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野蛮なやつら SAVAGES

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(原題:Savages 2012年/アメリカ 129分)
監督/オリバー・ストーン 原作/ドン・ウィンズロウ 脚本/シェーン・サレルノ、ドン・ウィンズロウ、オリバー・ストーン 撮影/ダン・ミンデル 美術/トーマス・ボス 編集/ジョー・ハッシング、スチュアート・レビ、アレックス・マルケス 音楽/アダム・ピータース
出演/テイラー・キッチュ、ブレイク・ライブリー、アーロン・ジョンソン、ジョン・トラボルタ、ベニチオ・デル・トロ、サルマ・ハエック、エミール・ハーシュ、デミアン・ビチル、サンドラ・エチェべリア

概要とあらすじ
ドン・ウィンズロウのベストセラー小説「野蛮なやつら」をオリバー・ストーン監督が映画化。米カリフォルニアに暮らす平和主義でインテリな青年ベンと元傭兵のチョンは、高品質なマリファナ栽培の事業を始める。2人は幼なじみの美女オフィーリアとの恋愛関係も共有しながら事業を成功に導くが、やがて3人を支配下に置こうと企むメキシコの麻薬組織が3人がオフィーリアを拉致。ベンとチョンはオフィーリアを取り戻すため勝ち目のない戦いに挑むが、作戦は次第にエスカレートしていき……。「キック・アス」のアーロン・ジョンソン、「バトルシップ」「ジョン・カーター」のテイラー・キッチュ、「ゴシップガール」のブレイク・ライブリーが共演。(映画.comより)



完全に期待を裏切る、「なんちゃって映画」

社会的メッセージ性の強い作品を作り続ける
オリバー・ストーン監督
自身の体験も凄まじいことから
その作品の説得力は疑いようもないのですが
いかんせん、その主張は偏向ぎみで説教臭いのです。
とはいえショーン・ペン主演『Uターン』のように
メッセージを脇に置いたエンターテイメントを撮らせると
面白い作品を作ったりするのです。

そんなオリバー・ストーン監督の
エロと暴力満載のクライム・アクション『野蛮なやつら SAVAGES』には
期待に胸を膨らませていたものの、
なんやかんやで劇場公開を取り逃がし、
やっとBru-rayで観ることができたのですが
なにしろ引き合いに出される作品が『パルプ・フィクション』だの
『トゥルー・ロマンス』だのとくれば
嫌が応にも期待値が上がります。

いきなり、集団首チョンパで始まるこの作品は
通称O(オー)と呼ばれるオフィーリア(ブレイク・ライブリー)
回想ナレーションで物語が進んでいくのですが
「こうやって話してるからって、私が生きてるとは限らないわ」
みたいなことを言うのは
回想ナレーションで物語を運んでいく定型パターンを
揶揄する意図を含んでいるんでしょうが
生き残っていなければ回想を語ることはできないわけで
その中途半端な思わせぶりに、冒頭から嫌な予感を感じました。

質のいい大麻を独自で栽培・販売している
チョン(テイラー・キッチュ)
ベン(アーロン・ジョンソン)
オフィーリアを愛人としてシェアしていて
この3人の関係が変わっていることは劇中でも語られますが
それにしても、この状況ってありえるのかなと疑問に思います。
この男2人+女1人というのは
かつてのJ-popのグループでも乱発された組合せですが
セックスがからまない微妙な距離感なら理解できるものの
オフィーリアは、チョンともベンともがんがんヤリまくるので
いつか必ず破綻する関係に思えてなりません。
男は独占欲が強いですからねぇ。
「オレとあいつのどっちが好きなんだ? どっちのチンコが気持ちよかった?」
って、どっちかが言い出して終わりになると思うんすけど。

羽振りよくやっていたチョンとベンのもとに
「パートナーになろう(=俺たちの手下になれ)」
もっとでっかい本物マフィアが登場し、
生意気な若造二人をしつけるため、
オフィーリアを誘拐したことで話がややこしくなっていくのですが
どうも、いまひとつ物語に迫力がない。

死んだ大親分の跡目を継いだ、まさしく「極道の妻」こと
エレナ(サルマ・ハエック)
確かに非情な女ですが
最終的に、ベニチオ・デル・トロ
あっさりとエレナを裏切るのですから
元親分のおんなだからって、組織をまとめる人徳も力もないはずで
いつでも子分たちはそっぽを向けるはずなのに
なぜかエレナに頭が上がらない男たちが不自然にみえます。

さまざまな人物が登場し、「野蛮な」群像劇が繰り広げられるのですが
それぞれの登場人物たちに与えられた設定が
効果的に作用しているとは思えませんでした。

植物学者で仏教好きなベンが、
やってることのわりには優等生過ぎたり、
元傭兵のチョンはバイオレンスな展開のために設けられた印象。
オフィーリアがセレブのバカ娘だったり、
反抗期の娘を持つエレナが拉致しているオフィーリアに
愛情を感じる描写をはじめ、
ベニチオ・デル・トロ扮するラドの家庭事情や
悪徳麻薬捜査官デニス(ジョン・トラボルタ)の奥さんが
病気で瀕死の状態であることなどなど、
ひとりひとりの背景が語られるものの
それがそれぞれのキャラクターに反映されているとは言い難く
「だから、なに?」と言いたくなるのです。
設定を説明しているだけにしかみえません。

はじめに『Uターン』を引き合いに出して
エンターテイメントを意識したときのオリバー・ストーン監督は
面白いと言いましたが
この作品はテーマにメッセージ性を強く感じられないものの
セリフの端々に監督の政治的な主張が込められていて
鼻につきます。

さきほどの登場人物たちの設定と同様に
観客が感じとって理解するというよりは
演説のような押しつけがましさを感じてしまいます。

最大の問題点は、ラストシーンでしょう。
どんでん返しなんていうもんじゃなく、
僕は素直に「えええ〜??」と声が出で、ズッコケました。
ここではじめて、オフィーリアによる回想ナレーションが
役割として必要だったことがわかるのですが
やっぱり、「だから、なに?」としか言いようがありません。
オフィーリアの妄想による悲劇的な結末を一度見せることに
一体どんな効果があるのかわからず
カタルシスが阻害されるだけです。
まるで救世主のように登場するジョン・トラボルタの
いかにも悪徳警官ぶりには
奥さんの病状に気を患う姿が反映されているとはとても思えません。

なんだか、いろいろと盛り込んだけど
うまくいかなかったのね、という印象です。
ヒジョーにがっかりでした。





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