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ロンドンゾンビ紀行

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(原題:Cockneys vs Zombies 2012年/イギリス 88分)
監督/マティアス・ハーネー 脚本/ジェームズ・モラン
出演/アラン・フォード、ハリー・トレッダウェイ、アラン・フォード、オナー・ブラックマン、ミシェル・ライアン

概要とあらすじ
イギリスで大ヒットした「ショーン・オブ・ザ・デッド」にオマージュをささげながら作られた、ロンドンの下町が舞台のゾンビコメディ。不況のため祖父が入居する老人ホームが閉鎖されることになったテリーとアンディは、事態を打開するため銀行強盗を企てる。しかし、強盗を決行し、なんとか金を手に入れたその時、なぜか町中にゾンビがあふれだす。老人ホームにもゾンビの群れが迫り、兄弟は祖父を助けるためゾンビ退治に繰り出すが……。(映画.comより)


思てたんと、ちゃう!

「ゾンビ」のディテールを最初に決定づけたのが
ジョージ・A・ロメロの
『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』だということくらいは
映画部の前田くんに教えてもらわなくても知っているのですが
これほどまでに多くの映画で「ゾンビ」がシェアされる理由は
一体何なのでしょうか。
足が速くなったり、とにかく大量だったり、
「ゾンビ」にはいろんなアレンジが試されてきましたが
僕が思うに「ゾンビ」の魅力は「ザコ感」ではないか、と。
ザコであるがゆえに、殺してしまうことにさほど罪悪感はなく、
物語も必要ない。一体一体が強敵なわけではなく、
群がるザコを片っ端から蹴散らす爽快感が
テレビゲームのレベル上げと同様の快感をもたらすのでは
ないでしょうか。

結果的には肩を落として帰路に就くことになったわけですが
予告編に釣られて観に行ったからには
予告編の編集を褒めるしかないでしょう。

原題にある「Cockneys」
ロンドン訛りの「コックニー」を使う労働者階級のことです。
無学無教養な僕に英語の訛りを聞き分けることなど
到底無理なのですが、英語圏の人間でも
聞き取れるとは限らないほどの強烈な訛りのようです。
ウーピー・ゴールドバーグ主演の
「ジャンピング・ジャック・フラッシュ」というコメディ映画で
ウーピーがストーンズの曲を聴きながら
「ミック、最高よ! 何言ってんのかわかんないけど!」
というセリフもありましたね。

おじいちゃんがいる老人ホームが
取り壊されることを知った孫たちがそれを阻止しようと
銀行強盗を企て、実行するもその間にロンドンはゾンビだらけ。
うん、まあいいでしょう。
では、なぜ僕が肩を落として映画館を出ることになったかと言えば
先述したとおり、僕が予告編を見て期待に胸膨らませていたのは
「老人 vs ゾンビ」だったのです!
老人ホームという名の姥捨て山に放棄された
生ける屍である老人たちと、文字通り生ける屍のゾンビの対決。
ゾンビと化した、若いだけが取り柄の馬鹿ガキどもを
百戦錬磨の老人たちが片っ端から殺しまくる!!
それを期待していたのです。

勝手に期待しておいて、勝手にガッカリされても
知らんと言われれば、確かにそうですが
「ゾンビ」の扱いに目新しいものを加えないのだとしたら
やはり何か新鮮なアイデアを見せてほしかったのです。

予告編で、僕が最も惹かれたシーンは
庭で昼寝をしているおじいちゃんがゾンビの存在に気がつかず
「志村、うしろ!」状態からの
ゾンビと歩行器を使って逃げるおじいちゃんの
長スローモーなデッドヒート!!
予告編を見たときは声を上げて笑い、
こういうアプローチなら面白そうだと思ったのですが、
いざそのシーンを本編で観てみると
盛り上げるための細かいカット割りと大げさな音楽が鳴り響き、
ゾンビとおじいちゃんの距離感も曖昧
まったくの興醒めなのです。
ここはカットを割らずに、音楽無しの横からの引いた画で
追いつかれそうなおじいちゃんを
ひやひやしながら大笑いで観たかったものです。

ラスト近くで、元軍人のおじいちゃん(アラン・フォード)が
みんなを助けるために、ひとり勇敢とゾンビの群れに
飛び込んでいくシーンがありますが、
おじいちゃんがゾンビ達に囲まれて姿が見えなくなったとき、
船から飛び降りた孫達が「じいちゃんの仇を!」なんていう
余計なカットを入れるもんだから
一連のタイミングが最悪で
その後のオチがまったく活かされないのです。
孫達は「じいちゃんが死んじゃった〜」と泣いて
悲しみに暮れていればよかったのに。かと思いきや……ってね。

そして、ラストのラスト。
生還したおじいちゃんは船の上から川岸にいるゾンビめがけて
マシンガンをぶっ放し、そのままターンして
カメラに向けてマシンガンを撃ち続けてエンディング。
……これは、いかがなものかと。
「カメラ目線」ですら、それなりの意図を持つ場合を除いて
基本的にはタブーでしょう。
なぜなら、映画の中の世界観に浸っていた共犯者である観客に
カメラの存在を意識させてしまい、
虚構の世界から引きずり出してしまう裏切り行為だからです。
ましてや、カメラに向けてマシンガンを撃つということは
その銃口の火花がCGであることがばれるなんて些細なことではなく
さっきまでゾンビを撃っていたのは空砲だということに
なってしまい、今まで維持してきた共犯関係を反故にしてしまいます。
じゃあ、ゾンビを気味悪がったり、怖がったりして
この「お話」に乗っかっていた観客はなんなの?
ジョークだとしても、ジョークのバランス感覚が悪すぎます。

ちなみに、老人ホームにいるおばあちゃん役の
オナー・ブラックマンは『007/ゴールドフィンガー』の
女性パイロット、プッシー・ガロアです!
ボンドを虜にしたプッシー・ガロア=「大量のプッシー」も
年を取ったとはいえ、お元気そうでなにより。
どうせなら、『007/ゴールドフィンガー』の
工場入口の詰め所でボンドに色目を使うおばあちゃん並に
マシンガンをぶっ放してほしかったです。

途中、ゾンビになったウェストハムとミルウォールのサポーターが
ゾンビになっても喧嘩をするというシーンがあって、
こういう笑いは面白いのにな〜、
やっぱジョークのバランスが悪いんだよな〜
と、感じた次第でございます。





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