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片腕マシンガール

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(原題:The Machine Girl 2008年/アメリカ 96分)
監督・脚本:井口昇 撮影/長野泰隆 編集/田辺賢治 特殊メイク・造型/西村喜廣 VFXスーパーバイザー/鹿角剛司 アクション監督/鈴村正樹
出演/八代みなせ、亜紗美、島津健太郎、穂花、デモ田中、諏訪太朗、川村亮介、石川ゆうや、西原信裕

概要とあらすじ
不良グループに弟を殺された女子高生アミは復讐に乗り出すが、逆に捕らえられ拷問の末に片腕を失ってしまう。なんとか逃げ出した彼女は、同じく息子を殺されたミキと特訓を開始。腕のかわりに鋼鉄製マシンガンを装着して戦いに挑む。製作はアメリカ、スタッフ・キャストは全て日本人という異色のB級スプラッター・アクション。「猫目小僧」などの鬼才・井口昇が監督・脚本を手がけ、映画初出演のグラビアアイドル・八代みなせがヒロインに抜擢。(映画.comより)



殺されるならドリルブラ

大部分の「普通」の人は見向きもしないけれど
一部の人は大絶賛の井口昇監督による
『片腕マシンガール』でございます。
日活の製作であるにもかかわらずアメリカの映画会社が配給したために
洋画扱いとなり、ロードショー公開すらされなかったこの作品は
鑑賞後にすがすがしい気分になれる超スプラッタームービーです。
全編を通して、ざまざまな映画からのいろいろな影響や引用があります。
いや、あるのかもしれませんが
そんな元ネタ探しなど馬鹿馬鹿しくなるような怪作・傑作なのです。

片腕にマシンガンを仕込んだ女子高生というだけで
ロバート・ロドリゲス監督の『プラネット・テラー in グラインドハウス』における
片足にマシンガンを仕込んだヒロインと同様に
一体どうやって引き金を引くのかという疑問が頭に浮かびますが
そんなことで引っかかっていてはこの作品は楽しめません。
いっそのこと、コブラのサイコガンのようでもいっこうに構わないのですが
終盤で弾切れしたりするのが中途半端にリアルで笑えます。

アミ(八代みなせ)と弟・ユウ(川村亮介)の兄弟の両親は
殺人の濡れ衣を着せられて自殺したことになっていますが
なぜふたりの両親がそこまで追い詰められたのかは語られません。
とにかく理不尽な過去を持つふたりには
復讐に値する根拠があることが重要なのです。
おのずからアミとユウは二人で自活しているのですが
バスケ部に所属するアミには仲良しの女友達がひとりいるだけで
ほかに部員も見あたらず、バイトをしている様子もありません。
そんなことはどうでもいいのです!
それよりもキッチンに仏壇があるのはなぜなんだ!
そんなことはどうでもいいのです! 手っ取り早いじゃないか!

アミは、イジメによって殺されたユウの遺影を持って
イジメグループのひとりの家をたずねますが
絵に描いたような理不尽さで返り討ちに。
なぜか朝から天ぷらをあげていたところに
体勢を崩したアミは天ぷらの衣に左手をつけてしまい、
相手の母親に腕を押さえられながら
左手をカラッと揚げられるのです。
……でも、コロモは必要ないよね!! わはは!
これでアミは左手を失うことになるのかと思ったのですが
……直接には関係なし。

イジメっこのボスは服部半蔵の末裔であるというやくざ。
完全に忍者を誤解しているわけですが
スシ、テンプラ、ニンジャという日本文化に対する欧米の誤解を
そのまま受け入れてしらばっくれているところが痛快です。

普通ならゲンナリしてしまうところですが
むしろ観客がこけにされてるんじゃないかと思えるほど
説明的なセリフ回しは、連続する過剰なゴア表現を
笑い飛ばして正当化するために仕掛けのように思えてきます。
ユウと一緒に殺された秀平(杉原タケシ)の母親・ミキ(亜紗美)
昔ながらのスケバン口調も笑えます。

アミとミキが力を合わせて戦うクライマックスでは
ゴア表現とアクションにありったけの愛情とアイデアを
詰め込んでいます。
その愛情とアイデアの3分の1くらいは
ドラマ作りに注いでもいいじゃないかとは思うものの
そんなヤワなことではいかんのです。

片脚を切断されたミキは用意してあったチェーンソーを脚に装着!
いつのまにそんなものを開発してたんだよ!
とっても戦いづらそう! 難儀しそう!
それでもミキは敵を八つ裂きにしたあと、ついに息絶えますが
今度はアミがそのチェーンソーを腕に装着!
腕にも着けられるのか! 太さとか!
ていうか、アミのマシンガンの的中率低すぎ! 無駄玉多すぎ!

最後に対決するヤクザの妻(穂花)が装着しているのは
なんと、ドリルブラ! なんと、バカバカシイ!
敵に抱きつかないと攻撃できないじゃないか!
でも穂花はいい女!

……と、まあ、
とにかく強くてかわいい女の子たちが
ぐっちょんぐっちょんにバッサバッサと男たちを殺しまくるのをみて
イエ〜イと言うのがこの作品のテーマです。
カメラをにらみつけてるアミに
やたらとズームアップするショット

まさに漫画的に歌舞いているのです。

常に整合性よりも派手さや面白さのほうを徹底して追求しているので
この作品を前にして滅茶苦茶なストーリー展開に苦言を呈するのは
愚の骨頂。ゲスの極み。
僕なんぞは、その整合性のなさが気になるどころか
過剰に吹き出す血しぶきに拍手喝采してしまう始末ですが
それは井口昇監督が、明らかに物語の整合性よりも
どんな風に血が飛び散って人が死んだら面白いかのほうに
ありったけのアイデアを振り絞っているからで
その迷いを感じさせない徹底した表現の実直さが
観客に喜びを感じさせます。

エロ要素が少なかったのは意外でしたが
お腹いっぱいになりました。







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