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天使の分け前

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(原題:The Angels' Share 2012年/イギリス・フランス・ベルギー・イタリア合作 101分)
監督/ケン・ローチ 脚本/ポール・ラバーティ 撮影/ロビー・ライアン 美術/ファーガス・クレッグ 編集/ジョナサン・モリス 音楽/ジョージ・フェントン
出演/ポール・ブラニガン、ジョン・ヘンショウ、ゲイリー・メイトランド、ウィリアム・ルアン、ジャスミン・リギンズ、シボーン・ライリー、チャーリー・マクリーン

概要とあらすじ
イギリスの名匠ケン・ローチが、カンヌ国際映画祭で審査員賞を受賞したドラマ。スコットランドを舞台に、恋人や家族からも見放されていた青年が、信じられる仲間を得たことで前向きになっていく姿を、笑いや涙を交えて描く。ケンカの絶えない人生を送るロビーは、恋人レオニーや生まれてくる赤ちゃんのために人生を立て直そうとするが、なかなかまともな職に就けず、またもトラブルを起こしてしまう。服役の代わりに社会奉仕活動を命じられ、そこで3人の仲間と出会ったロビーは、奉仕活動指導者でウイスキー愛好家のハリーからスコッチウイスキーの奥深さを教わり、テイスティングの才能が開花。仲間とともに1樽100万ポンド以上する高級ウイスキーに人生の大逆転をかける。脚本はローチ作品おなじみのポール・ラバーティ。(映画.comより)



ボクにも分け前、ちょーだい!

わーきゃーいいながら、
ビールやチューハイを一気飲みしていた若者が
静かにウイスキーの香りをたしなめるようになったら
それはもう大人の証拠。
ま、現実の(日本の)おとうさんたちは
ビールをやめて発泡酒を飲んだりしているのですが。

裁判沙汰になるほどの喧嘩をくりかえしていた
ロビー(ポール・ブラニガン)
住所不定で無職でしたが
恋人のレオニー(シボーン・ライリー)が妊娠し、
父親になることがわかると
今度こそ真っ当な人生を歩もうと決意します。
若いころのナイナイ岡村みたいな、
小柄でなで肩のポール・ブラニガンは
そんなに乱暴者にはみえないのですが
ロビー役同様、幼い子供を持つ父親だそうで
演技経験がなかったにも拘わらず、主役に大抜擢されたのです。

裁判所に命じられた社会奉仕活動をこなすロビーは
妻と子供のために真剣に社会復帰を目指しているようにみえますが
周りがそうさせません。
かつて対立していた不良グループが執拗にロビーをつけまわし
レオニーの父親もロビーを追放しようとしています。
いくら本人が自分を変えようとしていても
それを周囲が認めてくれないために自暴自棄になり
結局立ち直ることができないというのは、さもありなん。
ロビーにぐっと肩入れしそうになりますが
ロビーに暴力を振るわれて失明した被害者が登場すると
加害者であるロビーが過去を清算して真人間になろうとするのも
身勝手なようにも感じられ、
ロビーを不遇な善人として一方的に表現しないところが
バランスがいいと思います。

社会奉仕活動を指導するハリー(ジョン・ヘンショウ)の誘いで
奉仕活動仲間と一緒にウイスキーの蒸留所見学に行ったロビーは
思いがけずテイスティングの才能に気づくのですが
このあたり、もうちょっとウイスキーに関するうんちくを
見せて欲しかったところ。
鼻(舌?)がきくロビーが
めきめきとテイスティングの技術を上達させる、わけではないので
おお! やるじゃん、ロビー! という高揚感はありません。

オークションで100万ポンド(約1億4,000万円)の
超高級ウイスキー「モルト・ミル」が出品されることを知ったロビーは
一発逆転を掛けて、仲間と一緒に「モルト・ミル」を
盗み出す計画を立てます。
え? 盗むの? と思ったのは僕だけではないでしょう。
ロビーが窮地に陥っているのはわかるものの
どうしても大金が必要なやむにやまれぬ事情があるわけでもなく
仲間には「万引きはやめろ」と言っていたのに
結局盗んじゃうのかよ、という思いがあるのは否めません。

タイトルの「天使の分け前」とは
ウイスキーが樽の中で熟成されていくうちに
年間2%ほど蒸発して失われる分のこと。
すなわち、ロビーたちがウイスキーを盗んで手にしたお金は
天使がロビーたちに恵んでくれた分け前なのです。

その日の生活にだって困るほど困窮する人間がいるかと思えば
大金を使ってウイスキーをやり取りし、
う〜ん、いい香りなんていっている人間もいるのです。
少しぐらい、こっちに回してくれてもいいだろう!
ボトル4本分のウイスキーを盗むことに成功したあとも
蒸留所のひとたちがウイスキーの量が減っていると騒がないのは
やっぱり「天使の分け前」だから?

ラストシーンで
つねにロビーたちの味方になってくれていたハリーに
残ったボトル一本の「モルト・ミル」を届けたのには
ほっこりするものの、
それが盗まれたものだと知ったら
ハリーは素直に喜べるんでしょうかねえ。

ま、それも「天使の分け前」だから
よしとするか。





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