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キック・アス/ジャスティス・フォーエバー

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(原題:Kick-Ass 2 2013年/アメリカ・イギリス合作 103分)
監督/ジェフ・ワドロウ 原作/マーク・ミラー、ジョン・S・ロミタ・Jr. 脚本/ジェフ・ワドロウ 撮影/ティム・モーリス=ジョーンズ 美術/ラッセル・デ・ロザリオ 衣装/サミー・シェルドン・ディファー 編集/エディ・ハミルトン 音楽/ヘンリー・ジャックマン、マット・マージェソン
出演/アーロン・テイラー=ジョンソン、クリストファー・ミンツ=プラッセ、クロエ・グレース・モレッツ、ジム・キャリー、モリス・チェスナット、ドナルド・フェイソン

概要とあらすじ
オタクな高校生がヒーローとして立ち上がる姿を描いたマーク・ミラー原作のコミックを映画化し、口コミで評判が広まり全米大ヒットを記録した「キック・アス」のシリーズ第2作。キック・アス、ヒット・ガールというヒーローの姿を捨て、普通の学園生活を送っていたデイブとミンディ。しかし、卒業がせまり将来について考えたデイブは、スーパーヒーロー軍団を作り、世界の平和を守ることを決意する。キック・アスの活躍に触発された元ギャングの活動家スターズ・アンド・ストライク大佐とともに「ジャスティス・フォーエヴァー」を結成したデイブだったが、そんな彼の前に、打倒キック・アスを誓うレッド・ミストがマザー・ファッカーと名を改め、悪の軍団を率いて姿を現す。主演のアーロン・ジョンソン、クロエ・モレッツ、クリストファー・ミンツ=プラッセも続投し、ストライプス大佐役でジム・キャリーが新たに参加。前作を手がけたマシュー・ボーンは製作にまわり、「ネバー・バックダウン」のジェフ・ワドロウ監督がメガホンをとった。(映画.comより



ほらみろ、いわんこっちゃない

『キック・アス』が最高だっただけに
その続編『キック・アス/ジャスティス・フォーエバー』の出来映えが
不安になるのは当然というもの。
『キック・アス』の監督マシュー・ボーンは製作にまわり、
監督にはジェフ・ワドロウが採用されたのも不安を煽ります。
マシュー・ボーン監督はコミックに造詣が深いそうですが
『キック・アス』の面白さって、そういうことなんだろうか……
というわけで、あまり乗り気ではなかったのですが
新宿ピカデリーのメンバーズカードがわけのわからない理由で終了し、
今月いっぱいで貯まったポイントも失効してしまうので
ポイントを精算するくらいの軽い気持ちで観に行って参りました。
残ったポイントで普段は買わないジンジャーエールまで仕入れて。

おそらく、この作品の一番の売りは
『キック・アス』の12歳から16歳へと成長した、
ヒットガールことクロエ・グレース・モレッツでしょう。
『キック・アス』で、ちっちゃくて可愛いヒットガールが
下品なセリフを吐きながら悪い大人たちをぶち殺すという
ギャップがもたらす痛快さはすでに期待できません。
(冒頭の試し打ちのシーンを見れば前作の衝撃がないのはあきらか)
となれば、少女から女に成長したヒットガールの色気に
フォーカスすることになるはずですが
思春期真っ只中の15歳という設定(実年齢は16歳)が中途半端で
あんなに愛くるしかったコがこんなに色っぽくなったのか!
という驚きはありません。
もちろん、思春期における悩みや葛藤が物語の一端を担っているのですが
それが面白いのかといえば面白くなく、
痛快さの障害にさえなっているのではないかと感じました。

ヒットガールを封印したミンディ(クロエ・グレース・モレッツ)
抱くジレンマが、やがて爆発するための
バネを限界まで縮めるような十分なタメになればいいのですが、
ミンディは適度に愚痴をこぼしてガス抜きしてしまうので
効果的に使われているとはいえません。
保護者の勧めに従ってつきあい始めた友達は
セレブ願望の女王様を中心にしたバカばっかりで
普通の女子高生として生活するほうが
ヒットガールとして活動するよりも、よっぽど下劣でおぞましいのですが
せめて、女王様にだまされて森の中に置き去りにされるシーンで
ミンディが堪忍袋の尾が切れて爆発していたら

もう少しスカッとしたかもしれません。
ていうか、わざわざ夜中に森に集まって、
やることが置き去りっていうのが、なんともトホホ。
男にレイプさせようとするくらいはあってもいいんじゃないでしょうか。
その後の「ゲロゲリ棒(←町山智浩氏監修)」のシーンは笑いましたが
やっぱり、ミンディのスイッチの入りどころがイマイチなのです。

キック・アスことデイブ(アーロン・テイラー=ジョンソン)
父親との衝突で苦しんでいるようですが
デイブの葛藤は、ミンディの葛藤の縮小版ともいえるようなもので
主人公のはずなのに存在感が非常に希薄です。

前作と違って、大量にキャラクターが増員されていますが
はっきりとキャラクター付けがされているのは
スターズ・アンド・ストライプス大佐(ジム・キャリー)
神取忍みたいなマザー・ロシアのふたりだけで
あとは出オチのために頭数を揃えたようにしか思えません。
スターズ・アンド・ストライプス大佐は
星条旗が大好きなキリスト教原理主義者で
おそらくは正義の名の下に行なわれる暴力を象徴する存在なのでしょうが
描き方が中途半端だったと言わざるを得ません。
もっとキック・アスたちがどん引きするような
キチガイっぷりをみせて欲しかったところ。

大乱闘が繰り広げられるクライマックスでは
おもに、キック・アスは
マザー・ファッカー(クリストファー・ミンツ=プラッセ)と対決し、
ヒットガールは神取忍と対決しますが
キック・アスとヒットガールが協力し合いながら戦う場面がないのは
いかがなものか。
しかも、ヒットガールは神取忍にボコボコにされてふっとんでばかりで
なんとも気分が盛り上がりません。
かと思えば、ヒットガールが「最終兵器」のアドレナリン注射を打ったあとは
あんなに強かった神取忍はほぼ棒立ちで
ヒットガールに攻撃されまくるというのもどうしたことか。

ゴア表現にも、いまひとつ新しいアイデアを感じることはできませんでしたが
とにかく、観終わって一番残念だったのは
ケレン味がないということです。
車で走りながらの格闘など、派手なアクションはありましたが
どれをとっても「イエーイ!」とか「いよっ!」とか
「くぅ〜しびれるぜ!」とか言いたくなるようなシーンは
ひとつもありませんでした。
前作『キック・アス』はまさにケレン味の宝庫で
コミック・ヒーローに対する愛情とかマニア度とかいうよりも
「見栄」の切り方のかっこよさ
コミック的であり、ヒーローもの的だったのではないでしょうか。
バンの上で転げ回るクロエたんを見ても
「イエーイ!」と言う気にはなれないのです。

twitterだったかなんだったか、忘れましたが
エンドロールのあとにオマケがあることを知っていたので
席を立つのを辛抱して待ち構えていたのですが
別に、みてもみなくてもいいオマケでした。
そこに登場した人物がいくら滑稽に騒いでみても
痛快活劇のサゲとして挿入するには
彼の姿はあまりにも痛々しくてグロく、
これを最後にみて、あははと笑って映画館を後にできるとは
思えません。

とにかく、物語の軸を分散させた結果、
面白さまで分散して雲散霧消してしまいました。
クロエたんの旬にあわせて作られたような気がしないでもありませんが
あと2〜3年待って、
成長したヒットガールがバージンを捨てて
大人の女性になる話
にしたほうがよかったと思ふよ。



↓町山智浩さん監修「ゲロゲリ棒」の元となったジャケ。イラストは蛭子さん。




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