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ザ・ウォード 監禁病棟

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(原題:The Ward 2011年/アメリカ 89分)
監督/ジョン・カーペンター 脚本/マイケル・ラスムッセン、ショーン・ラスムッセン 撮影/ヤーロン・オーバック 美術/ポール・ピーターズ 編集/パトリック・マクマホン 音楽/マーク・キリアン
出演/アンバー・ハード、メイミー・ガマー、ダニエル・パナベイカー、ローラ=リー、リンジー・フォンセカ、ミカ・ブーレム、ジャレッド・ハリス

概要とあらすじ
鬼才ジョン・カーペンターが「ゴースト・オブ・マーズ」(2001)以来、約10年ぶりに長編劇場映画のメガホンをとったサイコホラー。20歳の少女クリステンは、身に覚えのない放火の罪で精神病院に収容されてしまう。病棟には精神状態に問題を抱えた同年代の少女ばかりが隔離されており、クリステンは彼女らとは違うと自負していたが、担当医との面接で自分の名前以外の一切の記憶を失っていることに気づく。さらにその夜、廊下を歩く奇妙な女性を目撃したことから事態はさらに混迷していき……。(映画.comより)http://eiga.com/movie/56387/



だまされちゃって、気持ちいい〜

名匠ジョン・カーペンター監督の
『ザ・ウォード 監禁病棟』
でございます。
そろそろ70歳になろうかというのに
感動大作のような方向に行く気配が一切ないのが
とにかく素晴らしい。
歳をとると丸くなるなんていいますが、
あれは周囲が丸くさせてるんですよ。
老人だからといって自分から大人しくする必要などないのです。
体力さえあれば。

下着姿で逃げ惑う女性。
どうやら警察が彼女のことを探しているようです。
一軒の農家にたどり着いた彼女は、
カーテンに火をつけ、燃え落ちる家を呆然と眺めているところを
警官たちに捕らえられます。

そして収容されたのは刑務所ではなく、精神病院。
この時点では、彼女が他人の家に放火してしまうような
精神異常者なんだと認識するほかないのですが
その彼女・クリステン(アンバー・ハード)
いかにも聡明そうな美女なのです。
監禁病棟に送り込まれたクリステンのほかには
同じように入院している女性が4人いますが
クリステンはあきらかに正気のようで、
何かの間違いで精神病院に入れられたようにしか見えません。

また、病院側の看護師たちも
「おれはお前の敵にも友達にもなれる」
いかにも夜な夜な患者をレイプしてそうな男性看護師や
いかにもいけ好かないやぶにらみの婦長らしき看護婦が登場して
この人たちが悪者ですといわんばかりです。
唯一、院長らしき男性が物わかりの良さそうな態度をみせるものの
その物わかりのようさそうな感じが
逆に猜疑心を生んで、どうせロクな奴ではないと思えるのです。

もちろん、このようなあからさまな仕掛けは
訳あってのことなのですが
このような精神病院ものが面白いのは
登場人物が自分は正気だと訴えれば訴えるほど
正気に見えなくなる
ところです。
もしこれが現実だったら、
いや現実にもあるのかもしれないけど
本当に恐ろしいし、
どうせ何を言っても真に受けてもらえないんなら
この状態でうまくやろうと考えるのも、わからないではありません。
(あれ? 現実の愚痴みたいになってる気が……)

とはいえ、冒頭でクリステンが農家に火をつけるのを見ているので
クリステンにいくら肩入れしようとも
こいつもなんか問題があるんだろうなという考えが
頭から消えないのです。
そして、ほかの入院患者たちも
なにかしら問題があって精神病院に入院しているはずですが
彼女たちの症状や病名がはっきりとしないのもミソなのです。

ホラー映画としての面白味は、基本的に脅かし系で
絶妙に気を抜いたところで、わあ!と驚かせてくれるのですが
全体的には観客の先入観と理解力を試すような
じっくり見せるミステリーになっています。
患者たちがひとりまたひとりと、殺されていくのは
悪霊の呪いなのか、はたまた狂気に満ちた病院側の仕業なのか
はっきりしないまま、答えが引き伸ばされるのですが
クリステンの行動は、反骨のアクションヒロインそのものなので
喉にひっかかった小骨が気になりつつ、
これ、おいしいね、なんていっているような感じで
もう、最高なのです。

ずっとぬいぐるみを抱いてる女が最後に残ったのは怪しいぞとか
登場人物の誰も信用できずに、いろいろ推理しながら観ていくと
最後に、ああ、そうきたか、そういうやつか……
と、騙された喜びに浸ることを請け合いです。
これは、ネタバレすると楽しさが半減するタイプの作品なので
奥ゆかしく、ここでは何ももうしません。

ただね。
僕は、この結末を知った瞬間から
「あれ? この感じ! 絶対になんかで観たことある!」
と、脳の記憶を司る部位がめずらしく反応したのですが
ぼんやりとシーンの残像が蘇るものの、
ぜんぜん映画の全貌もタイトルも思い出せないのです。
あ〜、ダメだ! 思い出せない!
でも、僕は本当に観たんです!! なんで信じてくれないの??
僕は狂ってなんかないよ! 僕は正気なんだ!!

……って具合に文章を締めようと思っていたら
思い出しちゃったよ。
その作品は『アイデン&ティティ』でした。

絶妙に間違っているような気がするけど。





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