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悪いやつら

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(原題:Nameless Gangster 2012年/韓国 133分)
監督・脚本/ユン・ジョンビン 撮影/ゴ・ナクソン 音楽/チョ・ヨンウク
出演/チェ・ミンシク、ハ・ジョンウ、チョ・ジヌン、マ・ドンソク、クァク・ドウォン、キム・ソンギュン、キム・ヘウン、中島武

概要とあらすじ
「オールド・ボーイ」のチェ・ミンシクと「チェイサー」のハ・ジョンウが共演したクライムドラマ。堅気でもヤクザでもない“バンダル(ハンパ者)”と、裏社会に君臨するカリスマの生き残りをかけた攻防を描く。1982年、賄賂でクビになった元税関職員のイクヒョンは、遠い親戚に裏社会の若きボス、ヒョンベがいることを知り、そのコネを使い、狡猾な交渉術を駆使して裏社会でのし上がろうとする。イクヒョンの頭脳とヒョンベの力があわさり、2人は釜山の裏社会を席巻するが、90年、ノ・テウ大統領が「犯罪との戦争」を宣言し、犯罪組織の一掃に本腰を入れはじめたことをきっかけに、2人の間にも亀裂が生じはじめる。(映画.comより



なんでも「生きがいい」うちに。

韓国版『グッド・フェローズ』とか『仁義なき戦い』とか
男臭〜い映画が大好きな人のあいだで評判の
『悪いやつら』
韓国のやくざ社会のすったもんだが繰り広げられるわけですが
韓国という国が大きな変動の最中にあった時代背景を
時の政府の政策を踏まえつつ追っていくあたりは
「加齢臭の強いサニー」とも言えるでしょう。

「父の世代を描きたかった」というユン・ジョンビン監督
元警官の父親の知人や同僚を取材して
この物語を書いたそうですが
欲に駆られた人間たちの愚かな騙し合いはもちろんのこと、
血縁関係を重く扱う韓国特有の考え方
色濃く反映されています。
さらには年長者を敬う儒教精神もあいまって
強烈な身内意識と義理と連帯によって
繫がっていることがわかります。
日本人だって身内で助け合う感覚はわかるものの
「9等親離れた親戚だよ」と紹介されても
はあ……という以上の感情はわかないでしょう。
そのような身内の結束が助けになることもあるでしょうが
この作品のように身内ならなんでも大目に見るようになると
いいことばかりではなさそうです。

そんな血縁関係と義理だけで
小者の税関職員からやみ社会を牛耳るまでにのし上がっていくのが
チェ・イクヒョン(チェ・ミンシク)
『オールド・ボーイ(2003)』のころと比べると
まったく精悍さのなくなったチェ・ミンシクですが
この男、頭が切れるというよりは
媚びへつらって人に取り入るのが得意中の得意。
殴り込みをかけるための口実として殴られ、笑われても
メンツなど気にしないイクヒョンは
結果的に自分が得をするならなんでもやってのけます。
「36年間虐げてきた日本人をヘロイン中毒にするのは愛国心だ!」
といっていたくせに
ケロッと日本人やくざと盃を交わしたりするぐらい
へっちゃらなのです。

かたや若き武闘派暴力団の組長チェ・ヒョンベ(ハ・ジョンウ)
メンツが大事な典型的なやくざ。
ハ・ジョンウは、黙っていてもどこか冷たく凶暴で
いい面構えをした役者ですねえ。
ケンカには自身のあるヒョンベですが、じつは相当なお人好し。
イクヒョンと出会う前にも
信用していた人間からすでに5回も裏切られ、
もう人が信用できないといっているにも拘わらず
あいかわらずイクヒョンに騙されるのです。
本来なら、イクヒョンのようなお調子者を
うまく利用してこそのやくざだと思うのですが
ヒョンベは人間関係にはとっても甘いのです。

脇を固める俳優たちもそれぞれに魅力的でしたが
やっぱりヒョンベの右腕チャンウ(キム・ソンギュン)でしょう。
ある年齢より上の人なら誰もが宮史郎を思い出す髪型の
チャンウの独特の存在感が効いています。
バーでイクヒョンをトイレに連れて行く途中で
イクヒョンが元上司とケンカを始めるまでの間、
うしろで黙って待っているチャンウの
めんどくさそうな表情と演技は見事でした。

どうでもいいことですが
「消防車(ソバンチャ)」というアイドルの偽物が登場します。
「消防車」って『ダウンタウンのごっつええ感じ』でやっていた
『オジャパメン』
の元ネタだったグループですよね。
オジャパメン〜ナネガミオジョソ〜って、まだ歌詞を覚えてるよ。
ああ、なつかしい!
当時、まだ韓流ブームなどなかった頃
わけのわからない歌を韓国語で歌うダウンタウンの
わけのわからない面白さは相当にショッキングでした。

最後まで、あっちこっちへと寝返り続けるイクヒョンを追いながら
物語は進んでいくのですが
イクヒョンの企みはすべて先に描かれるので
「このやろう、裏切りやがったな!」と
観客も登場人物たちと一緒になって
驚けるところがあれば、なおよかったかな、と思いました。

登場人物たちのキャラを楽しむだけでも一見の価値ありです。







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