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私の奴隷になりなさい

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(2012年/日本)
監督/亀井亨 原作/サタミシュウ 脚本/港岳彦
出演/壇蜜、真山明大、板尾創路、杉本彩

概要とあらすじ
サタミシュウのSM青春小説「私の奴隷になりなさい」を映画化。主演は29歳でグラビアデビューした注目のグラドル・壇蜜で、演技初挑戦ながらフルヌードで調教される体当たりの役どころを演じる。出版社に就職した“僕”は、先輩の香奈にひと目惚れし、なんとかして香奈を口説き落とそうとするが、まったく相手にされない。しかし、ある日突然、香奈のほうから誘いを受け、一夜を共にする。その後も2人の奇妙な関係が続くが……。「花と蛇」の杉本彩が特別出演。(映画.comより)



ハイッ! 奴隷になります!

2012年、日本の男の股間を
最も熱く(固く?)したと言っても過言ではない
壇蜜が主演の『私の奴隷になりなさい』
壇蜜の人気の秘密を推測してみれば
バディがセクスィーなのは当然として
あの眠そうな上目遣いと、
下ネタをサラッとアドリブで返す頭の良さに加えて
官能小説から飛び出てきたような絶妙な昭和感が
オーバー30(40?)の男たちを虜にしたのではないでしょうか。
その壇蜜が大胆なヌードを披露するとあって
この作品の話題性は抜群なのでした。

いつものとおり、原作は読んでおりませんが
(開き直りも堂に入ってきたな)
タイトルや事前情報から、だいたいの察しはついておるのです。
異常性愛によるSMの主従関係が物語の中心となるはずで、
それはその通りだったわけですが
一番肝心なことを先に言ってしまうと
「日常」と「非日常」、「正常」と「異常」のギャップ
十分に描けているとは思えませんでした。

出版社に中途採用されたスケコマシの「僕」(真山明大)
同じ部署の香奈(壇蜜)に出会い、
いつものようにこの女を口説いてやろうと考えます。
この「僕」は、今時のイケメンっていうやつなんでしょうが
綿棒みたいにヒョロヒョロで、女を弄ぶようには見えません。
(若干、やっかみが入ってるかもしれないな……)
本性を見せる前の香奈も、いつもテレビでみる壇蜜のように
すでにトロ〜ンとした色香をぷんぷん漂わせており
その後の展開に意外性をもたらしてはくれません。
やっぱり、ここは男勝りにバリバリ働く女上司だとか
まったく色気を感じさせない地味な女性だとかにしないと
ダメなんじゃないでしょうか。
むかーし「私、脱いだらすごいんです」なんてコピーがありましたが
(若いやつは知らないだろ? けけけ)
脱ぐ前からすごいじゃねえかよ!

香奈の行動に戸惑う「僕」ですが(僕じゃないっすよ)
香奈からの2回目の誘いで
「これからあなたの家に行ってフェラチオしてあげます」のくだりは
香奈は絶ッ対に「僕」の部屋に上がってはなりませぬ!!
上がるなよ〜上がるなよ〜と思いながら観ていましたが
上がりやがったよ……orz
流しで口をゆすぐ余計なカットまで入れて。
香奈は靴も脱がずに、玄関でしゃがんでフェラしたあと
それじゃ。って感じで帰らないとダメでしょう!
まったく変態をわかっちゃいない!

香奈を性の奴隷にして操っている先生(板尾創路)
いきつけのバーでずいぶんあっさりと「僕」に正体を明かします。
バーのカウンターに座って会話をしているのですが
他の客などお構いなしで、あからさまに性奴隷の話をするのです。
先生が講釈を垂れるのは基本的にこのバーなのですが
もっと他のロケーションも使って、その会話が隠し事であることを
表現しなければならないのではないでしょうか。
先生の話を目の前で聞いているはずのバーテンダーが
あまりにも会話に無関心なのもいただけません。
手元を見ながらも耳がダンボになっているはずのバーテンダーが
眼の動きだけで視線を先生のほうに向けるカット(アップで)が
一瞬でもあれば、隠し事の緊張感が出たはずです。
(一度だけ、バーテンダーが先生のほうに
 顔を向けたカットがありましたが、あれは
 おかわり、大丈夫ですか?の顔の向け方でしたよ)

板尾創路は大好きな芸人だし、いろんな映画にも出演していますが
演技がうまいかといったら疑問符が浮かびます。
彼特有の雰囲気を持っているのは間違いありませんが
標準語を喋る違和感があるとはいえ
台詞回しは棒読みにしか聞こえません。
とくに、今回の役ではもっと得体の知れない狂気のようなものを
表現して欲しかったと思います。

壇蜜の演技も決して褒められたものではなく
件のバーで、まだ調教前の香奈が同僚に仕事の愚痴をこぼしながら
はっと視線に気づいて、先生に眼を向けるシーンなど
学芸会レベルの演技で、ズッコケました。
まったく必要性を感じないほど露出度の高いテーモーシーンなど
「ヘルターなんとか」のエリカ様に
爪の垢を煎じないでそのまま飲ませてやりたいくらいの
体当たり演技ではありますが
体当たり以外に戦い方がない不器用な力士のようです。

ラストで、先生と決別した香奈は
なぜか怯えて座り込んだ「僕」に向けて
「ずっと、おちんちん勃ってたよねぇ。」と言ったあと、
「私の奴隷になりなさい。」と言うのです……
当然、タイトルの種明かしをするためにも
このセリフはこうしなければいけないのは理解できますが
そのハマリ具合がむしろカタルシスを削いでしまっています。
ここは、ひとつ!
「ずっと、おちんちん勃ってたよねぇ。じゃ、オナニーして見せて」
って言って終わるのが正解でしょう! 違う?
「私の奴隷になりなさい。」なんて改めて言うより
すでに調教が始まってる感じがするでしょ? ね?

最初に言ったように
「日常」と「非日常」、「正常」と「異常」のギャップ、
すなわち人間の裏に隠された本当の欲望がテーマだとすれば
壇蜜のキャスティングは間違いだったと言わざるを得ません。
だって、はなっからエロいんですから、壇蜜さんの見た目は。
もしくは演出で、壇蜜のエロさを消さねばなりません。
スピンオフの作られ方からみても、壇蜜人気にあやかったところは
多分にあるので、壇蜜ありきの企画なのは想像できますが
作品のテーマに重きを置くならば
もっと他にギャップを感じさせる適役がいたように思います。
実現可能かどうかは別にして、気の強そうな印象の
天海祐希とかさ。米倉涼子とかさ。
どう? どうよ? いいだろ〜?

「僕」がやたらと怯えたり、ストレスを感じてゲロを吐いたり、
また女性が抱える不満がステレオタイプであったり、
壇蜜の大胆なヌードにしても
AV的な、露出を目的とした露出としか感じられないなど、
不満なところは多々ありますが
根本的なところで、作り手が変態になりきっていないのが
最も大きな問題ではないでしょうか。
結局は、「普通の人から見た変わった趣味の人たち」という
視点から抜け出せず、SMの世界に潜む複雑な心理に踏み込むこともなく、
SMを好奇の目で表面的に捉えているとしか言えません。
最終的には「僕」を異常な世界へ誘い込むのですから
異常性愛の思考や発想を徹底して描いて欲しいものです。

特別出演で、杉本彩が姿を見せています。
いつにまにやらエロスの後見人みたいになった彼女ですが
グラビアアイドルで人気絶頂だったころ、写真集を発売した彼女は
その取材にきた芸能レポーターに対して
「この写真集はアートですから。いやらしいことはできません」
と、答えていたのを聞いて、なんてバカな女だろうと、
随分がっかりしたのを僕は決して忘れません。

なんすか? アートって?
どんなエロ本でも、ヌケないものはヌケないし、
その気になれば、ミロのヴィーナスだってヌケるよ。
アートが立派だと思っている頭の悪さに反吐が出ます。
(その後改心したからいまの彼女があるのかな?)

最後の最後で話が逸れましたが、わはは
変態描くなら、まず、作り手が変態になれ!





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