴れ出す現代美術は『地球の制止する日(1951)』
ゲイリーが楽しみたいんだと叫ぶのは『ワイルド・エンジェル(1966)』
ポスターのビジュアルなどは『エンド・オブ・ザ・ワールド(1977)』
その他、まだまだ多数あり。……ワカルワケ、ナイジャン……

そもそもこの作品自体がアーサー王の物語
はしごするパブが12軒なのも、アーサー王が生涯で戦った数と同じで、
ゲイリーがキングなのもそのせいなのです。
仲間たちそれぞれの名前も
ナイトリー(ニック・フロスト)=騎士、
プリンス(パディ・コンシダイン)=王子、
ペイジ(エディ・マーサン)=騎士見習い、
チェンバレン(ロザムンド・パイク)=侍従と
王家にまつわるものばかり。
そして、最後のパブ「ワールド・エンド」の
円卓に用意されていた一杯は、聖杯。

意味ありげなパブの店名にもそれぞれしっかりと意味があって
そこで起こる出来事を示唆していたり、
これでもかとばかりに練りに練られているのです。

このような元ネタや裏設定がつぶさに理解できれば
それはさぞかし楽しいんでしょうが
理解できなかったとしても楽しめるのが
エドガー・ライト監督作品の凄いところだと思うのです。
わかる人にしかわからないようなネタを大量に盛り込みながらも
アクションはちゃんと激しく爽快だし、
グッとくるシーンはちゃんとグッとくるように作るのは
並大抵のことではないと思います。
(ロボットたちの身体が思いのほか脆いのは気にするな)
予備知識がなくとも、
「俺たちは五銃士だ!」「それ、三銃士だろ?」
みたいなやりとりがしっかり伏線となっていて
最後にはちゃんと三銃士となったりする脚本の妙は
十分に感じ取れるのではないでしょうか。
また最後に残った3人が3人とも独り者なのも
いいじゃありませんか。

やたらと引き合いに出される「スタバ」に代表されるように
どこもかしこも、どいつもこいつも
同じように「グローバル化」されていくことへの批判は痛快!
スタバのわけのわからないサイズ表記は
自分たちの身勝手なスタンダードを押し付ける傲慢な侵略行為で
植民地の住民に母国語を強要するのと同じなのです。
(言いきってやったぞ! スタバ、全然行かないけど)
そのように一般的には通用しない用語をわざわざ使わせることで
それを知っている客に浅ましいステータスと高揚感を植え付けるのです。
当然、そんなやつらの頭は「空っぽ」なのです。

また、最後に登場する「ネットワーク」
おそらくはインターネットやSNSを揶揄していると思われ、
「友好的に話し合いたいだけなんだ」というのは
恐るべき同調圧力にほかならないし、
「自ら友好を望み出たものには特典がある」というのは
まるっきり地上げ屋の論調でしょう。

『ショーン・オブ・ザ・デッド』『ホット・ファズ』と合わせて
「コルネ三部作」と呼ばれるこの作品。
コルネはコーン付きアイスクリームのことですが
ビールばかり飲んでいるこの作品のどこで出てくるのかと思っていたら
最後に、フェンスに張り付くニック・フロストの目の前で
ちらっと包み紙が飛んできましたね。
ま、一回観たくらいでは語り尽くせないような作品でした。

スタバのサイズをすんなり言えて、したり顔の「空っぽ」は
ホッピーの焼酎だけをおかわりをするときになんていうか、
知ってるんだろうな……
教えてやらないよ。



↓限定公開だそうで、そのうち消えちゃうかも。




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