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マチェーテ・キルズ

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(原題:Machete Kills 2013年/アメリカ 108分)
監督/ロバート・ロドリゲス 脚本/カイル・ウォード 撮影/ロバート・ロドリゲス 編集/ロバート・ロドリゲス、レベッカ・ロドリゲス 音楽/カール・シール、ロバート・ロドリゲス
出演/ダニー・トレホ、ミシェル・ロドリゲス、ソフィア・ベルガラ、アンバー・ハード、カルロス・エステベス、レディー・ガガ、アントニオ・バンデラス、ジェシカ・アルバ、デミアン・ビチル、アレクサ・ベガ、バネッサ・ハジェンズ、キューバ・グッディング・Jr.、ウィリアム・サドラー、マルコ・サロール、ウォルト・ゴギンズ、メル・ギブソン

概要とあらすじ
ロバート・ロドリゲス監督が手がけたB級アクション「マチェーテ」(2010)の続編。麻薬捜査官のマチェーテは、アメリカ大統領から、マッドマンと呼ばれるメキシコの麻薬王を倒してほしいとの依頼を受ける。しかし、マッドメンは自分の心臓が止まると同時にワシントンD.C.へミサイルが飛ぶように仕組んでいた。その仕掛けを解除できるのは、世界一の武器商人ヴォズだけだったが、ヴォズもまた、世界を混乱に陥れようと企んでいた。前作に続きダニー・トレホが主演。映画初出演となるレディー・ガガほか、ミシェル・ロドリゲス、チャーリー・シーン、アントニオ・バンデラス、ジェシカ・アルバ、メル・ギブソンらが共演。(映画.comより



バカバカしいのはいいんだけど、さ。

『グラインドハウス(2007)』のフェイクCMから派生した
『マチェーテ(2010)』の続編、
『マチェーテ・キルズ』を楽しみにして映画館へ足を運ぶような人は
多かれ少なかれロバート・ロドリゲス監督作品のファンでしょうから
この作品のバカバカしさは覚悟のうえ、というより
むしろバカバカしさを期待しているはずです。
もちろん、僕もそのひとり。

予告編が終わって本編が始まったと思ったら、いきなり予告編。
しかも『マチェーテ・キルズ・アゲイン…イン・スペース!』という
『スター・ウォーズ』の安っぽいパロディのようなSFもの。
これから観る作品の続編の予告を最初にみせてしまうあたりの作法が
グラインドハウス精神なんでしょうが
ロドリゲスやタランティーノの亜流が山ほど制作されたせいか
本家のこういうノリにも既視感を感じてしまって
ま、それも含めてわかったつもりではいたのですが
この時点ですでに先行きに嫌な予感が……
「ロボット役はジャスティン・ビーバー!」というナレーションに笑うより
なにかと名指しでバカにされるジャスティン・ビーバーが
いいかげんかわいそうになってきたりして。

今度こそ本当に本編が始まって
前作から引き続いてジェシカ・アルバが登場。
一時の輝きには及ばないものの、やっぱり美しいのですが
彼女に見とれていられるのもつかの間、
すぐに銃撃戦へと突入します。
マチェーテ(ダニー・トレホ=今年で70歳!)
敵をつかんだまま、配電盤にマチェーテ(これはナタのほう)を突っ込んで
自分越しに敵を感電させるのは
なんでお前は大丈夫なんだよとつっこむほうが野暮なコントみたいだし、
まったくマチェーテには銃弾が当たらないのは、まあいいとしても
ほとんど反撃する間もなく全滅する軍隊にはちょっと鼻白みます。

デタラメなアメリカ大統領(カルロス・エステベス=チャーリー・シーン)
昼間っから酒を飲んだり、女をたらしこんだりしているのは
チャーリー・シーン本人のセルフパロディと言えそうですが
銃を構えて選挙活動する姿からは
アメリカ合衆国という国自体への批判も窺えます。
ちなみ、カルロス・エステベスとはチャーリー・シーンの本名だそうで
この作品がヒスパニック系の現状をテーマとしていることから
この名前でクレジットされているそうな。

この最初のシーンから一貫して、とにかくこの作品は命が軽くて安い。
登場人物たちが、次から次へとあっさり殺される演出には
いくら首が飛ぼうとも残酷さがまったく感じられず、
凶悪なはずの登場人物に背筋を凍らせることもできないのです。
「ダブルD」と呼ばれるガトリング・ブラやちんこ型銃などに
一体どういう仕組みなんだよ!と文句を言うほど無粋ではないし、
何度も言うように、バカバカしさがこの作品の魅力ではあるのですが
あまりにも簡単にパンパン殺されるのをみていると
どうにも気分が乗ってこないのです。
そのせいか、殺し方や拷問の仕方にも
新しいアイデアを感じることはできませんでした。

アクションとは別の、もうひとつの売りはおねーちゃんたち。
みんな揃って薄着で胸の谷間を強調してらっしゃいますが
エロさに関しては消化不良。
ミス・サンアントニオに扮するアンバー・ハード
スカーレット・ヨハンソン似の口元がそそるものの
ミス・サンアントニオとマチェーテの、出会って数分で合体シーンでは
「3Dメガネをおかけください」というスーパーが出てきて
たとえ3Dメガネをかけても絶対に見えない加工された画像に。
これは、なにが面白いんだろうか……
ここはがっつりエロく撮ってほしかったところ。

革命家であるメンデス(デミアン・ビチル)が二重人格で
凶悪な「マッドマン」という人格ところころ入れ替わったり、
レディー・ガガアントニオ・バンデラスが扮する殺し屋「カメレオン」が
つぎつぎと顔を変えていったり、
メル・ギブソン扮するルーサー・ヴォズには表と裏の顔があったり、
そうかと思えば子分はクローンだったりと
ひとつの役柄に多くの役割を与えているのですが
状況によって人格や風貌が変わってしまう設定は
いくらなんでも都合がよすぎるように感じたし、
そもそも感情移入のしようがありません。

なんだかジェームス・ボンドみたいに
仕込みの武器(サバイバルナイフ風マチェーテ!)を与えられた
マチェーテからは強い男の風格が失われ、
がっかりしたと言わざるを得ませんが
終盤で宇宙服を着たダニー・トレホを目撃して
なんだか、がっかりしていること自体が
的外れだったのかもしれないと悟りました。(遅いか?)
愛犬家が(という表現が適当かどうかわからないが)
わけのわからない滑稽な衣装を小型犬に着せて喜んでいるように
ロドリゲス監督は愛玩するダニー・トレホで
遊んでいるだけなのではないか
、と。
もしそうなら、いろいろと腑に落ちて
ロドリゲス監督に弄ばれるダニー・トレホが不憫に見え始めました。

脇役のキャラクターが増えて、主役の影が薄くなってしまったという点で
『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』
同じ落胆を感じてしまったのですが
さくさくちゃっちゃと映画を撮り続けるロバート・ロドリゲスは
そろそろ腰を据えた一本を撮ってもいい頃ではなかろうか。

少なくとも僕は、
ロドリゲス風の演出に飽き始めている自分に気がつきました。
たとえそれがロドリゲス本人の作品であっても。

↓この予告編の最後、ちんこ型銃が……ない!




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