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修羅雪姫 怨み恋歌

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(1974年/日本 89分)
監督/藤田敏八 脚本/長田紀生、大原清秀 原作/小池一夫、上村一夫 撮影/鈴木達夫 美術/樋口幸男 音楽/広瀬健次郎 編集/井上治
出演/梶芽衣子、伊丹十三、吉行和子、原田芳雄、岸田森、安部徹、山本麟一

概要とあらすじ
“修羅雪姫”シリーズ二作目。無実の罪で惨殺された父母の怨みを背負った修羅の子が、その仇を討ったあと明治時代の政治的混乱にまきこまれ、再び紫紺の蛇の目傘の仕込み刃で華麗に舞う。脚本は「修羅雪姫」の長田紀生と大原清秀、監督は「赤ちょうちん」の藤田敏八、撮影は鈴木達夫がそれぞれ担当。(映画.comより抜粋)



修羅雪姫にとっては、とくに怨みごとなし

『修羅雪姫』の続編、『修羅雪姫 怨み恋歌』
修羅雪姫=鹿島雪(梶芽衣子)が墓参りをしているシーンから始まりますが
なんの説明もないので『修羅雪姫』を観ていない人にとっては
なんのことだか、さっぱりわかりません。
雪が拝んでいる墓は、雪の両親の墓で
雪の復讐に呪われた人生はここに由来するのです。
続編なんだから、前編は観てて当然だろ? というこの態度。
嫌いじゃありません。

すでに兇悪殺人犯=「修羅雪姫」として名をとどろかせている雪は
さっそく、刺客に襲われます。
長回しによる殺陣で華麗に刺客を斬り捨てた雪が
死体が浮かぶ池の水をすくって飲むシーンが素晴らしい。

第一作『修羅雪姫』では、
雪の出生に端を発する血塗られた復讐の人生が描かれますが
一応は、第一作で個人の復讐を成し遂げている雪は
今度は自身が追われる身になっているわけです。
ついに捕まった雪は死刑囚となりますが
死刑執行の日、警察とは別の特警「影の軍隊」に救出され、
命と引き替えに、アナーキストの徳永乱水(伊丹十三)が持っている
特警の弱みを握る一通の手紙と乱水の命を狙うこと
命じられます。
女中になりすまして乱水に近づく雪ですが
やがて乱水の人柄に心酔し……ということで
物語が転がっていくのですが
私怨に満ちた前作と違って、この作品は非道な体制に対する
レジスタンス
を描くという側面が大きくなっています。
徳永乱水がアナーキスト(モデルは大杉栄?)であることは言わずもがな
貧民窟に住む周介(原田芳雄)たちの不当に虐げられた生活も
描かれています。

いつも知性と色気を放っている伊丹十三は
この作品のアナーキストという役柄もはまり役なのですが
捕らえられた乱水が拷問を受けるシーンは壮絶で
何度も打ち付けられる乱水の背中から勢いよく吹き出す
あり得ない量の血しぶき

非現実的(非科学的)だったとしても
映画の演出はこうあるべきだと思わせてくれます。
血糊の不自然なほど鮮やかな赤がシュールで
むしろ、そのグラフィカルな表現がかっこいいのです。
顔をメスで切り裂く、腕を切り落とすなどのゴア表現は
前作でもみられましたが
その思い切りの良さに、スタッフの気概を感じます。

さんざん痛めつけられた乱水が、最後に受けた仕打ちとは
なんと、ペスト菌を注射されること!
弱り切った乱水は周介が住む貧民窟に捨てられますが
実はこの二人は兄弟で、しかも周介の元妻だったあや(吉行和子)
周介が日霧戦争に出兵中に乱水とデキちゃったという
なんともまぁ、因縁浅からぬ関係。
当然、周介は乱水とあやに対して敵意を持っているのですが
断ち切れぬ因縁を引き受ける覚悟をしたのか
周介は乱水を看病し、自身もペストに罹ってしまうのです。

乱水が死んだことに逆上したあやは警察署に乗り込んで
悪徳警官の丸山警部(山本麟一)の眼をつぶすものの
あえなく返り討ちになりますが
その後、アイパッチをした丸山警部が
残りの片目を雪につぶされるのは
『キル・ビル vol.2』のエル・ドライバーを思い起こさせます。
やっぱりタラが引用したんでしょうか。

ラストの神社での決闘シーンで
「影の軍隊」の親玉、菊井精四郎(岸田森)
「キチガイ犬めが!」と断末魔を叫びながら
雪に殺されるときの死にっぷりがかっこいいのですが
ペストでふらふらになりながら雪と一緒に戦っていた周介が
雪に「殺してくれ」と頼むと
雪が迷うかと思いきや
あっさりと周介を刺し殺したのにはズッコケました。

『修羅雪姫』の続編とはいうものの、
梶芽衣子の魅力は半減していて、
おもに乱水と周介の兄弟の因縁とレジスタンスに重きが置かれているため
雪が物語の主軸というわけでもなく、脇に廻っているという印象は否めません。
ま、『修羅雪姫』が凄まじい作品だっただけに
仕方がないのかも知れませんね。





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