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タリーと私の秘密の時間

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(原題:Tully 2018年/アメリカ 95分)
監督/ジェイソン・ライトマン 製作/メイソン・ノビック、ディアブロ・コーディ、シャーリーズ・セロン、ベス・コノ、A・J・ディックス、ヘレン・エスタブルック、ジェイソン・ライトマン 製作総指揮/ジェイソン・クロス、アンディ・ポラック、ポール・テニソン、デイル・ウェルズ、スタン・トーマス、ロン・マクレオド、ジェイソン・ブルーメンフェルド 脚本/ディアブロ・コーディ 撮影/エリック・スティールバーグ 美術/アナスタシア・マサロ 衣装/アイーシャ・リー 編集/ステファン・グルーブ 音楽/ロブ・シモンセン 音楽監修/トリシア・ハローラン
出演/シャーリーズ・セロン
、マッケンジー・デイビス
、マーク・デュプラス
、ロン・リビングストン
、アッシャー・マイルズ・フォーリカ
、リア・フランクランド


概要とあらすじ
「JUNO ジュノ」「マイレージ、マイライフ」のジェイソン・ライトマン監督が、「ヤング≒アダルト」でもタッグを組んだシャーリーズ・セロンを再び主演に迎え、3人の子を育てる母親と不思議な魅力をもったベビーシッターの女性との交流や絆を、コミカルかつハートウォーミングに描いたドラマ。仕事に家事に育児にと何でも完璧にこなしてきたマーロだったが、3人目の子どもが生まれて疲れ果ててしまう。そんなマーロのもとに、夜だけのベビーシッターとしてタリーという若い女性がやってくる。自由奔放でイマドキな女子のタリーだったが、仕事は完璧で、悩みも解決してくれ、マーロはそんなタリーと絆を深めることで次第に元の輝きを取り戻していく。タリーは夜明け前には必ず帰ってしまい、自分の身の上を語らないのだが……。セロンがマーロ役を演じ、「ブレードランナー 2049」などで注目されるマッケンジー・デイビスがタリーに扮した。脚本を「JUNO ジュノ」「ヤング≒アダルト」のディアブロ・コーディが手がけた。(映画.comより



サスペンス仕立ての育児あるある

男も女も惚れる「カッコイイ」女優、シャーリーズ・セロンが激太りして(『モンスター』のときよりさらに4kg多い18kg増量)挑んだ『タリーと私の秘密の時間』。監督と脚本が『ヤング≒アダルト』のコンビということで、やっぱり大人になりきれないオトナの物語です。

3人目の子供を妊娠中のマーロ(シャーリーズ・セロン)は、身重の体を引きずるようにしながら子育てに奮闘しております。とくに次男は多動性障害のようで、つねに落ち着きがなくたびたび癇癪を起こし、マーロは手を焼いています。やがて赤ちゃんが生まれるとマーロの疲労はさらに倍増。そこでマーロは兄夫婦の勧めに従って、夜専門のベビーシッターを雇うことにしたのでした。そしてやってきたのは、なんでもそつなくこなす溌剌としたベビーシッター、タリー(マッケンジー・デイビス
)

序盤はとにかく子育ての大変さが繰り返し描かれます。経験がないので想像するしかありませんが、世の母親にとってはあるあるでしょう。夫のドリュー(ロン・リビングストン
)は家族思いではあるものの仕事に明け暮れ、帰宅するとヘッドホンをしてゲームをするといった具合に家事と育児はマーロに任せっきり。

タリーが来るようになってから、徐々にマーロは生気を取り戻し、後半では前半と比べてあきらかにきれいになっております。いつしかふたりは親友のように。ついにブルックリンまで車を飛ばして飲みに出かけるのですが、突然タリーはベビーシッターを辞めたいと言い出します。明け方近くなって再び車を駆って家路につくふたりでしたが、睡魔に耐えきれず居眠り運転。対向車をよけた勢いで川に転落してしまうのでした。

病院に運び込まれたマーロは睡眠不足で精神に異常を来すほど疲労困憊の状態でした。タリーがいたのに? そうです、タリーはマーロのイマジナリー・フレンドでありオルターエゴ。存在していなかったのです〜。

というわけで、サスペンス仕立ての育児あるあるなのですが、いまいちパッとしません。ベビーシッターを雇うときにマーロが電話するシーンがなかったりするのはまあいいとして、夫のドリューがタリーと挨拶すら交わしたことがないのはさすがに無理があります。タリーが来るようになってからのマーロの変化(異変)を感じさせる要素がもっとあってもよかったのではないでしょうか。マーロとタリーの存在がもっとも重なるのは「ウエイトレス・コスプレ」のシーンですが、マーロにあのタイトなコスチュームは着られないだろとか思ってしまいます(羽織っただけなのか?)。

マーロの兄夫婦は裕福で、金銭的にも世話になっているということでしたが、ドリューの稼ぎが少なくてマーロの家庭が経済的に困窮しているようにはみえず、ギャップが感じられません。でも、もっとも本作をボンヤリさせているのは、マーロが「空っぽ」で、自分の夢をあきらめてやむなく母親業に納まったわけではなく、家事と育児そのものに不満があるわけではないことではないかと思います。

一応、若かった頃の自分(タリー)に対する羨望はあるのですが、だからといって現状が不満なわけではない。ただ、とにかく疲れているだけ。ドリューと激しい夫婦げんかになってもよさそうですが、そんなこともありません。夢と自由をあきらめて育児に追われているとすると、育児そのものを否定することになりかねないと考えたのかどうかわかりませんが、どうにも中途半端な印象です。

また、タリーのほうからベビーシッターを辞めると言い出すのも解せません。タリー(かつてのマーロ)はなぜ自ら身を引いたのでしょうか。母親としての責任や家族の大切さを知らないタリー(かつてのマーロ)が暴走し、子どもたち(とくに赤ちゃん)がなにかしらの危険に冒されることで、マーロがタリーを追い出すほうがマーロの過去への執着からの解放と成長が感じられたのではないかと思いました。

つーか、ドリューよ。マーロが重症になってから育児の大変さに気づくって、遅えよ。







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