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エンド・オブ・ザ・ワールド

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(原題:Seeking a Friend for the End of the World 2012年/アメリカ 101分)
監督・脚本/ローリーン・スカファリア
出演/スティーブ・カレル、キーラ・ナイトレイ、コニー・ブリットン、アダム・ブロディ

概要とあらすじ
地球滅亡を目前に、一緒に旅することになった中年男性と若き隣人女性の姿を、「40歳の童貞男」のスティーブ・カレル&「パイレーツ・オブ・カリビアン」のキーラ・ナイトレイ共演で描いたロマンティックストーリー。地球に惑星が急接近し、もうすぐ人類が滅亡することが判明した。そんな中、妻に置き去りにされた男性ドッジは、ふとしたきっかけで隣の家に住む女性ペニーと仲良くなる。やがてふたりは、ドッジの高校時代の恋人オリビアに会いに行くため一緒に旅に出る。(映画.comより)



やっぱ、世界の終わりに独りはキツイか…

「世界が終わるとしたら、何をする?」
なんていうのは、会話に行き詰まった酒の席で
誰もが一度くらいは経験したことのある話題でしょう。
好きなものをたらふく食べるだとか、
レイプしまくるだとか、上司をボコボコにするだとか
「世界が終わるのに人間性なんて知ったことか!」
と本能むきだしになるのも人間ですが
『エンド・オブ・ザ・ワールド』の主人公たちは
本能の赴くままに自暴自棄になることはありません。
というよりも、もともとむきだしにするほどの
欲を持っていないように見えるのです。

いわゆる「セカイ系」と呼ばれるような作品だったら
嫌だな〜と心配していたのですが
この作品における「世界の終わり」は
あくまでシチュエーションに過ぎません。
もちろん、スペースシャトルは爆発するし、
逃げ惑う人々の車で道は渋滞し、暴動が起き、
自殺するものは自殺するので、
この作品内の「世界の終わり」は実在しているのですが
それは本当に大事なものを探しに行かせるための方便なのです。
つまり、「余命3週間」を宣告された病人と同じなのですが
病人じゃ、うろちょろできないし、
余命が短いのが自分だけじゃないのがいいところ。
ナイス「世界の終わり」。

なにしろ、主人公のドッジ(スティーブ・カレル)は
「世界の終わり」には、あきらめたように落ち着いた態度ですが
自分の奥さんが浮気相手の男と一緒に
家を逃げ出したことを知ると、洗剤を飲んで自殺を図るのです。
ドッジが自暴自棄になるのは「世界の終わり」より
妻の浮気
なのです。

かたや、ドッジの隣人ペニー(キーラ・ナイトレイ)は
「奔放」という言葉がぴったり。
アゴ周りにかなりの堅牢さが宿るキーラ・ナイトレイは
絶世の美女とは言い難いけれでも、それゆえにかいなか
もうなんともチャーミング!!
(チャーミングって死語? じゃないよね?)
思いっきり顔をゆがめたり、眉をつり上げたりする表情が
愛おしいったらありゃしない。
しかも、一度寝たらなかなか起きないという設定も
眠り姫みたいでいいじゃないか、このやろう。

そんなドッジとペニーがともに自分の目的を果たすための旅は
「世界の終わり」はどこへやら、
休暇を楽しんでいるようにしか見えません。
「世界の終わり」でも来ない限りは、本当に
楽しみたいことを楽しむのは不可能だと言われているようです。
(そうかもね……)

そして、意外に重要ではないかと思われるのが
二人と旅をともにする、訳あって「ソーリー」と名づけられた犬。
ストーリー上、いてもいなくても関係ないと思われるこの犬の
扱われ方がまさに「犬としての犬」だということです。
「犬としての犬」だと?このやろう、何いってんだこいつはと
思われるかもしれませんが、人間関係を取り持つような
擬人化がされるわけでもなく、ただ一緒にいる存在としての
「犬」感が素晴らしいのです。
二人のロードムービーに犬を連れて行かせようと考えた
この設定のアイデアは絶妙です。

設定と言えば、途中で出てくる「フレンジーズ」という
レストランも馬鹿でハッピーで最高です。
世界が終わるっつてんのに、お祭り騒ぎで
この店、行きてーーって思いましたよ。

演技や脚本の経験はあるものの、
この作品が初監督作品だというローリーン・スカファリア
末恐ろしい才能の持ち主かもしれません。
俳優陣の顔ぶれを見れば、彼女に対する信頼が
厚いものであることは容易に推測できるとはいえ、
どうやったら、初めての監督作品で
こんなに、気負いもテライもない力の抜けた良作が
撮れるのでしょう。
だからといって、雰囲気任せのぼんやりした演出ではなく
ボンネットに落ちてくる自殺者、
ヒッチハイクした車の男が銃で撃たれるシーンなど
観客を驚かせる絶妙なタイミングの編集には狡猾さも感じます。

シチュエーションとしての「世界の終わり」を背景に
ほほえましい恋の旅路をたどっていた物語に
ラストシーンで本当の「世界の終わり」がやってきます。
ついにお互いがかけがえのない相手だと悟ったその瞬間に
こういう最後が待っていようとは、随分と意地の悪い監督です。

ちなみに、ドッジの父親役でマーティン・シーンが登場します。
そりゃもう、すっかりおじいちゃんですね。
登場すると言っても、水面から顔を出すわけではありません。

より一層、冬の独り寝が身に染みる、
そんな作品でした。ぜひ。





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