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ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!

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(原題:Hot Fuzz 2007年/イギリス 120分)
監督/エドガー・ライト 脚本/エドガー・ライト、サイモン・ペッグ 撮影/ジェス・ホール 美術/マーカス・ローランド 編集/クリス・ディケンズ 音楽/デビッド・アーノルド
出演/サイモン・ペッグ、ニック・フロスト、ジム・ブロードベント、パディ・コンシダイン、ティモシー・ダルトン、ビル・ナイ、ビリー・ホワイトロー、エドワード・ウッドワード、ビル・ベイリー

概要とあらすじ
ジョージ・A・ロメロの「ゾンビ(原題:ドーン・オブ・ザ・デッド)」をパロディ化したホラーコメディ「ショーン・オブ・ザ・デッド」が絶賛され、カルト的人気を誇るイギリスの俊英エドガー・ライト監督が、同作の主演サイモン・ペッグらと再度タッグを組んで作り上げたアクションコメディ。平和な田舎に左遷されたエリート警官エンジェルは、そこで起こった不気味で残虐な事件の捜査を開始。しかし、村人たちは揃って能天気で、どこかおかしく……。(映画.comより)



ゾンビの次は、年寄り。

ゾンビ映画のパロディ『ショーン・オブ・ザ・デッド(2004)』に続いて
エドガー・ライト監督とサイモン・ペッグ&ニック・フロストによる
刑事アクションもののパロディ、
『ホット・ファズ 俺たちスーパーポリスメン!』
『ショーン・オブ・ザ・デッド』と同様に
日本では未公開となりそうだったところ、
映画ライターのわたなべりんたろう氏が公開署名運動を展開し、
映画評論家の町山智浩氏が後押ししたことで
めでたく日本公開が実現し、大ヒット。
どっからどうみても面白い上質な作品なのですが
これを公開スルーする配給会社の審美眼の曇り具合には
驚かざるをえませんな。

ロンドンの超優秀な警官ニコラス・エンジェル(サイモン・ペッグ)
優秀すぎるために「周りがバカに見える」という理不尽な理由で
田舎町サンドフォードに左遷されます。
「平穏な」サンドフォードは、住民の誰もが顔見知りで
ちょっとした違反にもみんなおおらか。
ルールに厳格なニコラスは自分の能力を持て余しています。

なんだか呑気なジョークが続く前半に気を許していたところに
突然の首チョンパ! しかも二人。
こういうグロいシーンがちゃんとグロいのが
ただのパロディ・コメディと一線を画すところ。
ここからストーリーが急に深刻さ(?)を増し、
人の良さそうなサンドフォードの人々の隠された秘密が
徐々に明らかになってくるのです。

『ショーン・オブ・ザ・デッド』と同じく
様々な映画のパロディ、というかオマージュが盛り込まれているのですが
僕がわかったのは新聞記者が殺されるシーンの『オーメン(1976)』くらいで
(ニコラスの制服にある「777」という番号も
 『オーメン』の「666」とかかってるのかな?)
ちょっとしたカットでも、
いちいちなにかからの引用のようには見えるものの
引用するとみせかけて引用しないスカシのパロディまであって
(敵を倒したあとに気の利いたセリフを言い忘れるとか)
元ネタを言い当てていくようなことは到底できません。
ただ、ニコラスの相棒ダニー(ニック・フロスト)
刑事アクション映画オタクだという設定のおかげで
『ハート・ブルー(1991)』『バッドボーイズ2(2003)』からのネタは
わかりやすくなっています。

小ネタが山ほど出てくるなかで、
ニコラスとダニーが停車したパトカーの中にいて通行人を見ては
「寒くないのに長いコートを着てるのはおかしい」とか言っていたシーンで、
ダニーが食べていたアイスクリームのコーンが
カットが変わると量が増えていた
のは
なにかのボケ? それともただの編集のミス?

後半は、刑事アクション映画オタクのダニーの望み通りに
怒濤のカーチェイスと銃撃戦に。
これがまた、ちゃんと迫力十分スリル満点で
ニコラスに感情移入しつつ盛り上がります。
ニコラスが反撃ののろしを挙げるババアへの飛び蹴りが最高ですが
マシンガンをぶっぱなすバアさんは『007 ゴールドフィンガー(1964)』
ボンドに色目を使うバアさんを思い出しました。
スーパーのオーナー・スキナー(ティモシー・ダルトン)との
ミニチュアの町での戦いはまるで怪獣映画です。

ゾンビ映画と刑事アクション映画という違いはあれど
『ショーン・オブ・ザ・デッド』と『ホット・ファズ』の
ストーリー構造はほとんど同じです。
このふたつの作品でサイモン・ペッグが扮する主人公は
どちらも大人になりきれない子供です。
そして、どちらも冒頭で彼女から愛想をつかされるところから
始まります。
(目元しか見えないニコラスの彼女、検死官のジャニーンは
 ケイト・ブランシェットだとか。ちなみにノーギャラ)
自分自身に向き合わざるを得なくなった主人公は
頼りにならないけどかけがえのない友人(ニック・フロスト)とともに
困難を乗り越えながら成長し、最後に向かうのはパブです。
この2作に続く『ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!』
もろにパブを中心にした話ですが、
イギリス人にとってのパブという存在が
とてもシンボリックに描かれています。

また、「父殺し」もふたつの作品に共通する要素ですが
とくにこの作品では、閉鎖的で古い因習がカルト集団として描かれ
旧態然とした価値観に対するアンチテーゼが色濃く感じられます。

パロディといっても、
さまざまな映画のクリシェを茶化して笑い者にしているのではなく
愛情たっぷりに引用されているのが
エドガー・ライト監督作品の魅力ではないでしょうか。

細かい伏線にニヤッとしながら
笑ったかと思うとじ〜んときたり、
ほんとによく練り込まれた傑作です。





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