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スーパー!

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(原題:Super 2010年/アメリカ 96分)
監督・脚本/ジェームズ・ガン 撮影/スティーブ・ゲイナー 編集/カーラ・シルバーマン 衣裳/メアリー・マシューズ 音楽/タイラー・ベイツ
出演/レイン・ウィルソン、エレン・ペイジ、リブ・タイラー、ケビン・ベーコン

概要とあらすじ
冴えない夫のフランクは、セクシーなドラッグディーラーの後を追って家を出てしまった妻を取り戻すため、自前のコスチュームを身にまとったお手製ヒーロー「クリムゾンボルト」に変身。クレイジーな相棒ボルティーとともに危険地帯の犯罪に立ち向かう。レイン・ウィルソン主演、エレン・ペイジ、リブ・タイラー、ケビン・ベーコンが共演するアクションコメディ。監督は「ドーン・オブ・ザ・デッド」の脚本で注目され、SFホラー「スリザー」でデビューしたジェームズ・ガン。(映画.comより)



足して2で割ればおいしくなるとは限らない

『スーパー!』について語るときに
引き合いに出さざるを得ないのは
『キック・アス(2010年)』
『ゴッド・ブレス・アメリカ(2011年)』でしょう。
ほぼ同時期に作られたこれらの映画を観ると
誰もが怒りを我慢しながら鬱屈した生活を送っていることがわかるし、
おのずからヒーロー待望論が湧き出てくるのも理解できます。
むしろ最近では、このような屈折したヒーローの描き方を通り越して
単純明快なコミック・ヒーローものが大量に作られ、
「とにかく、やっつけてよ!」という憂さ晴らし映画が増えるのも
致し方ないような気がします。

ヒーローものでなくとも、「オタク」を題材に、
もしくは主人公にした作品はそれこそ星の数ほどあって、
これほど一般化してしまうと「オタク」を「オタク」とは
呼べないんじゃないかと思ってしまいますが
『スーパー!』の主人公フランク(レイン・ウィルソン)
コミックの知識などまったくない冴えない中年です。
そのかわり敬虔なクリスチャンであることが皮肉です。
フランクは「キリスト(神)オタク」なのです。

冴えないフランクには不釣り合いな美人の妻サラ(リブ・タイラー)
一度は克服しかけたドラッグ中毒に負け、
麻薬の売人ジョック(ケビン・ベーコン)の愛人になって
フランクの元を去ってしまったことからフランクの日常が変わっていきます。
ケビン・ベーコンのヘラヘラ感が素晴らしい。

サラを取り戻そうとするフランクは、
ヒーローものの形を取ったテレビの布教番組にインスパイヤされ、
神からの啓示を受けるのですが
このシーンの描写が不必要にグロい。ははは。
布教番組にチャンネルを合わせる前に観た
たこ足が女性の身体をむさぼるアニメの記憶が混ざっているのか
神さまというより怪物の食指のようなもので
身動きが取れなくなったフランクは
頭をパッカリ開けられて脳みそをいじられるのです。

だからといって、そんなに人が変わったように見えないフランクですが
とにかく、手づくりの赤いコスチュームを身に纏い、
正義のヒーローとして行動するようになります。
使用する武器がレンチだったりするのが
笑いどころなんでしょうな。
このあたりから、しばらく「むかつくあるある」が続きます。
麻薬の売人を殴打したりすることもありますが
チケット売り場の列に割り込んできたバカをレンチで殴るシーンは
誰しも拍手喝采でしょう。
僕が好きなのは、車椅子の女性のバッグをひったくろうとした男を
車椅子の女性ごとぶっ倒すシーンです。
「首が! 首が!」 わはは!

正直、この「むかつくあるある」展開は若干ダレるのですが
オタクでセックス好きなリビー(エレン・ペイジ)が登場して
持ち直します。
劇中で22歳と言っていましたが(このときのほぼ実年齢)
かなり幼く見えるエレン・ペイジの達者ぶりが味わえます。
彼女の出演作は『JUNO/ジュノ』が有名ですが
個人的には『ハードキャンディ』がオススメです。
やがて悪者退治で行動を共にするフランクとリビーは
『ゴッド・ブレス・アメリカ(2011年) 』のふたりと
そっくりな関係です。

僕の個人的な鑑賞の順番が影響しているのかも知れませんが
どうしても『キック・アス』と『ゴッド・ブレス・アメリカ』 の設定を
行ったり来たりしながらミックスしているように
感じてしまいます。
ただ、この作品が上記の2本と違うのは唐突なゴア表現です。
キャッキャキャッキャと悪者退治を楽しんでいたリビーが
銃で頭の半分を吹き飛ばされて横たわるショット
おおっと身を乗り出しました。
爆弾で両腕をもがれた敵が命乞いをするのに
容赦なく弾丸を撃ち込むのもよかったのですが
シリアスモードに入ったと思ったら
あいかわらずアメコミ風の擬音が演出で施されたりするのは興醒めです。
全体を通して感じたことですが
いまいち展開のノリが散漫で、グッと気持ちを持っていかれることは
ありませんでした。

一度はフランクの元に戻ったサラが
結局、手紙一枚を残してまたフランクの元を離れてしまうラストは
中途半端に味わい深くしたような感じで
むしろ単純なハッピーエンドだったほうがよかったように思います。
さくっと新しい男を見つけたサラは
すでに4人の子供を持つ母親。およそ10年後?
そのサラの子供から手紙をもらって満足げな「フランクおじさん」って
どうなの? フランクなめてる?
これじゃフランクはただのバカみたいじゃないか。

面白くないとは言わないが
いまいちバランス感覚に欠ける作品でした。





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