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拷問の魔人館

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(原題:HOUSE OF WHIPCORD 1974年/イギリス 102分)
監督・製作/ピート・ウォーカー 脚本/デヴィッド・マクギリヴレイ/ピート・ウォーカー 撮影/ピーター・ジェソップ 音楽/スタンリー・マイヤーズ
出演/バーバラ・マーカム、パトリック・バー、レイ・ブルックス、アン・ミッシェル、シーラ・キース、ドロシー・ゴードン

概要とあらすじ
『拷問の魔人館』は、当時話題となっていたトビー・フーパー監督の『悪魔のいけにえ』(1974年)からの影響を受けたサイコ・ホラーの傑作である。美貌のフランス人モデル、アンヌ=マリー(ペニー・アーヴィング)は、パーティーの席でマーク・E・ド・サド(ロバート・テイマン)と名乗る青年から誘いを受けて彼の自宅へと連れて行かれる。しかしアンヌ=マリーが連れて行かれた館では、狂った判事であるマークの父親と母親が支配する私設刑務所であった。マークの父親ベイリー判事(パトリック・バー)は保守的な裁判官だが、引退後に発狂して家族とともに若い女性を誘拐して私設裁判にかけて監禁していた。 (wikipedia「ピート・ウォーカー」より抜粋



ちょっと弱めにドアをダーン!

僕は知らなかったけど知ってる人は知っている、
ピート・ウォーカー監督『拷問の魔人館』です。
ピート・ウォーカー監督はポルノからスリラーまで
おもに1970年代にスプラッター映画で活躍し、
『フライトメア(1974)』『魔界神父(1975)』 で評価が上がって
モダンホラーの巨匠とまでいわれるようになったものの
彼が映画監督だったのは1968〜1983年の16年間だったようで
とっくに引退しちゃってます。

上の概要にもあるように『拷問の魔人館』は
トビー・フーパー監督『悪魔のいけにえ(1974)』から
影響を受けているとのことで
たしかに言われてみれば『いけにえ』ほど強烈ではないにせよ、
「あの」鉄製のドアをダーン!ていうシーンを感じさせる
ドアをダーン!のシーンがいくつかありました。
逃げ出した被害者の女の子がトラックに助けられるのも
『いけにえ』からの引用かもしれません。
また、頭がイカれたサイコ家族の屋敷に
女の子が捕らえられるという設定は『いけにえ』と同じですが
『いけにえ』がただただ下品なキチガイ家族だったのに対し、
この作品はキチガイなりの厳格さと理屈があるのが特徴です。
そこにはイギリス人らしいブラックな視点を感じるし、
ピート・ウォーカー監督の他の作品の紹介を読んでみても
古い因習に囚われた保守的な人々が考える正義の名の下に行なわれる暴力を
描いたものが多いようです。

それにしても、『いけにえ』と同じ年に
影響を受けた作品を作るとは腹が据わっているとでもいうのか、
その後はダリオ・アルジェントに影響を受け、
『スキゾ(1976)』 という作品では
『サスペリアPART2(1975)』を徹底的に模倣しているそうですから
悪びれる様子もなさそうなところが
なんだか、かえって好感が持てます。

雨が強く降り注ぎ、稲光が闇を裂くような真夜中、
休憩中なのか停車しているトラックの窓ガラスを
傷だらけの少女が助けを求めて叩くのを受けて
運転手は少女を助手席に座らせ、車を走らせるシーンから始まります。
ところが、マスターテープから作られたというDVDの画像
ダビングを重ねたVHSのように粗く、
とくに暗いシーンではほとんど何が映っているかわかりません!
この作品のファンで、DVDを購入した人は
さぞがっかりしたことでしょう。

とにかく、そのオープニングシーンから時間は遡り、
フランス人モデルのアンヌ=マリー(ペニー・アーヴィング)
ベネディクト・カンバーバッチにそっくりの
謎の男前、マーク・E・ド・サド(ロバート・テイマン)
知り合って、キチガイ家族に誘拐・拉致されるのです。
マーク・E・ド・サド……
あからさまにマルキ・ド・サドですな。
(字幕では微妙に名前が違ったけど)
色男にナンパされてノコノコついていって捕まっちゃうのは
『ゼイ・コール・ハー・ワン・アイ(1973)』
思い出さなくもなくもない。

前半の展開はかなり性急で、
キチガイたちの「私設刑務所」に囚われたアンヌ=マリーが
わりとすぐに観念して言われるがままに裸になったり、
盲目のじいさんとばばあ3人に対して
捕らえられている5〜6人の少女達があまりにも無抵抗だったり、
いろいろと都合よく感じるところが多いのですが
細かいところに目をつむりさえすれば
サスペンスとしてとてもよくできているように思います。
「私設刑務所」の連中は、自分たちのモラルに反する少女を捕まえては
自分たちの法に基づく勝手な裁判で刑を決めているのですが
なかでもとくに、マーガレット夫人(バーバラ・マーカム)
看守のウォーカー(シーラ・キース)
憎たらしいサイコっぷりは見事です。
あまり目立たない看守ベイツ(ドロシー・ゴードン)
ひとりで人形相手に話しかけて遊んでいるイカれたところを
ちらっと見せたりするのが念が入っています。

後半に行くほど、サスペンスの度合いが高くなり、
(また、なぜか画質も向上し)
驚くほどの意外性はないかもしれませんが
しっかりとドキドキハラハラできるような理不尽な展開になっています。
囚われた少女達が声を忍ばせてこそこそと話しているうしろに
看守が覗くためのドアの小窓がずっとスクリーンの中央にある
だけなのに
見つかっちゃうぞ見つかっちゃうぞと
気が気じゃなくなるハラハラ演出も巧みです。

あれやこれやで、アンヌ=マリーが私設刑務所を脱走して
オープニングのシーンへと戻るわけです。
そして、トラックの運転手が絶望的な勘違いを……
そしてそして、主人公だったアンヌ=マリーが!
という、やるせな〜いアンチクライマックスになっています。

画質の悪さを我慢できる人にはオススメです。





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