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トランス

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(原題:Trance 2013年/アメリカ・イギリス合作 101分)
監督/ダニー・ボイル 脚本/ジョー・アハーン、ジョン・ホッジ 撮影/アンソニー・ドッド・マントル 美術/マーク・ティルデスリー 衣装/スティラット・ラーラーブ 編集/ジョン・ハリス 音楽/リック・スミス
出演/ジェームズ・マカボイ、ロザリオ・ドーソン、バンサン・カッセル、ダニー・スパーニ、マット・クロス、ワハブ・シェイク、タペンス・ミドルトン

概要とあらすじ
「スラムドッグ$ミリオネア」「127時間」のダニー・ボイル監督が、「X-MEN:ファースト・ジェネレーション」のジェームズ・マカボイを主演に迎え、記憶を失った男の潜在意識から消えた絵画を探しだす様子を、スタイリッシュな映像と音楽で彩り描くサスペンス。競売人(オークショナー)のサイモンは、ギャングと結託してオークション会場からゴヤの名画「魔女たちの飛翔」を盗み出すが、計画とは違う行動をとったためギャングのリーダーに殴られ、その衝撃で記憶が消えてしまう。ギャングのリーダーは催眠療法(トランス)を使い、サイモンが隠した絵画の場所を探ろうとするが、サイモンの記憶にはいくつもの異なるストーリーが存在し、探れば探るほど危険な領域に引きずり込まれていく。共演にバンサン・カッセル、ロザリオ・ドーソン。脚本には、「シャロウ・グレイブ」や「トレインスポッティング」といったボイル監督の初期作品も執筆したジョン・ホッジが参加している。(映画.comより



忘れるって、素晴らしいよね

ダニー・ボイル監督と言えば、
『スラムドッグ$ミリオネア(2008)』は面白かったけど
『28日後…(2002)』あたりはイマイチで
もっと遡れば『トレインスポッティング(1996)』は大嫌いだったということを
『トランス』を観終わってから思い出しました。
そんな性に合わない監督の作品をなんで観たのかといわれれば
この作品の監督のことが頭になかったからです。おほほ。

さあ、それではまずこの物語の設定を紹介しますからね〜〜!
とでも言わんばかりに怒濤の説明シーンから始まり、
バックに流れる超ダサくてうるさいだけの劇判に、
冒頭からなんだか安っぽいサスペンスだなあと意気消沈。
昔は、オークション中の名画を強盗するのは
腕っ節と度胸さえあれば簡単だったけど
今となっては警備は万全ですよというわりには現在もユルユルで
いかにもペーペーのサイモン(ジェームズ・マカボイ)
なんの役にも立たないボディガード2人を連れて
最後の重要な役割を担っているのも不自然だし、
外で待機している警官隊がバンの後ろのドアをふさがれたから
車外に出られないというのも、バンをちょっと前に移動すれば済む話だし、
物語の前振りだから力が入っていないとしても
いろいろと都合がよすぎて、ガッカリなのです。

ま、ともかくサイモンは
フランク(バンサン・カッセル)率いる強盗団の手先として
オークションに職員として忍び込んでいたわけですが
絵画を独り占めしようとするものの、
フランクに頭を殴られたことで記憶喪失になり、
盗んだ絵画がどこにあるか思い出せない、と。
拷問しても思い出せないものは仕方がないから
じゃあセラピーだということで、
セラピストのエリザベス(ロザリオ・ドーソン)
催眠治療を受けることに……

そこからは、現実の世界と催眠治療中の幻想の世界とが
入り乱れながら進んでいくのですが
その交錯の仕方にいまひとつ驚きがない。
サイモンの初セラピーの後、
ネットでサイモンの記事を見つけたエリザベスが涙したり、
サイモンが「ストーカーみたいだね」と言ってみたり、
結末に繫がるような伏線は散りばめてあるのですが
なんと、そういうことだったのか! という驚きがないのです。
現実と幻想の世界は、わりとわかりやすく構成されていますが
そのわかりやすさが魅力を損なうことにしか作用せず、
混乱しているのは登場人物ばかりで
観客に一杯喰わせてやろうという企みすら感じません。

自分から強盗団の一員に入れろと言ってきたエリザベスは
最も裏がなさそうな感じがかえって裏がありそうに見えるので
彼女こそ観客をあっと言わせるのに最適な人物なはずですが
最後まで観ても、それほど予想を裏切ってはくれません。
観客をあっと言わせたのはパイパンくらいでしょうか。
劇場公開時にはエリザベスの股間にボカシが入っていたそうですが
ボカシが入ってると、全く意味がわかりませんな。
(その後の画集をめぐる会話の中でわかるかもしれないけど)
Bru-rayでは、しっかりと生キャメル・トゥーが映っておりましたよ。
あ、ちなみに僕もパイパンが好きです。
(聞いてませんか、そうですか)

とにかく、すべての真相を知っているのは
パイパンエリザベスだけなのですが
フランクを誘惑し(?)関係を持ってまで
彼を利用する目的がよくわかりませんでした。
最後の最後にエリザベスは、フランクが閉じ込められた燃える車を
トラックで海に突き落とすのですが
たしかに火は消えたかも知れないけれど
助けるつもりがあったとは到底思えず
倒錯の世界とは最も遠い場所にいるはずのエリザベスの行動が
もっとも不可解だった
のはいかがなものか。

ラストで、フランクにipadを送りつけたエリザベス。
全画面動画でフランクに引導を渡すのですが
どこにいるのか知らないけれど、
盗んだ絵画を部屋に飾っても一銭にもならないのに、
立派なオフィスでやってたカウンセラーの仕事は辞めちゃったてこと?
そして、「Trance」と書かれたアイコンだかアプリだかが現れて
フランクにそれを押すかどうかと尋ねるのですが
そのインタラクティブな動画はあんたが作ったのかい?
ipadだから、FLASHじゃないしねえ……
そもそもipadを本体ごと送らなくても
画像をアップしたURLのメモを送ればいいのに。

なんだかITツールがいっぱい登場するわりには
技術的なことはあんまりわかってなさそうな気がします。

何に焦点を当てて観ればいいのか、さっぱりわからない作品でした。
「自分にとって秘密にしたいこと、それが忘れるということ」
というセリフは、うまいこと言うなと思いましたけど
しばらくしたら、この映画を観たことは
すっかり忘れてしまいそうです。たぶん、忘れるでしょう。





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