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ハハハ

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(原題:Hahaha 2010年/韓国 116分)
監督・脚本/ホン・サンス 撮影/キム・ヒョング 編集/ハム・ソンウォン
出演/キム・サンギョン、ムン・ソリ、ユ・ジュンサン、キム・ガンウ、イェ・ジウォン

概要とあらすじ
恋する男女の心の機微をウィットに富んだ会話を通して描いた作風で人気を集めるホン・サンス監督が、カンヌ国際映画祭ある視点部門グランプリを獲得したラブストーリー。カナダへの移住を決意した映画監督ムンギョンは、先輩の映画評論家チュンシクと飲むことに。偶然にも同じ時期に港町トンヨンを訪れていた2人は、旅先でのさまざまな出会いや恋をそれぞれ語りはじめる。出演はホン・サンス作品の常連俳優キム・サンギョン、「オアシス」のムン・ソリほか。(映画.comより



ホントによく酒呑むよなあ

『よく知りもしないくせに』と同様、
惹かれるタイトルの『ハハハ』
原題も「Hahaha」なので、笑い声には違いなさそうですが
韓国語では夏=ハだそうで
「夏の笑い話」てなところでしょうか。

偶然出会った、映画監督ムンギョン(キム・サンギョン)
映画評論家チュンシク(ユ・ジュンサン)の男ふたりが
マッコリを飲みながら会話するモノクロのスチール写真に
ナレーションが流れて始まるオープニングは
ボラギノールのCMを一瞬思い出しましたが
ふたりが同時期に滞在していたトンヨンでのいい思い出だけを語り合う
その内容が本編となっているこの作品は
構造的にわかりやすく、
恋愛にまつわる小話が徐々に絡み合い、重なり合いながら
展開していくようになっています。

それぞれのエピソードで登場するのは
ムンギョンとチュンシクに加えて、
チュンシクの友人で詩人のチョンホ(キム・ガンウ)
観光ガイドのソンオク(ムン・ソリ)
最初に、ムンギョンの母親が経営するフグ鍋屋で働く、
いかにも男好きしそうな美人(キム・ミンソン)に
チュンシクが心奪われるような仕草を見せるので
この美人が大きくからんでくるのかと思いきや、そうでもなかった。
(後半で重要な役回りになるけれど)

マッコリを飲み続けるムンギョンとチュンシクは
交互に思い出話をひとつ話し終わるたびに乾杯しては、
また次の話に移るのですが
「いい思い出だけを語ろう」という話の内容と
たびたび登場する「相手のいい面だけをみる」というセリフが
結局、人のことは(とくに男にとって女のことは)
すべてを理解しようとしても到底無理なのだから
それなら「相手のいい面だけを」みるようにしようというのが
『よく知りもしないくせに』の裏返しのようで
興味深いのです。

ムンギョンとチュンシクの思い出話は
当人同士は気がつかないまま、
じつはほぼ同じ登場人物によるエピソードの違う一面を語っていて、
会話が進むごとにそのすれ違いの距離は縮まってきます。
観光ガイドのソンオクに
「あたしのなにがわかるの?」と言われたムンギョンは
「自分の目で見えていることはわかる」と答えるのも
裏を返せば、自分の目で見えていないことはわからないということで
ムンギョンとチュンシクのそれぞれの立場からの話と
話の内容のすれ違いを含めて
自分がわかっているというのは、物事のある一面だけだということを
重ね重ね表現しているように感じました。

それぞれのエピソードはすべて恋愛にまつわるもので
誰しも少なからず経験があるようなものばかりです。
だからといて、既視感を感じないのは
やっぱり、恋愛というものに
いまだ誰も正解を見出せていないからではないでしょうか。
『よく知りもしないくせに』と同じく、
この作品の登場人物たちも、よくタバコを吸うし、よく酒を飲みます。
テーブルに置かれたグリーンの焼酎のビン
なにかの徴のように何度も登場しますが
この作品の酔っぱらった女性達の演技は、みんなエロくて見事です。
ムンギョンが恋に落ちるソンオクは
セリフにもある通り、特別美人ではないけれど
スタイル抜群で、とにかく足がキレイ。
しかも、ちょっと勝ち気な性格がさらにキュートでございます。

家族のいるチュンシクが呼び寄せた愛人のヨンジュ(イェ・ジウォン)
若干やつれているように見えなくもないけれど
やたらと愛情を確認してくるうっとうしさも含めて
愛おしい存在です。
チュンシクが煮え切らない態度をとるせいで、
ちょっとしたことでケンカになるふたりですが
そのまま関係が破綻するではなく、
「あ、クスリ飲む?」「それ嫌いじゃなかったの?」と
なにかを食べ始めるとケンカが収まってしまう
というのは
愛人と言えども、熟練夫婦のようだし
いろんなこと(自分の経験のね)を思い出してしまうような
絶妙なやりとりでした。

最後は、ちょっとやるせないというか
詩人だというクソガキのチャラいチョンホが
喜んで終わるのが癪に障るのですが
またしてもホン・サンス監督が自己投影しているであろう、
映画監督である主人公が
いい思いをして終わるわけにはいかないんでしょうかね。

あいかわらず、男はテロテロのTシャツかポロシャツを着ていましたが
かなりわかりやすい構成で
突飛な演出に戸惑うことなく、
登場人物たちの恋愛模様に感情移入できる作品でした。

やっぱりねえ、全部はわからないよ。人のことは。





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